No. 1569 アフリカの中の日本

アフリカの中の日本

Japan in Africa

by Oleg Pavlov

8月27日〜28日、日本政府が主催した「日本・アフリカ・サミット」なる会議がチェニスで開催された。志は大きかった。1993年から開催されているTICADというイベントの第8回目を開催し、アフリカ大陸の開発問題に対する日本の積極的な取り組みを宣言しようというものである。

そして当初は、このイベントは期待で満ちていた。30カ国以上のアフリカ諸国が首脳レベルの参加を表明し、豪華なスピーチが準備され、日本の首相との会談や野口英世アフリカ賞の授賞式が計画され、日本の企業関係者とのビジネスフォーラムも企画されていた。

しかし、最初からおかしな具合になっていた。最後の土壇場になって岸田文雄首相が新型コロナのためという口実でフォーラム参加を辞退し(ビデオ通話のみで発言)、代わりに林芳正外相が北アフリカの第2、3回総会に直接参加したのである。途端に華やかさも重要性もなくなり、首相の病気発表前にチュニスに到着していなかった首脳の中には、出席を拒否する者も出てきた。

会議自体がスキャンダルに見舞われた。なぜならモロッコが西サハラを自国領土として認めていないサハラ・アラブ民主共和国(SADR)の代表団が出席したためである。開催者がそのような行動をとったのはSADRを支持する隣国アルジェリアへの配慮であることは明らかだが、モロッコ側には侮辱と映ったようだ。

このこともあって全体的に物足りなさを感じるイベントだったが、まったく意味がなかったというのは言い過ぎだろう。日本は新型コロナの克服とアフリカ大陸での疫病の発生防止、環境問題への取り組み、アフリカの投資環境の改善、持続可能な開発の確保、社会貢献型ビジネスの支援、食糧問題の解決などを目的とした大規模な援助プログラムを発表した。

さらに日本は、今後3年間で官民から300億ドル相当の資金をアフリカの開発に充てることを発表した。生活の質を向上させるために、40億ドルの「Japanese Green Growth Initiative with Africa」が開始される予定である。若い起業家を支援するため、日本企業が提供する1億ドル以上の「スタートアップ投資ファンド」の設立も発表された。

アフリカの未来を築く30万人の専門家の教育による人材育成が想定されている。

民間部門では、アフリカ開発銀行から最大50億ドルの支援を受けることになっている。日本は感染症対策のためのグローバルファンドに新たに最大10億8000万ドルを拠出し、20万人の専門家育成を含む農業生産性プログラムに3億ドルを充てる予定である。さらにおまけのように1億3千万ドルの食糧援助が発表された。

アフリカの指導者たちはまた、日本の「アフリカの平和と安定に向けた新たなアプローチ(NAPSA)」への関心にも言及した。

TICAD-7(2019年)に比べ、開催範囲自体のセッションや参加者が少なく、教育・文化問題が別途提示されず、移民問題も提起されなかったことが目についた。

日本は、日本の大陸政策の非効率性についてアフリカ人が東京にあからさまに訴えた、失敗した2019年のイベントから、いくつかの結論を出したようだ。その結果、今年のイベントは表面上は非常に手堅いものに見えた。

この会議の傍ら、日本の外務大臣は21カ国の代表者と会談した。エリトリアとウガンダを除き、ほとんどが西側陣営に傾いている国である。一方、首相は、ウクライナ危機という喫緊の課題に対しては中道・中立の立場をとっているが、同じく西側に近い9カ国の首脳とビデオ通話で会談した。またアフリカ連合委員会の委員長とも会談した。

結論から言うと参加国は38カ国とまずまずだったが、そのうち19カ国は閣僚のみの参加であった。また9つの地域機関が参加し、アフリカの統合連合を完全に網羅していることがわかる。唯一採択された「チュニス宣言」によると、次回の首脳会議は2025年、それに先立ち2024年に閣僚会議が開催される予定である。

言い換えると、日本は海外の親分に言われるまま、アフリカにおける西側圏のポジション争いに加わり、中国やロシアを追い出そうとしている。東京のアフリカ大陸への資金投入という大それた約束が守られるとは到底思えない。経験上、話は大きくてもアフリカにおける西側のプロジェクトの多くは実現に至らないことが多い。比較的最近のEU-アフリカ会議もそうだった。アフリカ人自身もそのことを十分承知しているが、資金源が何であれ、できるだけ多くの投資を呼び込むことに必死である。

ロシアにとっての結論は、チェニス宣言の文言が示すように、会議参加者に反ロシア的な立場をとらせることができなかったということだ。しかし大陸での競争はますます激しくなっており、西側諸国はますます攻撃的になり、「スポイラー」(有力な候補者の当選を脅かす自分自身は当選の見込みのない候補者)を積極的に巻き込んでいる。この言葉はまさに日本に当てはめることができる。

https://journal-neo.org/2022/09/14/japan-in-africa/