No.762 『日本は略奪国家アメリカを棄てよ』

久しぶりに本を出した。昨年夏、日本国籍を取ったちょうど同じ時期に、ビジネス社の瀬知さんから出版の企画をいただいたのだ。

『日本は略奪国家アメリカを棄てよ』

私の本職は企業経営であるから、もちろんそれに影響を及ぼさないことが執筆作業条件である。今回、自分の時間を削ってでも本を出したいと思った。

私はテレビはほとんど見ないし、新聞も紙のものは読むことはめったになく情報はインターネットを通じて得ている。WEBサイトを訪れてくださる人、そして私のコラムを読んでくださる人は、同じように巨額の資本や力によって多くの人々に圧倒的な量で流される情報以外に、何かを探したいと思っている人たちであると思う。しかしいくらコンピュータが普及したとはいってもまだ既存のメディアや本だけが情報源だという人も多いはずだ。

普通の人が本を出すことは簡単ではない。たまたま私がアメリカ人だったこと、一部の日本の人が言いたいけれども言いにくかったことを「よそ者」である私が発言していることで、興味を持ってもらった、聞いてくださった、だからこそ出版という特権に授かることができると思っている。

その特権を私はできるかぎり駆使したいと思う。見た目は長身のアングロサクソンだが、国籍も日本人となった今、あらためて、堂々と私の意見を発信した。内容は、このコラムで書いたものがベースになっている。そして、私の考えは「日本は悪くない」を初めて出した時から基本的に変わっていないから、このコラムを読んでくださる方にとっては、目新しいものではないだろう。

しかし私は、このコラムでも、講演でも、書籍でも、繰り返し同じことを語り続ける。独立国家であるイラクに派兵する米軍を2万人増員するというアメリカは狂気の沙汰だ。そして従順にそれに従う下僕のように、その発表後すぐにそのアメリカを支援するためにイラク特別措置法延長の検討をする日本政府も狂っている。

国を変えるのは政治家ではなく国民だと私は信じる。念願かなって私は日本人となったが、もともと日本に生まれた日本人がどんなに幸せなことであるか気づいてほしい。そして日本という国を、「愛国心」とか「美しい国」といった空虚な言葉で戦争に導くようなことにならないよう、私たちで国を変えていきたいと思う。あわせて、本著を読んでいただければ幸いである。