岸田総理大臣は、バイデン政権が開催する「民主主義サミット」に参加して、「覇権主義的行動を強める中国を念頭に、法の支配などの普遍的価値を共有する国や地域が連携する重要性を訴えたい」考えだという。宗主国に合わせた優等生の口ぶりだ。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211127/k10013363941000.html
民主主義サミットにはシンガポールだけでなく、ベトナム、タイ、マレーシアも不参加、中東ではエジプト、サウジアラビアも参加しない。米国内をみれば貧困や人種差別、激しい党派対立で共和党多数の州は民主党支持者が投票しにくくなるような選挙法改正が行われるなど、民主主義国の手本にもならないのが米国である。(耕助)
‘民主主義’サーカス
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バイデン政権は、12月9と10日にオンラインで開催される「民主主義サミット」{2}に110名の「参加者」{1} を招待した。
すべての「参加者」が国際的に認められた国家ではないため、「参加者」という言葉を使う必要があった。バイデンは中国を怒らせたかった{3}。そこで彼は、国連にも米国にも国家として認められていない台湾を招待したのである。
バイデン政権は、民主的なNATO・EU加盟国であり、世論調査によると来年の選挙で野党が勝利するとされているハンガリーを招待しなかった。ハンガリーよりも非自由主義的な統治をしているポーランドは招待されている。同様に、ウクライナも、ゼレンスキー政権が野党指導者を軟禁し、野党のテレビ局や新聞社を閉鎖しているにもかかわらず、招待されている。
同じくNATO加盟国であるトルコは招待リストから外された。トルコのエルドアン大統領は独裁的かもしれないが、同じく独裁的なインドのモディ首相は招待されている。
民主主義国で米国の同盟国でもあるシンガポールは招待リストに入っていない。これは、バイデンが提案した冷戦型の対中国組織である「民主主義国家連合」への参加をシンガポールの首相が拒否したためであろう。
米国の「敵」であるロシア、ベネズエラ、イランなどは、自由な選挙を定期的に行っているにもかかわらず、もちろん招待されていない。
このように、このイベントは期待通りのものだ。民主主義についてではなく、そもそも存在しない強力な「米国のリーダーシップ」を示すプロパガンダショーである。
さらにこのプロパガンダは外国の一般市民に向けたものですらない。これは米国が自分たちの主張する資格をまだ持っていることを確かめるためだ。
システムがあまりにも弱体化しているため、自らそれを確かめる必要を感じたのである。
Links:
{1} https://www.state.gov/participant-list-the-summit-for-democracy/
{2} https://www.state.gov/summit-for-democracy/
{3} https://www.globaltimes.cn/page/202111/1239861.shtml
{4} https://www.axios.com/summit-for-democracy-biden-taiwan-f9289beb-7155-4061-9f1c-459eb6e6f70a.html
{5}https://www.newsweek.com/singapore-will-not-join-bidens-cold-warstyle-coalition-against-china-says-pm-1548692
https://www.moonofalabama.org/2021/11/democracy-circus-.html