by ロン・ウンズ (https://www.unz.com)
ロバート・F・ケネディ・ジュニアが書いたアンソニー・ファウチと医学界を攻撃する本が1週間以上にわたりアマゾンのベストセラー1位となり2,600件以上のレビューが寄せられ、うち94%が5つ星という出版界のセンセーションとなっている。
約1ヶ月間の沈黙の後、米国のメディアも遅ればせながらようやく注目し始めた。今朝のAP通信は4,000語に及ぶ記事を発表し、米国で悪名高い反ワクチン運動の最も著名な人物を厳しく攻撃した。{1}この記事は多大な労力を費して書かれており、記事の署名はAP通信の5人の記者と研究者の共同になっている。明らかに強大な敵を作ってしまった人物の評判を落とすために、ジャーナリズムの資源が費やされたことを強調している。しかし、この記事を読んで私の頭に浮かんだフレーズは「沈黙の音」、あるいはシャーロックホームズ好きのいう「吠えない犬」の手がかりだった。
ケネディの本全体のほぼ半分(約200ページ)は、35年以上にわたりHIV/エイズについて言われてきたことはおそらくデマに等しいという、驚くべき主張だった{2}。先週私はこう書いた。
しかし、ケネディのアマゾン第1位のベストセラーに記載されている情報によると、私が真剣に疑ったことがなかったよく知られる確固とした構図はほとんどすべてが嘘であり、詐欺であり、本質的には医療メディアのデマに等しい。HIVウイルスはエイズの原因ではなく、おそらく無害であり、エイズとは無関係である。しかし、HIVに感染していることが判明すると、初期に非常に儲かるエイズ治療薬が投与され、これは致命的で実際しばしば患者は死亡した。つまり初期のエイズの多くは、特定の違法な薬物を大量に使ったことが原因であったがHIVウイルスが原因であると誤診されたのだ。しかしファウチと利潤を追求した製薬会社は、この誤診の上に巨大な帝国を築いたので35年以上も誤診を維持・保護するために必死に戦い、メディアで真実を隠蔽するためにあらゆる影響力を行使し、その不正に異議を唱える誠実な研究者のキャリアを破壊してきた。その一方アフリカのエイズは、栄養失調などの現地事情が主な原因と思われる、まったく別のものだった。
ケネディの証言は私がこれまでに経験したことのない衝撃的なものだった。{3}
ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、誰が見ても米国一の “HIV/エイズ否定論者 “としての地位を確立している。そして新型コロナ発生以前、40年近くエイズはおそらく世界で最も注目される病気であり、研究と治療に約2兆ドルを費やしたと言われている。そんな中でエイズが実際には存在しないと主張するなら、それは「地球は平らだ」ということに匹敵するほどの狂気の沙汰と言えるだろう。しかしAP通信の長い記事には、このエイズに関する状況について一言も書かれていない。AP通信の記事は、公正、不公正を問わず、ほとんどすべての可能な理由でケネディを攻撃している。APの6人の記者と研究者はケネディのベストセラーの200ページを読み飛ばしてしまったのだろうか?
AP通信社の記者チームは、少なくとも10日間を費やしてケネディの記録から問題のあるものをほぼすべて探し出し、トランプ大統領の盟友であるロジャー・ストーンとマイケル・フリンの隣に彼が立っているだけの写真まで使って長文の記事を書いたようだ。この記者たちはHIV/エイズの問題について多くの医学界の著名人に相談したはずだが、4,000語に及ぶ非難記事の中にこの扇動的な話題は一言も含まれていなかった。
ケネディのHIV/エイズの主張に対する猛烈な攻撃は当然予想されたことだが、おそらくこの本のある側面が、AP通信社の上級編集者に、この問題に関しては慎重を期すべきだと判断させたのかもしれない。私はこう説明した。
しかし裏表紙の最初の推薦文は1984年にHIVウイルスを発見してノーベル賞を受賞した医学研究者、リュック・モンタニエ教授によるもので、彼はこう書いている。「人類にとって悲劇的なことに、ファウチとその手下たちからは多くの真実でないものが発せられていることだ。RFKジュニアは何十年にもわたる嘘を暴いている」。さらに、1990年6月のサンフランシスコ国際エイズ会議の時点で、モンタニエ教授は「HIVウイルスは無害で受動的な、良性のウイルスである」と公言していたという。
ノーベル賞受賞者がこの本を推薦した理由は他にあるかもしれないし、1990年の彼の印象的な発言の意味が間違っているかもしれない。しかしHIVウイルスを発見してノーベル賞を受賞した研究者の意見が、その役割を評価する上で全く無視されるべきではないことは確かである。
さらに私はこう書いた。
「そしてそれは彼だけではなかった。ケネディの説明によると、翌年、ハーバード大学の微生物学者のトップが世界で最も著名なウイルス学者や免疫学者を含むグループを組織し、さらに3人のノーベル科学賞受賞者の賛同を得て、同じ疑問を提起する声明を発表した。HIVと呼ばれるレトロウイルスがエイズと呼ばれる病気の原因であると一般に広く信じられている。現在、多くの生物医学者がこの仮説に疑問を抱いている。我々は適切な独立したグループによって行われる、この仮説に対する既存の証拠と反対の証拠の徹底的な再評価を提案する。さらに、重要な疫学的研究を計画し、実施することを提案する。」
ケネディが書いているように、この時点ではエイズ研究者も主流メディアも、ファウチとその仲間の企業が支配する政府資金と製薬会社の広告の海に完全に支配されていたので、著名な科学者たちのこうした呼びかけはほとんど無視されて報道されなかった。あるジャーナリストによればHIV/エイズの研究と治療にはこれまで数十年間で約2兆ドルが費やされ、これほど多くの研究者のキャリアと個人の生活が「HIV/エイズ産業複合体」ともいうべきものに依存していたため、その帝国の基本的な基盤を批判的に検証しようとする人はほとんどいなかった。
