嘘の上に築かれた国-米国はいかにして豊かになったか(パート6a)
by Larry Romanoff
https://www.bluemoonofshanghai.com (January 13 2021)
パート6 スパイ活動
6a 国家が支援する商業スパイ活動
第二次世界大戦後、アイデア、物、人を大量に盗んだことをペーパークリップから消化した後、米国はすぐに世界最大の商業スパイ網を設計し、実行に移した。そしてそれは今日でも大きく拡大した形で存在している。エドワード・スノーデンが暴露したことで我々は知るようになったのだ。
現在、世界のインターネット・トラフィックのうち、ヨーロッパ、アジアに向かう途中で米国を通過する割合は驚くほど高い。第二次世界大戦末期の電信・電話も同じような状況で、米国政府はすぐにこの状況を利用したのである。米国の電信通信のほとんどすべてを送信していたRCA社、ITT社、ウエスタンユニオン社の全面的な協力のもと、米国に入国、出国、通過するすべての電信のマイクロフィルム・コピーがNSAに毎日提供された。{1} {2} {3} {4} {5} {6} {7} {8} {9}
これが1945年に開始された「シャムロック計画」で、米国企業の国際市場における「競争力」を高めるための商業情報を求め、あらゆる電信メッセージにアクセスするというものだった。最初に狙われたのはもちろんドイツで、すでに科学開発で圧倒的な優位性を示していたからだ。しかし当然ながら全世界がターゲットになり、シャムロックはエシュロンに進化して同じことをするのだが、その規模は限りなく大きく、地球規模になっている。{10} {11} {12} {13} {14} {15} {16} {17} {18}
エシュロンはイギリスがロシアや東欧をスパイすることから始まり、この計画はやがて米国を巻き込み、「ファイブ・アイズ」ネットワークと呼ばれるものに発展し、世界で最も強力なスパイ組織と言われ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスが参加する米国による驚くべき規模の秘密商業情報収集・分析ネットワークである。このシステムは商業衛星通信のほか、世界中の電話、ファックス、電子メール、公衆交換電話網、ほとんどのインターネット・トラフィック、マイクロ波リンク、海底ケーブル、その他の民間通信トラフィックを傍受・検査するよう設計されている。その目的は大企業(ほとんどが米国企業)にとって競争上の優位性を生み出す商業的に有益な情報へのアクセスを得ることである。エシュロンの他のメンバーは、米国に関係する産業分野のほとんどで活動していないからだ。
このシステムは、声紋認識を利用して国際電話をかけている対象者の話し方を識別し、どの会話を監視するかを自動的に決定するという高度なものである。当初、米国はその存在を激しく否定していたが、もはや疑う余地はない。また、このシステムの継続的な目的が軍事通信ではなく、民間および商業通信の傍受・監視であることも疑う余地はない。実際、エシュロンの管理委員会は欧州議会に対し、米国の情報機関がこのシステムを使って経済スパイを行っているので欧州市民は通信を暗号化するよう勧告している。
現在、エシュロンは、衛星、海底ケーブル、光ファイバー、電話線、マイクロ波などによるあらゆる通信取引を傍受・監視し、地球上のすべての国、可能ならばすべての人間をスパイしようとしている。しかも、これらの情報をすべて仕分けして米国の砂漠地帯、ユタ州ブラフデールにある世界最大のデータベースで永久に保存している。これは国家が支援する世界規模の商業スパイであり、世界支配を目指すアメリカの多国籍企業に利益をもたらすことが主な目的である。
エシュロンは、1988年にダンカン・キャンベルというイギリスのジャーナリストによって初めて世に明らかにされた。しかし主要メディアは彼にマイクを向けることを拒否し、彼の発見は水の泡となった。その10年後、ニュージーランドのジャーナリスト、ニッキー・ヘイガーが国際的に大きな反響を呼ぶはずの本を書いた。しかし、彼もまたマイクをコントロールすることに失敗した。エドワード・スノーデンによる最近の詳細な暴露によって、ようやくこの国際的なゴキブリの巣の蓋があけられたのだった。この3つの事例でエシュロンの商業的な側面が明確に示されたが、米国政府はすべてのスパイ活動はテロを防ぐためであると主張し、公表を妨害することに成功したのである。
