モデルナワクチンで心筋炎リスクが増加
若年成人では44倍、査読付き研究
by Enrico Trigoso
フランスの査読付き研究は、ファイザーとモデルナの両ワクチンについて、接種後1週間で心筋炎のリスクが急上昇すると結論付けた。
mRNAワクチン接種後の心筋炎リスクは、BNT162b2(ファイザー・BioNTech)、mRNA-1273(モデルナ)それぞれワクチン未接種対照群の8倍と30倍であった。
モデルナ社製ワクチン接種後の心筋炎に関する最大の関連は、18歳から24歳の人のリスクが44倍高かったということである。
ファイザー製ワクチンの場合、同年齢層に対してリスクは13倍だった。
一方、武漢のコロナウイルスに感染した場合を比較すると、同じ状況におけるリスクは9倍だった。
心筋炎とは心臓の筋肉に炎症が起こることで、命にかかわる病気である。この心臓病には多くの確立された原因がある。現代科学の最新の発見によると主な原因はウイルスだが、パンデミックの間、新型コロナの mRNAワクチンが心筋炎の第一容疑者としての地位を獲得している。
今回の研究の目的は、性別・年齢を問わず、ワクチンとの関連性を評価することだった。
「新型コロナ感染と新型コロナのmRNAワクチンの両方が心筋炎と関連している。スパイク蛋白が心臓のACE2受容体に親和性があること、スパイク蛋白が心筋細胞(心臓の細胞)を傷つけることを知れば、新型コロナウイルスまたはスパイク蛋白ベースのmRNAワクチン接種と心筋炎の関連は全く予想外ではなかった」と心臓専門家のSanjay Verma博士は電子メールでThe Epoch Timesに語った。
Verma博士はまた、CDCの分析は新型コロナ感染後の心筋炎リスクがmRNAコロナワクチン接種後よりも大きいと「誤って示唆している」と考えている。
「新型コロナ感染後の心筋炎の症例について、CDCは公式に確認されたPCR陽性の「症例」を使用しているが、彼ら自身の血清有病率データは、公式に確認されたPCR陽性の「症例」よりもはるかに多くの人々が感染していることを証明している。例えば、2022年2月21日時点の血清有病率データでは、全児童の75%(約5400万人)が感染しているのに対し、公式に確認されたPCR陽性「症例」は1200万人(つまり、実際の感染児童数はPCR陽性「症例」の4.5倍)であることが判明している。したがって新型コロナ感染後の心筋炎のリスクを計算すると、CDCが指摘した率は4.5倍減らす必要があることになる。これまでのところ、CDCは新型コロナの罹患率と死亡率のデータをそれに応じて調整していない」とカリフォルニア州コーチェラバレーで開業している心臓専門医は述べている。
この研究では、2021年5月12日から2021年10月31日までにフランスで、4600万回分のmRNAワクチンを接種した12歳から50歳の3200万人の心筋炎1612例と心膜炎1613例を解析した。
病院からの退院診断のみを使用している。そのため、入院する前に死亡した可能性のある人や、入院するほど症状が重くなかった人は含まれていない。
「ワクチン接種後に剖検で心筋炎が証明されたという報告(pdf)や、患者がERから見放され入院しなかったという逸話がある。これらの除外されたサブセットを調整すると、この研究で報告されたよりもさらに高いリスクが生じる可能性がある。この研究の患者のフォローアップは退院後1か月間に限られている。しかし、以前の心臓MRI研究では、ワクチン関連心筋炎患者の約75%が、最初の診断から3〜8ヵ月後にMRI異常が持続する可能性があることがわかった」と、Verma博士は述べた。
なお、フランスでは若年層へのブースター接種はまだ推奨されていないため、本研究の著者らはブースター接種の効果については分析していない。
しかし、米国では、年齢や感染歴に関係なく、大学や雇用主さらには一部の州の公衆衛生局でブースター注射が義務付けられている。
「ワクチン接種後の心筋炎に関する査読付き研究の印刷前フォローアップでは、ブースターワクチン接種後も心筋炎のリスクが増え続けることが分析で明らかになった。実際多くの国が、リスクがベネフィットを正当化しないため、幼い子供へのコロナワクチン接種を推奨しない中、米国は唯一、最も幼い子供への接種を推奨している」とVerma博士は述べている。
5月18日に発表された研究論文では、ほぼ完全にワクチンを接種していたコーネル大学のパンデミック対策を調査した。それにはワクチンやマスクの義務付け、隔離や接触者の追跡などが含まれる。そしてこれらの対策は、オミクロン変種とその急速な拡大には「合わない」ことが明らかにされた。
成人突然死症候群(Sudden Adult Death Syndrome)
最近、新しい用語がメディアで取り上げられるようになった。「成人突然死症候群」(SADS)である。
SADSの背景には、未診断の心筋炎や炎症性疾患などがある。心臓の電気伝導系に異常をきたし、心停止を引き起こす疾患である。
国際オリンピック委員会がまとめたデータによると、1966年から2004年の間に35歳以下のアスリートが突然死した数は1,101人で、全スポーツで年平均29人であった。一方、2021年3月から2022年3月という単年度の間だけでも、全世界で少なくとも769人のアスリートが心停止を起こし、倒れたり、フィールド上で死亡した。
2021年6月12日、コペンハーゲンのパーケンスタジアムで行われたEURO2020サッカー選手権グループBのデンマーク対フィンランド戦で、ピッチ上で倒れ、担架で運ばれるデンマークのクリスティアン・エリクセン選手。(Stuart Franklin/Pool via AP)
EUのFIFA(サッカー/フットボール)選手では、2021年に突然死が420%も増加した。歴史的に見ると、毎年約5人のサッカー選手が試合中に死亡している。
2021年1月から11月中旬の間に、21人のFIFA選手が突然死で亡くなった。
ジョセフ・メルコラ氏が寄稿している。
Epoch TimesはCDCにコメントを求めた。
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