数週間前まで私はエイズの正説を疑うなど考えたこともなかった。しかし、4人のノーベル賞受賞者(そのうちの1人はHIVウイルスの実際の発見者)を含む多くの知識豊富な専門家が長年にわたって科学的に懐疑していることを知り、私の見方は完全に変わった。ケネディが提示した理論を簡単に無視したり、否定したりすることはできないし、ケネディ氏自身も、「HIVとエイズの関係については何の見解も持たない」と繰り返し、ただ単にファウチが政府からの資金援助とメディアからの影響力を利用して、現在進行中の完全に正当な科学的議論を抑えようとしていることに憤慨していると強調している。ケネディ氏によればこの本の目的は「風穴をあけて反対意見に日の光を与える」ことだという。
したがってAPの記事がエイズの部分について完全に沈黙していることは、ある種の明らかな疑念を抱かせる。以前にも書いた通りだ。
ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、米国で悪名高い反ワクチン運動の中心人物であり、彼の著書はその運動の大きな要素となりつつある。製薬会社、医学界の正統派、そしてファウチに対する彼の強烈な攻撃は数多くの強力な敵を作っている。もしエイズに関するケネディの主張が本当に馬鹿げているなら、それこそ彼に対する攻撃の避雷針になるのではないだろうか?仮に彼の反ワクチン本が200ページを費やして「我々の世界は目に見えない身長12フィートの爬虫類人(レプティリアン)が異次元から密かに支配している」と主張していたとしよう。ケネディの敵はそのような愚かな主張をメディアで嘲笑する大嵐を巻き起こし、反ワクチンキャンペーンを行うことを批判し、彼の信用を失墜させたに違いない。ところがエイズに関する彼の主張には完全に沈黙しているのだ。このため私は、医学界は何か隠し事があるのではないか、ケネディの告発の多くは正しいのではないかという疑念を持たざるを得ない。
これらの医療分野に特別な専門知識を持たない、外部の人間として私はワクチンやコロナ治療に関するケネディ氏の説を裏付ける資料の多くに感銘を受けたが、HIV/エイズについては、ケネディが提示した、権威ある専門家に裏付けられた証拠の方がはるかに包括的で説得力があった。もし彼が主張するように、HIV/エイズに関する真実が医療業界全体によって何十年にもわたって抑圧されてきたのなら、我々はコロナや予防接種をはじめとする他の医学的主張に対しても、必然的に大きな疑念を抱く必要があるだろう。{4}
医学界とメディア界が迅速かつ率直にロバート・F・ケネディJr.が主張するHIV/エイズの問題に異議を唱えない限り、公平な心を持った観察者は皆、彼が実質的に正しいと認識していると結論づけざるを得ない。そしてもし彼がエイズについて正しければ、公衆衛生当局に残っていた信頼性のかけらは確実に破壊され、バークレー大学のピーター・デュースバーグ教授の長年の理論が裏付けられることになるだろう。{5}
誰かが言っているように、HIV/エイズは、腐敗した無能な医療機関のアキレス腱になるかもしれない。
Links:
{1}https://apnews.com/article/coronavirus-pandemic-entertainment-business-health-public-health-4997be1bcf591fe8b7f1f90d16c9321e
{2} https://en.wikipedia.org/wiki/HIV/AIDS
{3}https://www.unz.com/runz/american-pravda-vaxxing-anthony-fauci-and-aids/#the-hiv-aids-crisis-as-a-medical-media-hoax
{4}https://www.unz.com/runz/american-pravda-vaxxing-anthony-fauci-and-aids/#contemplating-a-complete-inversion-of-scientific-reality
{5} https://www.unz.com/wp-content/uploads/2021/12/duesberg-koehnlein-rasnick.pdf
Related Readings:
American Pravda: Vaxxing, Anthony Fauci, and AIDS
https://www.unz.com/runz/american-pravda-vaxxing-anthony-fauci-and-aids/
Fauci and the Great AIDS Swindle by Laurent Guyénot
https://www.unz.com/article/fauci-and-the-great-aids-swindle/
Introduction to The Real Anthony Fauci by Robert F Kennedy, Jr
https://www.unz.com/article/introduction-to-the-real-anthony-fauci/
Chinese Melamine and American Vioxx: A Comparison
https://www.unz.com/runz/chinese-melamine-and-american-vioxx-a-comparison/
American Pravda: Mass Deaths and Morning Newspapers
https://www.unz.com/runz/american-pravda-mass-deaths-and-morning-newspapers/
American Pravda: Breaching the Media Barrier
https://www.unz.com/runz/american-pravda-breaching-the-media-barrier/