「新型コロナの起源」の隠蔽について、ジェフリー・サックス教授
by Ron Unz
コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は米国の学術機関を牽引する人物であり、30年前のニューヨークタイムズ紙でもこの分野で世界で最も重要な人物の一人として紹介されている{1}。現在、彼はコロンビア大学の持続可能な開発センターのディレクターを務めており、長年にわたり非常に幅広い公共政策の問題について数多くの記事やコラムを発表してきた。
彼のこうした経歴を考慮すれば、医学会のトップ雑誌『ランセット』が、2020年初頭から世界を荒廃させ100万人を超える米国人の命を奪った疫病の全ての側面を調査するために設立された新型コロナ委員会の委員長に彼を任命したのは驚くには当たらないだろう。
それにもかかわらずこの数ヶ月、サックス教授は米国の政治家やマスコミのエリートたちと決別し、勇気を持ってこの感染症の起源について自分の考えを話し始めたのである。
5月には、権威ある米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された主要論文の共著者として、新型コロナウイルスが生物工学によって作られた自然ではなく実験室の産物であるという非常に強い証拠を指摘し、その真の出所について独自の調査を行うよう呼びかけた{2}。
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2202769119
翌月には、スペインで開かれた小さなシンクタンクの会合でさらに率直な発言をし、7月初めには、この発言を収めた短い映像が11,000回以上リツイートされ、100万回以上再生され話題になった。
新型コロナ委員会の委員長として、サックス教授はこの問題において最も強い立場にあったが、彼のこの目立った発言はほとんどすべての西側メディアによって無視され、イギリスのスキャンダルをあばくことで知られるデイリー・メール紙だけが禁止措置を破ってサックス教授の扇動的な主張を取り上げたのである。{3}
他の国もサックスの情報に注目したのは確かである。ロシアトップの将軍が、最近の国防省のブリーフィングでサックス教授を権威として引用している。{4}
しかし欧米のジャーナリストはほとんど皆、目をそむけ続けたにもかかわらず、サックス教授は、現在進行中の新型コロナの隠蔽工作を公にするために努力を重ね、ウェブマガジン『Current Affairs』に極めて率直なロングインタビューを寄せた。{5}
私が長年親交のある高名な学者にサックスのインタビューを見せたところ、彼は唖然とした。
素晴らしい記事だ。
サックスは驚くほど率直なだけでなく、この問題に関しても驚くほど詳しい。
別の著名な学者も同じような反応をした。
これは、とんでもないインタビューであることは間違いない。
最近では、かつては体制側の中枢にいたもう一人の著名な反体制派であるロバート・F・ケネディ・ジュニアのポッドキャストで、サックス教授が1時間にわたって新型コロナ問題について議論している。サックス教授は委員長として、ウイルスの正体とその起源が大規模な隠蔽工作の対象であると最終的に結論づけるまでに、彼が遭遇した膨大な不正行為を説明した。
そのインタビューを聴いた人は皆、非常に感銘を受け、私がこのインタビューの存在を教えた新型コロナの起源論争におけるある有力者は、次のようなメモを私に送ってきた。
このサックス教授のインタビューは驚くほど素晴らしい。明快で、力強く、ユーモアがあり、さらに説得力がある。というのも、彼はこの問題の反対側から出発したのだから。ファウチが生物兵器防衛のポートフォリオを取得するまでの経緯をたどって、深く展開した視点が興味深い。
サックス教授は他の分野でもその政治的勇気を発揮し、ウクライナ戦争や中国との関係については、ほぼ一様な世論に強く異を唱えている。{6}{7}
米国のエスタブリッシュメントで高い地位にある人物で、主要な問題に関して政府が発表する論調とこれほど鋭く対立することはめったにない。前述したように、メディアの典型的な反応はこのような潜在的に危険な離反者はブラックリストに載せて無視することである。{8}
しかし、インターネットは時に、反対側の物語を求める国民の要求が十分に強ければ、こうしたメディアのニュースや記事の取捨選択をする担当者の裏をかくことを可能にする。
シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、米国で最も著名な政治学者の一人であるが、ウクライナ紛争に関する彼の長年の見解は、これまで公の議論から完全に排除されていた。過去の講演はYouTubeで見ることができたが、ほとんど注目されていなかった。
