新型コロナは米国の研究所で生まれた可能性があることを示唆
by Tyler Durden
ランセット(英国の世界的に権威ある医学誌)は、エコヘルス・アライアンスの代表ピーター・ダスザックによる大規模な「自然に発生した」新型コロナ偽情報キャンペーン{1}のためのプラットフォームを提供したが、新型コロナは「SARS-CoV様ウイルスの実験室操作に従事する米国の研究所で」発生した可能性を示唆するなど、180度転換したようである。
“新型コロナの発生前に行われていたSARS様ウイルスの生物工学に関して、独立した、透明性のある、科学に基づいた調査は行われていない “と、ランセットの新型コロナ委員会は2年間の作業を終えてこう書いている{2}{3}。
独立系の研究者による、SARS-CoV様ウイルスの実験室操作に携わった米国の研究所の調査も、武漢で進行していた実験室研究の詳細調査もまだ行われていない。さらに、米国国立衛生研究所(NIH)は、支援していたSARS-CoV関連ウイルスの研究の詳細を開示せず、情報公開法訴訟の要求に応じて大幅に修正された情報しか提供していない。
常連の読者は、オバマ政権が米国内での「機能獲得」研究を違法化する4ヶ月前にエコヘルスがNIHと契約を結び、危険な研究を武漢に移したことを覚えているだろう。エコヘルスはNIHと儲かる契約を締結し、危険な研究を中国の武漢に移管した。そこでダスザックはコウモリのコロナウイルス{5}をヒトにより感染しやすいように操作する任務を負ったのである。
ダスザックはまた、「人間に感染しやすいように遺伝子を強化したキメラウイルス{6}」を作ろうともしたことも注目される。そのためにDARPA(米国防総省高等研究計画局)に1400万ドルを要求したがリスクが高すぎるという理由で断られている。
武漢ウイルス研究所(WIV)がパンデミックの前に何年も「機能獲得」研究を行っていたことを示す研究を発表するために奮闘したロンドン大学セントジョージズ校のアンガス・ダルグリーシュ教授(腫瘍学)は、資金提供がなくても研究は進められていたかもしれないと言う。
“これは明らかに機能獲得であり、切断部位を操作して新しいウイルスを磨き上げ、複数の細胞株でヒト細胞の感染性を高めている “と彼は述べた。{7}
そして新型コロナが発生したのは、ダスザックがコウモリのコロナを操作していたのと同じ町である。ランセットが掲載したダスザックによる長い文章{8}(20人以上の科学者が署名した)には、新型コロナは自然界、おそらく生鮮市場から流出したものであり、科学者たちは「新型コロナが自然由来でないことを示唆する陰謀説を強く非難するために団結する」と記された。ランセットがダスザックの利益相反について触れたのは後になってからである{9}。
いま、ランセットの新型コロナ委員会はいくつかの新説を発表した{10}。新型コロナは米国の研究所で作られた、あるいは米国の研究所から流出した可能性があり、国立衛生研究所(NIH)は「その研究の詳細を開示することに抵抗してきた」というものである。
問題のセクション全文
この報告書が出版された時点では、3つの研究関連仮説はすべて、野外での感染、実験室での自然ウイルスによる感染、実験室で操作されたウイルスによる感染という、もっともらしい仮説である。新型コロナの発生以前に行われていたSARS様ウイルスの生物工学的操作に関しては、独立した、透明性のある、科学に基づいた調査が行われていない。このような研究に関与した機関の実験ノート、データベース、電子メール記録、サンプルが外部の独立した研究者に公開されていない。外部の独立した研究者がSARS-CoV様ウイルスの実験操作に携わった米国の研究所を調査していないし、武漢で行われていた実験研究の詳細についても調査していない。さらに、米国国立衛生研究所(NIH)は、支援していたSARS-CoV関連ウイルスの研究の詳細を開示せず、情報公開法訴訟の要求に応じて、大幅に修正された情報しか提供していない。
つまり、SARS-CoV-2の近接起源の可能性は数多くあるが、この問題についての独立した科学的かつ協力的な研究はまだ不足しているのである。{11}
テレグラフ紙が指摘したように{12}、ランセットの報告は新型コロナ委員会の委員長である経済学者のジェフリー・サックス教授が、今年初めにマドリードの会議で「かなり確信がある」{13}と発言し、論争が巻き起こっているときに発表されたものである。中国の外交官もこの新型コロナは「自然界からではなく、米国のバイオテクノロジー研究所から生まれた」という説を積極的に主張した{14}。
ジェフリー・サックス教授
サックス教授は、8月に有名な反ワクチン派として批判されているロバート・F・ケネディ・ジュニアが主催するポッドキャストにも出演した。
「サックスがRFK Jrのポッドキャストに出演することはランセット委員会の使命の真剣さを完全に否定するものだ」と、カナダのワクチン・感染症機構のウイルス学者であるアンジェラ・ラスムセン教授は言った。「これは、科学と医学に関する重要な発見を伝える代表およびリーダーであるランセットの役割に関して、最も恥ずべき瞬間の一つかもしれない」と、彼女は付け加えた。
サックスは自分の以前のコメントを堅持し、テレグラフ紙に、ダスザックが率いる最初の作業部隊を解散させた後、彼が個人的に新型コロナの緊急事態についての作業を監督したと語った。
「最終的な文書には全員が署名している。実験室で放出された可能性の問題は主に、SARS様ウイルスについて進行中だった米中共同作業の問題に関わるものだ」と述べた。
ランセット委員会の報告書は、世界保健機関(WHO)のパンデミック初期の対応の遅れを批判し、公衆衛生上の緊急事態を宣言するのが遅れたこと、新型コロナが空気感染で広がったという報告を「ためらった」ことなど、「大胆に行動せず、むしろ控えめな行動を繰り返した」と指摘した。
国連保健機関もまた“米国と中国の間の緊張の高まりの犠牲になった”、と委員は警告し、将来的に伝染病がパンデミックになるのを防ぐためには、より良い国際協力が鍵になると付け加えた。
WHOは、「包括的な勧告」を歓迎するとしながらも、WHOの初期対応については「いくつかの重要な欠落と誤った解釈」{15}があったと述べている。
研究者たちは、この病気に対する世界中のさまざまなアプローチも分析した。西太平洋地域は「平均死亡率が非常に低いことで際立っている」。おそらく、この地域は2003年のSARS流行の経験から、新しい病原体に対する備えをより万全にしていたのだろう。
ランセットの広報担当者によると、同誌は「新型コロナに関する科学的証拠の進展に応じて各タスクフォースの作業を定期的に評価し、査読済みの最終報告書が新型コロナに対する協調的でグローバルな対応を支援するとともに、将来のパンデミックの予防や将来の病気の発生を抑制するために貴重な新しい洞察を提供できるようにする」という。
Links:
{2} https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)01585-9/fulltext
{3} https://covid19commission.org/
{8} https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30418-9/fulltext#
{9} https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01377-5/fulltext
{10} https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)01585-9/fulltext
{11} https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(22)01585-9/fulltext
{13} https://www.telegraph.co.uk/news/2022/05/20/economist-calls-inquiry-whether-covid-leaked-lab/
{14} https://www.telegraph.co.uk/world-news/2022/07/12/covid-made-us-lab-claims-aide-top-eu-diplomat/
{15} https://www.who.int/news/item/15-09-2022-who-responds-to-the-lancet-covid-19-commission