ロシアと中国はグレート・リセットに参加しているのか?
ジェームズ・コルベットへの回答
by Matthew Ehret
https://matthewehret.substack.com (March 23 2022)
昨日、私は友人のHrvoje MorikからTNTラジオの彼の新しい番組に招かれ、今週初めにジェームス・コルベットによって制作された新しいバイラルビデオへの短い返答について話し合った{1}。
コルベットはビデオで、ロシアと中国は西側一極集中のグレート・リセット・アジェンダにコントロールされた反対勢力であり、実は世界を奴隷にするための壮大なゲームの一部として共謀している、と主張している。
このビデオでコルベットが使った主なからくりは、2月4日の2つの共同声明(米国・カナダ共同声明と中国・ロシア共同声明)で同じ文言が使われていたというものだ。コルベットはこのからくりを、ロシアと中国の共謀によるグレート・リセットという主張を推進するための辛辣な言葉として使ったのだろうが、コルベットのビデオを見た後で私にコメントをくれた何十人もの購読者を含め、多くのオンラインプラットフォームで彼のビデオを見た視聴者の無数のコメントをみると、これらの文書が両方とも実際のものだと思われている。
念のために言っておくが、「カナダ・米国共同声明」なるものは存在しない。
それにもかかわらず、私はこのインタビューをシェアした。なぜなら、すべての国が社会病質的な寡頭政治に支配されていて、私たちを殺そうとしているということを信じようとすることは、ニヒリズム、悲観主義、そして人類は本質的に腐敗していて呪われているという考えに結びつくからである。こういうレベルの不信感は魅力的だ。それは、私たち一人ひとりが、不正を正す責任を負ったり自己破壊的な悪のシステムに介入するために身の危険を冒したりする必要がなくなるからだ(元々悪であるものをどうやって善にできよう?)
この斜に構えた考え方は、私たち一人ひとりが、まるでリアリティ番組の視聴者で、そのシステムの中に組み込まれていないかのように現実を見たりコメントしたりする傍観者のままでいたいと願う傾向にあるがゆえに、とても魅力的なのだ。
この議論を見た私の率直な感想は、コルベットはロシアや中国が実際に行っている人口減少政策を阻害するような行動に全く目を向けていない、ということである。現在、中国の「一帯一路構想(BRI)」を筆頭に、10億人以上を貧困から救い出す最大の開発プロジェクトが進行中だが、これは人口減少計画に完全に対立するものであるにもかかわらず、まるで何も存在しないかのようだ。
コルベットが喜んで無視しているように見える、もう一つのパラドックスがある。それはもしすべての側がコントロールされているのなら、なぜ寡頭政治はずっと以前に技術系封建主義を手に入れなかったのかということだ。つまり、ジョージ・ソロスは自分のエージェント(趙紫陽{2})を中国の最高権力者の地位につけて第四次産業革命(1983年だ!!)のもとですべてを民営化する準備をしていた。ではなぜそのエージェントが、彼の仲間(米国やカナダに忍び込んで逮捕を免れた数人)と共に逮捕され、ソロスは中国から永久追放を言い渡されたのだろうか?
エリツィンが1990年代に民営化を行い、NATOとソロスがポストソビエト空間全体を支配するようになり、ロシア全土は完全な支配下に置かれた。現在ソロスは追放され、その間に作られたロシアの有力なオリガルヒの多くはロンドンやフロリダに逃げている。なぜだろう?強い影響力は、なぜ続かなかったのか?なぜオリガルヒは刑務所に送られ、民営化された国家資産が再国有化されたのか?なぜロシアはシリア人にイラクのような扱いをさせず、ベネズエラを政権交代させて世界経済フォーラム(WEF)のエージェントであるフアン・グアイドを大統領にさせなかったのだろうか?なぜ数ヶ月前、カザフスタンはソロスの政権交代をさせなかったのだろうか?寡頭政治家は全ての中央銀行を私有化したいのに、なぜ国立銀行を推進するのだろうか?
確かにAIやデジタル通貨はユーラシア大陸で使われるようになるだろうが、その機能は何なのか?
そのようなものが使われるであろうシステムの機能はどう違うのだろうか?デジタル通貨やAIは本質的に悪なのか、それとも道具が人間の生活を奴隷化するのか支援するのかを決める機能、デザイン、意図の原則があるのか?
私は、オルターナティブメディアのブラックピル・リバタリアンのコメンテーターが提唱するパターン形成思考には本当にイライラする。善の証拠が目の前にあっても、彼らの偏光した知的レンズはそれを見ることができず、悪を極端に解剖することが目眩を覚えるほど楽しいようだ。
この件に関して、”だからあなたは希望を持つには賢すぎる”とか、”ブラックピルを飲んだ人の歌”というタイトルで何かを書こうと思っている。
Links:
{1} https://www.corbettreport.com/putin/
{2} https://www.strategic-culture.org/news/2021/08/18/how-chinas-gorbachev-was-flushed-in-1989/
https://matthewehret.substack.com/p/are-russia-and-china-in-on-the-great?s=r