シャムロックとエシュロンのプログラムは、産業スパイを唯一の目的として50年以上前に設計された。そしてエシュロンは現在も大幅に拡張された形で続いている。シャムロックがエシュロンに変身した当時、通信技術は今よりもっと原始的だった。しかし米国人はわずかな道具を駆使して、捕虜となった大勢のドイツ人科学者たちとともに多くのことを成し遂げた。1970年代から1980年代にかけてほとんどの通信機器が米国製で、米国のスパイ活動に対応できるように設計されていたことが本当に何百件も報告されている。大西洋を横断するすべてのケーブルに接続する方法を見つけ、すべての電報をコピーすることに加えて、米国人はついに、有名な自国の革新性と創造性を発揮したのである。例えば、すべてのファックスとほとんどの大型コピー機(少なくともゼロックス社製)はバックドアを備え、すべてのコンテンツをエシュロンの受信サイトに転送するよう指示され、工場から「スパイ活動準備完了」となって出荷された。{19} {20} {21}また、CIAが米国のすべての外国大使館に「スパイ用」ゼロックス・プリンターを設置したという文書も何百件とある。また、モトローラは米国のエシュロンシステムへのバックドアを備えた通信ネットワークを製造し、世界中に設置されている。米国政府がテロに関連するデータのみを収集していると主張する時、それは大きな嘘なのである。
これらのプロセスは決して衰えることなく、むしろより巧妙になり、発見が難しくなっている ヨーロッパ、特にドイツは、このネットワークの一部ではなくむしろ犠牲者であることに注意しなければならない。「 ファイブ・アイズ」がある(米国を除く)他の4カ国はいずれも製造国ではないため、(1)米国にとって商業的な脅威とはならず、(2)自分たちには何の利益もない便利な傀儡収集拠点として機能し、(3)市民の監視に関する国内の制限的規則を回避するために、収集した情報を互いに共有することで非常に賢い法律違反のメカニズムとして機能するのである。もしこれでも明確でなければ、法律上、私は自国の人間をスパイすることはできないので、代わりにあなたの国の人間をスパイしてあなたに情報を共有する。お互いにそれをすれば私たちはどちらも国内法に違反することはないのである。{22} {23} {24} {25} {26}。
第二次世界大戦の終わりからずっと米国政府は、CIA、FBI、NSAを利用して、世界規模で商業諜報活動を展開している。エドワード・スノーデン氏の暴露に見られるような、米国産業の競争力強化のための想像力豊かな取り組みが行われていたのだ。時が経って冷戦が終わりそうになると米国の情報機関は新たな目的を必要とするようになった。そのため米国政府は、当時存在していた米国の商業的優位性を永続させるための攻撃的な手段として、国家主導の商業スパイに方向転換させた。ニクソン大統領の対外情報諮問委員会の事務局長を務めたジェラルド・バーク氏は、商業スパイは、1970年にはすでに米国政府によって承認されていたと主張している。彼の言葉を引用すると、「我々は、今後、経済情報は米国の国家安全保障の一機能であると見なすよう勧告した。外交、軍事、技術情報に匹敵する優先度をもって」。1993年1月に就任したクリントン大統領は就任早々、国家経済会議(National Economic Council)を創設し、米国の「競争力」を強化するために盗んだ商業情報を特定の企業に送り込んで企業スパイ工作に拍車をかけたのである。
別の関係者は、米国の情報収集は米国企業の仕事ではなく政府の仕事だ、と言った。しかし通信情報は商務省やホワイトハウスを含む各省庁にルートがある。通信情報データを企業に渡すための正式なルートがある。彼は、「経済情報の漏えいの証拠は、公的な報告書の中に見つけることができる。1996年のボルチモア・サンの記事には商務省が日常的にそのような情報を米国の厳選された企業幹部に流していると書かれていた」と述べた。中国のような国は商業秘密を盗むために「悪い」スパイ行為をしているが、米国政府はテロに関連する「良い」スパイ行為しか行っていないという免責事項があるので無視してよいのである。
エドワード・スノーデンがNSAの世界的な情報収集網の範囲を明らかにしたとき、米国はテロに関する情報しか収集していない、でも聖人君子の米国と違って中国は商業情報を収集している、と多くの米国政府関係者は批判をかわそうと必死になった。しかしその後、ドイツやブラジルなど数カ国が、NSAが実際に多くの商業施設に侵入し、産業技術や機密を盗んでいたとの情報を公表した。あまりに公然と叩かれたので米国はついに黙ってしまったが、しかし恥ずかしがる様子もなく、ただ捕まったことを悔やむ泥棒のようだった。
このような活動をしている国は米国だけではない。元CIA長官のロバート・ゲイツによると、国家ぐるみで経済スパイ行為を行っている国は約20カ国あるという。最も悪いのはイスラエルで、フランス、ロシア、イギリスがそれに続く。中国はこのリストの上位には入っていない。フランスで有名なのは、フランスのスパイ機関であるDGSEが出張中のビジネスマン同士の会話を録音する目的で、エールフランス航空機のファーストクラスの全客室に盗聴器を仕掛けていたことが発覚した事件である。言わずもがな、この20カ国のリストは米国が作成したもので、彼らが上位に登場しないのは驚くにはあたらない。
