自民党の新総裁に選出されたのは米主要メディアが「ミスター・オーディナリー・マン」(普通の人)と名づけた小渕氏であったが、自民党の政策を分析するために、立候補した3氏の公約を改めて分析したところ、使用する言葉は多少違えども、3氏とも同じ内容を謳っていることがわかった。そしてその謳い文句は、自民党の主要プロパガンダ機関である読売新聞がここ数ヵ月間にわたって謳ってきた内容と同じなのである。その謳い文句とは概ね次のようになる。
金持ちと権力者に対し減税し、
その他の国民に対しては増税せよ
企業の福祉を手厚くし、
国民の福祉を削減せよ
企業と企業収益を守る政策を採用し、
労働者や賃金を守る政策を捨てよ
資本家の搾取を阻む規制を取り払い、
国民には自己防衛させよ
市場の役割を拡大し、
政府の役割を弱めよ
市民権に終止符を打ち、
国民を消費者に変えよ
この謳い文句は、米国とイギリスを先進国の中で最も貧富の差の大きい国に変えた、ロナルド・レーガンとマーガレット・サッチャーが自分達のテーマソングとしたものである。1980年代にはニュージーランドでも流行した歌であり、その時代に労働党と国民党はニュージーランドに初めて貧困層を作り出した。また、これはIMFが世界中の幾多の国家に対し、資本家による国民からの搾取を阻止するすべての規則や規制を撤廃させる時に謳う歌でもある。私自身、レーガンとサッチャーが自国民に強いたことを日本にまで押し付けたことについて、自民党がレーガンとサッチャーのテーマソングを歌い始めるまで気付かなかった。それが日本に起こるとは思ってもみなかったからである。このレーガン/サッチャー政策の根幹は単なる神話に過ぎないことは随分前から広く知られており、自民党がこれを本心から信奉しているとは今も考えられない。また、このレーガン/サッチャー政策が米国、イギリス、ニュージーランド、そしてIMFの隷属国となった国家にもたらした影響はあまりにも広く知られているため、まさか自民党がそのような政策を日本国民に対して行うような反逆行為を犯すなどとは考えら れなかったのである。
しかし数々の証拠が示すように、まさに自民党はレーガン/サッチャー政策を採用し、国民に対し階級闘争をもたらし始めたのである。我々に残されている選択肢は次の3つしかない。
(1) この政策におとなしく服従し、米国、イギリス、ニュージーランド、そしてIMFに隷属することになった国々に苦悩がもたらされたように、日本を二極分化の社会に作り替えることを許可する。
(2) 自民党とその議員を正気に戻し、これ以上これらの政策を国民に課せば、自民党もまたその議員の政治生命も終わりになるとはっきりと告げる。
(3) それでも自民党がその政策をとることをやめなければ、次の選挙で大敗させ、政党としての自民党を、無責任な自民党議員の政治家としてのキャリアもろとも終わらせるのである。
私は自民党に対してまだ希望を失ってはおらず、自分達の間違いに気付いてくれることを期待している。したがって上記の(2)の選択肢が現実となることを望んでいる。このメモの読者の方々にも、次の選挙で自民党が再び大敗するのを待つのではなく、草の根的な行動をすぐにでもとっていただきたい。そのためには、もしあなたが私の意見と同じであれば、衆参両院のあなたの選挙区の国会議員、そして自民党本部に手紙を書くか、このメモに署名してそれを彼らに郵送してもらいたい。国会議員、自民党本部の住所は下記の弊社インターネットのWebサイトでも調べられるし、弊社にご連絡いただければ喜んで情報を提供させていただく。
また、このメモをあなたのまわりの人たちにも読んでもらって欲しい。そして皆が国会議員や自民党に手紙を出すか、このメモに署名してそれを彼らに郵送するように勧めて欲しい。
もし私がここで述べた意見に反対なら、是非知らせて欲しい。異なる意見を理解したいし、私の考えに間違いがあればそれを正したいからである。