自民党総裁選に立候補した3氏が、公約を明らかにした。その公約が意図的でないとしたら、彼らが国を治めるにはあまりにも無知であり、現実を知らなさ過ぎることが露呈された。3氏は揃って日本政府の規模の縮小を公約に掲げ、外務大臣小渕恵三氏は10年間で中央省庁の人員を20%削減、経費を30%削減するという。前官房長官梶山静六氏は政府のリストラを行い「小さな政府」を目指すという。小泉純一郎厚生大臣は10年間で中央省庁の人員を半減させると述べた。
これは非常にお粗末な公約である。なぜなら明らかにこの3人は、日本政府がG7諸国、OECD諸国のどの国よりもすでに公務員の数が少ないという事実を知らないことを表しているからである。ご参考までに、次のOECD(1998年)のデータを見ていただきたい。
雇用者全体における公務員数の割合(%)
<< G7諸国 >>
フランス 24.9
カナダ 19.6
イタリア 16.1
ドイツ 15.4
イギリス 14.1
米国 13.4
日本 6.0
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G7平均 15.7
日本を除いた平均 17.3
<< 他のOECD諸国 >>
スウェーデン 31.2
ノルウェー 30.8
デンマーク 30.7
フィンランド 25.2
オーストリア 22.8
ニュージーランド 22.1
アイスランド 19.9
ベルギー 19.0
オーストラリア 16.0
スペイン 15.7
ポルトガル 15.3
アイルランド 13.4
ルクセンブルグ 12.0
スイス 14.0
オランダ 11.9
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OECD平均 18.5
日本を除いたOECD平均 19.1
日本の政府は、OECD諸国の中で日本の次に公務員の割合の少ないオランダ(11.9%)の約半分、その次の米国(13.4%)の半分以下の公務員しかおらず、OECDやG7諸国平均の3分の2の規模しかない。総裁候補である小渕氏、梶山氏、小泉氏らが掲げた公約は、他の先進工業諸国の指導者たちよりも、自分たちが政府の最適な規模を十分把握しているということを示すものなのか。それとも、単に彼らが陳腐な政治家であり、日本のようなすばらしい国をうまく治めるにはあまりにも無知で現実を知らないということを単に露呈させているものなのであろうか。
自民党が日本の経済や社会をこれ以上破滅させる前に、私たちは自民党を正気に戻さなければいけない。次の選挙で自民党が再度大敗するのを待つのではなく、今日にでも、次のような草の根的な行動を是非とっていただきたい。
(1) もし私がここで述べたこととあなたの意見が同じであれば:
(A) 衆参両院のあなたの選挙区の国会議員と自民党本部宛てに手紙を書いていただきたい。国会議員ならびに自民党本部の住所は、下記の弊社インターネットのWebサイトで調べることができる(また下記へご連絡いただければ、喜んで情報を提供させていただく)。
(B) また、このメモをあなたの親戚や同僚、友人などにも読んでいただいて欲しい。そして皆が国会議員や自民党の本部へ手紙を出すよう是非勧めていただきたい。
(2) もし私がここで述べたことに反対されるのであれば、是非知らせていただきたい。私の間違いを指摘していただければ、私はそれを正すことができるからである。