中国には、米国のいわゆる「研究」機関やその他の企業も非常に多く、その中には、主に米国政府の利益のためにロビー活動を行う企業もあることをここに記しておく。しかし他の多くは、軍事的および商業的に有用な情報を収集するための諜報活動である。その多くはコカ・コーラのような米国の多国籍企業で、その幹部は市場情報から政治情報まであらゆる情報を収集し、運転手は軍事的に有用なGPS座標の収集に長けているように見える。
米国の報道記者も情報源の一つである。ほぼすべての企業が、総額で数十億ドルという規模で資金を米国政府やCIAに大きく依存している。
Notes:
{1} https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/echelon04.htm
{2} https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/echelon04.htm
{3} https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/echelon/echelon_2.htm
{4} https://en.wikipedia.org/wiki/Mass_surveillance_in_the_United_States
{5} https://gangstalkingmindcontrolcults.com/nsas-project-minaret-and-shamrock/
{6} https://www.dailydot.com/debug/nsa-prism-shamrock-history-spying-telegraphs/
{7} https://www.huffpost.com/entry/operation-shamrock-and-th_b_1406643
{10} https://www.bibliotecapleyades.net/ciencia/echelon04.htm
{11} https://www.dtss.us/blog/the-echelon-project-and-spying/
{12} https://fossbytes.com/echelon-project-nsa-confirmed-secret-nsa-spying/
{15} https://mrhacker.co/hacked/existence-of-echelon-confirmed-top-secret-nsa-program-for-spying-on-you
{16} https://www.americanthinker.com/articles/2006/01/under_clinton_ny_times_called.html
{17} https://www.gaia.com/article/oldest-conspiracies-proven-true-project-echelon
{18} https://jacobsm.com/projfree/echelon_2.html
{19} http://electricalstrategies.com/about/in-the-news/spies-in-the-xerox-machine/
{20} https://cash4toners.com/info/2020/02/07/is-your-printer-spying-on-you/
{21} https://www.tapatalk.com/groups/theerant/how-xerox-helped-win-the-cold-war-t28623.html
{22}https://www.statecraftblog.co.uk/post/five-eyes-the-oldest-and-largest-spy-network-in-history#:~:text=The%20Five%20Eyes%20%28FVEY%29%2C%20consisting%20of%20Australia%2C%20Canada%2C,intelligence%20exchanges%20between%20the%20Allied%20nations%20during%20WWII .
{23} https://www.deepstateblog.org/2021/02/21/the-five-eyes-the-global-spy-network-you-never-heard-of/
{24} https://www.rt.com/news/521585-new-zealand-defends-five-eyes-intelligence-network/
{26} https://www.scmp.com/news/world/article/1278285/snowden-tells-5-eyes-spy-network