新春の集いのアンケートでいただいた質問への回答です。
「新春の集い」でいただいたご質問と回答(2)
<Q1>国民、世界の格差の話はおもしろかった。いま一番の関心事である、イランの核武装の話をして欲しかった。
回答:日本でイランの核開発についてどのような報道がなされているか、私はよく知りませんが、イランのとっている行動は違法ではないと思います。もし日本や他の国が原子力発電所を持てるのであれば、なぜイランが持ってはいけないのでしょうか。イランが核兵器を開発している証拠を示す信頼できる情報を私は見ていないし、イランに対して米国政府が主張するさまざまな批判や中傷を、私はまったく信じていません。なぜなら米国政府の過去の言動をみれば(イラクが大量破壊兵器を持っているから攻撃を開始したことなど)、米国政府の嘘は習慣的なものとなっているからです。
また、もしイランが核兵器を開発しているとしてもそれがなぜ問題なのでしょうか。
(1)イスラエル、パキスタン、ロシア、中国といった、イランの隣国はすでに核を保有しています。
(2)イスラエルは200~500個の核弾頭を持ち、それをイランやその他中東諸国に向けて配備しています。
(出所*ジョンピルガー: “Iran: The Next War”, New Statesman Cover Story (February 13 2006)より)
(3)米国は昨年500個の核兵器であるバンカーバスター爆弾をイスラエルに提供しています。(出所*同上)
(4)米国は世界最大数の核弾頭を持ち、それは世界中の核兵器を合わせた数を上回ります。
(5)米国政府は、米国が選んだいかなる国に対しても自由に核兵器を使う権利があると主張しています。
同じようになぜ北朝鮮が核兵器を開発してはいけないのでしょうか。
(1)その隣国である中国とロシアは核兵器を持っています。
(2)隣国である日本と韓国には、核兵器を持つ米軍が駐留しています。
(3)米国は、北朝鮮が不可侵条約を求めたのにそれを拒否しています。
米国はこの世界をとりまとめている独裁国家ではありませんし、イランにいかなる命令をもする権利は有していないと思います。
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<Q2> 私は国をよくするのも、会社をよくするのも、個人の人生をよくするのも、教育の力だと思います。教育こそが負の連鎖(循環)を断ち切るものだと思います。格差の社会の前提は教育機会の平等と敗者復活の仕組みの確立だと思います。子供には美田は残せそうもありませんが、教育だけはのこせるよう努力します。来年は教育について話してください。
回答: 教育の重要性について私も同感です。独立国家だったとき日本は教育に重点を置いていました。明治時代、まだ平和な独立国家だったとき日本は道徳教育を非常に大切にしていました。それは、
(1)指導者たちが強い道徳観を持っていなければ、指導者たちがその権力を賢明かつ公正に行使するかどうか信用ができない。
(2)しっかりとしたモラル教育によって人間としての善悪の区別ができなければ、他者に依存することなく自立することはできないから、だと思います。
日本の政権が軍事政権にとって変わられたとき、軍事独裁者は自分の臣民に対して指導者を盲目的に崇拝し、卑屈に追従する従順な奴隷となるような教育を導入しました。1945年、米国が占領したときには修身、日本史、地理をなくすなど教育制度を改訂し、War Guilt Information Programなど、米国の臣民となった日本人に米国の指導者を盲目的に崇拝し、卑屈に追従する従順な奴隷となるように教えたのです。
日本が独立性を取り戻すには、そして権力を賢明かつ公平に使える、信頼できる指導者を取り戻し、国民が個人の独立性を取り戻すためには、日本は江戸時代のような教育制度を作り直す必要があると私は考えます。
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<Q3>社長のご講演はたいへん参考になりましたが、そのお考えは企業経営にどのように反映させておられるのでしょうか
回答:私は我が社が日本のコミュニティにおける、善良で、価値のあるメンバーとなるよう、そして、有益な製品やサービスをお客様に正直に適切に提供できるよう、日々努力しています。また、社員には満足感のある職場を提供し、サプライヤーには公正で正直に対応し、この日本社会の他の構成員から好ましい隣人としてみられるような会社にすることが、私の企業経営者としての努めであると思っています。
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<Q4>国民はその国のレベル以上の政治と政治家を持つことはできない(モラルや責任感や実行力)ということだと理解させていただきました。
回答:まさにその通りなのです!