しかし、ウクライナ戦争が始まると、その中の1本のビデオはかつてないほど世界中に視聴者を集めるようになり、視聴回数は2,700万回を超え、インターネットの歴史上、どの学術発表よりも視聴回数が多いのではないだろうか。また彼の講演も1,000万回、1,500万回と視聴されている。
このような世界的な注目の高まりの直接的な結果として、一部のエリート・メディアも反応せざるを得なくなった。エコノミスト誌はすぐにこのテーマでゲストコラムを書くよう彼を招待し{9}、最近では超エスタブリッシュメント系のフォーリン・アフェアーズ誌に、ウクライナ戦争に関する彼の長い逆説のエッセイが掲載された。{10}
主要メディアはサックス教授の新型コロナ問題に対する重要な意見をほとんど完全に無視しているが、他で注目され続ければ、そのボイコットもいずれは解けるかもしれない。多くのオルタナティブ・ポッドキャスターやウェブサイトは、このような議論を呼ぶ考えを広めるための効果的なチャンネルを提供しており、特にその提唱者がそのテーマについて強い信頼性を持つ公人である場合はなおさらである。
サックス教授の見解に関して私がもっている知識はすべて彼の公的な発言に基づいている。私が2年以上にわたって公に提案してきた意図的な生物兵器による攻撃という仮説を、彼は一度も示唆していない。しかし、彼の長時間に及ぶ議論のどこにも、ウイルスを作り出したとして中国を非難する記述がなく、またウイルスが漏洩したとされる武漢の研究所についてさえ彼が言及していないことは、非常に興味深いことであると思う。
その代わりにサックス教授が注目しているのは、新型コロナに似た、改良型コロナウイルスの生産を目的とした米国の大規模な生物工学的取り組みと、新型コロナの明らかに人工的な特徴を隠すための米国政府周辺の科学者による集中的な取り組みである。彼は、多額の資金が投入された生物兵器の研究、そしてこれらのプログラムが数十年前に軍の直接的な権限からアンソニー・ファウチの国立衛生研究所(NIH)に移されたことを論じている。そして、武漢の研究所や世界中の多くのバイオラボと協力しているペンタゴンが出資するピーター・ダスザックのエコヘルス・アライアンスが、明らかに情報収集の役割を担っていることに言及している。
サックスは最高権威の公人であり、より確かな証拠が入手できない限り、また入手できるようになるまで、私の仮説のような議論が紛糾することはほのめかすことさえ不適切であろう。その上で彼は現在、自分の名声を利用して新型コロナウイルスの生物工学的性質と、メディアと科学界がその実態を隠蔽しようとする大規模な試みが進行中であることに目を向けさせるという絶対的に重要な役割を担っているため、さらなる論争を引き起こすことは致命的な妨げとなる。
しかし新型コロナ委員会の委員長として、彼はこれらすべての問題に関する重要なインサイダーであり、彼の発信する重要な情報は、ここ数年にわたり私が記事で紹介してきた私の分析と完全に一致している。これらの情報はすべて、このウェブサイト、電子書籍、または印刷版のペーパーバック{11}として現在Amazonで簡単に入手することができし、私のインタビュー動画はRumble{12}で100万ビューを突破している。
Links:
{1} https://www.nytimes.com/1993/06/27/magazine/dr-jeffrey-sachs-shock-therapist.html
{2} https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2202769119.
{4} https://www.rt.com/news/560246-usaid-covid-origin-moscow/
{6} https://consortiumnews.com/2022/07/01/ukraine-is-the-latest-neocon-disaster/
{8} https://www.unz.com/runz/american-pravda-giants-silenced-by-pygmies/
{11} https://www.amazon.com/gp/product/B0B3SJH2QW/
{12} https://www.unz.com/page/covid-biowarfare-articles/
https://www.unz.com/announcement/prof-jeffrey-sachs-on-the-covid-origins-cover-up/