No. 1514 フレッド・リード、アメリカからの脱出を語る

フレッド・リード、アメリカからの脱出を語る

by Linh Dinh

リン・ディン:アメリカを永久に離れたのはいつですか、またそうしようと思ったきっかけは?

フレッド・リード:21年前、ワシントンに飽き、それまでもメキシコには興味があったので調べに来たのです。以来、決して離れたくなくなりました。

リン・ディン:ジョー・ベージャントが癌になり、ベリーズからアメリカに帰国する前にあなたのいるメキシコのアヒジックに引っ越したそうですね。どのように彼を説得したのですか?

フレッド・リード:私が積極的に勧誘したわけではありません。間違って覚えているかもしれませんが、彼が私のコラムを読んで電子メールを送ってきて、何度かメールでやり取りしたくらいです。そして彼がやって来て、ベリーズよりメキシコの方がいいとのことで、住むことにしたようです。

リン・ディン:アメリカの死期はどれくらい近いのですか?崩壊するのですか? 崩壊と退廃を逆転させる希望はあるのでしょうか?

フレッド・リード: 私の見解は、おそらくわずかな価値しかないでしょうが、下落ラッシュは不可逆的で急速なようです。主となる文化がなければ、多くのグループが対立し、犯罪は多発し、戦いには必ず人種的爆発が起こる。教育は急速に衰退し、経済は失敗し、かつて全体をまとめていた文化に抵抗して自己免疫反応が起こる。今日、私はアメリカよりもメキシコで子供を育てたいと思うし、アメリカよりメキシコの学校のほうがいい。フィラデルフィアの黒人をミシシッピに、白人をアイダホに移住させることなど無理なので、国がバラバラになることは考えられませんが、警官によって殺されたフロイドのような騒ぎは全国的に想像できます。

リン・ディン: 私はずっと、自暴自棄になったアメリカ人が来ないようにするために、アメリカよりもメキシコ側に国境の壁が必要だと言ってきました。これには賛成ですか?

フレッド・リード:組織や財政などの理由から、文字通りの壁は必要ではありません。しかしもし混乱が起きれば、間違いなく多くのアメリカ人が南へ向かうでしょう。

リン・ディン:アメリカで一番良かったことはなんですか?離れてみて一番恋しいものはなんですか?

フレッド・リード:私の高校時代です。犯罪はほとんどなく、黒人は鎮圧されていたので人種間の対立もなく、深刻な政治的分裂もなく、狂った銃撃戦もなく、学校に警官もいなくて、私の田舎では狩猟用の銃はありましが銃撃戦はまったくなく、礼節があり、男の子は女の子の前で「Shit」とか「Fuck」とか言わず、不法滞在はほとんど聞かず、拒食症や過食症などということは聞いたこともなく、そんな単語を知りませんでした。広い郡に警官が一人いましたが、彼は何もすることがなく、学校は政治とは関係なく、ローカルの単一文化の良さをすべて享受していました。ヒッチハイクも平気でできました。ほとんどどの地域も繁栄していました。

リン・ディン: メキシコのいいところはなんですか?あなたのスペイン語はどうですか?メキシコ人はあなたにどのように接してくれますか?

フレッド・リード:スペイン語の先生と結婚したので、それが家で使う言語になっています。グアダラハラでも、私たちが訪れた多くの集落でもメキシコ人はだれもが友好的です。メキシコでは麻薬が蔓延し、汚職もありますが、南部のインディアン地域を除けば単一文化圏に近いと思いま。町は平和で、どの町にも広場があり、広場は独自に設計されてすべて異なっていてたいてい素敵です。レストランやバーは地元の所有者が経営し、アメリカのチェーン店はなく、集落には古い感覚があり、広場には必ず教会があり、どれも異なります。メキシコは大量生産文化ではなく、アメリカのようなプラスチック製の無機質なものはありません。街路は清潔で、広場はピカピカ、家族は結束していてストレスはありません。どれだけの人が熱心なキリスト教信者かどうかはわかりませんが、教会や多くの祝い事で教会と聖人の日の祝祭は社会的な接着剤になっています。メキシコは憲法で政教分離を定めていますが、アメリカのような毒気はなく、公共の広場の十字架を廃止しようとする狂人もいません。

リン・ディン:最後に、燃えている船から飛び降りようと考えているアメリカ人に、何かアドバイスはありますか?

フレッド・リード:逃げろ、逃げろ、逃げろ。インターネットを使って仕事ができるのなら、そうしてください。ほとんどの国、特にメキシコではインターネットや携帯電話のサービスが充実しているし医療も充実しています。二重国籍を取得できるようになったら二重国籍をとってください。東南アジアや中南米も検討してください。子供は現地の学校に入れます。他言語を流暢に話せても支障はないし、学校では人種差別撤廃論は教えません。その国が気に入ったら、賃貸ではなく家を買い、可能な限りドルから離れるのです。アメリカが落ちぶれている間に、「第三世界」の国々は強くなり、道徳感もテイストも行動レベルも高くなっていることを理解するのです。

フレッド・リード(Fred Reed、1945年ウエストバージニア州クランプラー生まれ)は作家でワシントン・タイムズの元技術コラムニスト。The American ConservativeとLewRockwell.comにも執筆している。メキシコ、ハリスコ州アヒジック在住。

Reed lives in Ajijic, Jalisco, Mexico. https://linhdinh.substack.com/p/fred-reed-on-getting-out-of-the-usa