今から5年前の参議院選挙のとき、このOWで私は「民主主義社会の操縦者は国民である」として、積極的に選挙で投票することは国民の義務であると書いてきました。投票率を100%に近づけることこそが選挙に対するカネの影響力を無効にする手段であり、かつ政治家に国民が満足する政策や行動をとらせる方法で、日本社会がうまくいっていると思えば現職の議員(政党)を再選させればいいし、うまくいっていないと思えばその責任者を落選させるしかないとも書きました。投票率が100%になれば、政治家は当選するためには全ての有権者を考慮しなければならないし、最大多数の国民の最大幸福を提供しなければならないからです。
しかし近年の日本はどうでしょう。衆議院総選挙の投票率は、1996年(41回)は史上最低で59.65%、前回の2000年(42回)は62.49%で史上2番目に低い投票率でした。参議院選挙では1995年(17回)が史上最低で実に44.52%、1998年(18回)は 多少持ち直しましたがそれでも58.84%でした。
日本よりも投票率の低いアメリカについては、ガルブレイスがその著書『満足の文化』(新潮社)の中で、有権者が投票行動をとらなくなったことがアメリカの貧富の差の拡大の最大要因であると書いています。アメリカの政治家が富裕層や権力者を優遇するのは、彼らから投票や政治献金を受けているからで、そして貧しい弱者は投票すらしないからである、と。今、日本もまったく同じ状況にあると思います。
今回のOWは、わが社の社員宛てに、友人から送られてきたメールの一部を許可を得て掲載します。どうか皆さん、11月9日は投票へ行ってください。投票率が低ければ低いほど、得するのは現在の与党と与党にその政策をとるように仕向けている一部の有権者だからです。そして損をする人は誰かといえば投票しない人々で、票率が低い限り、日本国民はいつまで経っても受益者になることはできないからです。
選挙へ行こう!
アメリカ、ロシアに続いて、中国が世界で3番目の有人宇宙飛行を実施しました。中国が日本からの経済援助を有効に活用し、宇宙開発や軍事力増強を続ける現状は日本にとって誠に「おめでたい」状況と言わざるをえません。日本から中国への援助総額は6兆円を超えていると言われていますが、中国はこの事実を国民には知らせず、感謝の「か」の字もありません。日本からの経済援助を十二分に活用して中国は軍事費を12年連続!で毎年10%以上急増して軍備増強し、宇宙開発等の先端技術開発を積極的に進めて技術力を高め、今回は遂に有人宇宙技術を開発して「アメリカ、ロシアに次ぐエリート国家」(Japan Times)の仲間入りすることになりました。
日本の不況の直接的な原因は、日本から中国への工場の移転による「産業の空洞化」によるものですが、中国が日本の30分の1の安い人件費に加えて、宇宙開発等の先端技術のイメージまで獲得したなら、中国に対する日本の国際競争力は無くなり、日本から中国への工場の流出は加速され、「産業の空洞化」による不況の谷底へまっ逆さまに落ちてしまいます。中国への経済援助については、
1.中国が軍備増強を続け東アジアの緊張を高めている。
2.日本のODAで作られた道路や空港は軍事仕様になっている。
3.中国は日本からお金をもらう一方で他の国に経済援助をしている。
4.宇宙開発を進める等、もはや発展途上国ではない。
等の理由で反対の声があるのですが、これが未だに続けられているのは、中国で建設工事をすると一部が日本のゼネコンに資金が流れるからだと言われています。誰のための経済援助なのでしょうか?
さて、この度衆議院が解散され、3年ぶりに総選挙が行われることとなりました。今回の選挙は「マニフェスト選挙」と呼ばれ、今後の日本の進路を選ぶ大切な選挙です。我が国の国家財政は、国債・地方債合わせて700兆円!の天文学的な借金の山を築き、破綻状態にあります。(ためしに1万円札で積み上げると7000km! 富士山の2000倍で地球の半径を超えていますから、誇張なしに天文学的な借金なのです。)これは国税収入の17年分で、つまり、向こう17年分の収入を先食いしてしまったのです。そして、この天文学的な借金は現在の若者や、これから生まれてくる子供たちが、何十年にも渡り苦しみに苦しんで返済しなければならないのです。例えば、700兆円を利子2%で50年均等返済しようとすると、毎年22兆円も返さなければなりません。年収40兆円の国でこれは不可能ですから、この借金は消費税の大増税にはね返り、10%以上消費税率を上げなければなりません。消費税率が3%から5%に、たった2%上がっただけで日本を未曾有の消費不況に叩き落とした「橋本増税不況」を考えると、今の大人が作った借金を返すために消費税を10%以上上げた時に、これからの世代の若者や子供達がどれほどの大増税と消費不況に苦しむことになるでしょう。700兆円も積み上げた天文学的な借金を、借金を作った我々が生きている内に少しは返し始めるのか? どんどん無駄な土木工事を続けて1000兆円を超えてから全てを子供や孫に押し付けるのか?
天文学的な借金を押し付けられ、近い将来に大増税と大不況で地獄の苦しみを味わうことになる若者のみなさん、棄権をしている場合ではありません。必ず選挙に行きましょう! 私と同世代や私よりも上の世代の方々も、子供や孫に天文学的な借金を押し付ける加害者なのですから、「子孫にどのような日本を残すのか」「自分達が生活できれば子孫にどんなひどい苦しみを与えても良いのか」をよく考えた上で選挙に行きましょう!