Hiroshima, Nagasaki, and Ukraine
by Jacob G Hornberger {1}
多くの人が気づき始めているものの考えたくないことは、米国とロシアが危険なほど核戦争に近づきつつあることだ。ロシアのプーチン大統領は今、「自由に使えるすべての力と手段」を使ってロシアの領土を防衛すると公言している。米国のバイデン大統領は、ロシアが核兵器の使用に頼れば「破滅的な結果」を招くだろうと反論している。
プーチンが正しく指摘しているように、戦時中の核兵器使用の前例を作ったのは米国政府である。それはもちろん、第二次世界大戦における日本の広島と長崎への原爆投下である。
この2つの都市を核爆弾で攻撃したことを正当とする理由について、米国当局は次のように説明する。
米国政府高官と、それを支持する多くの主要メディアは、原爆投下には戦争の短縮化という正当な理由があったと長い間主張してきた。日本への侵攻が必要になっていたら命を落としていたであろう何千人もの米国人兵士を原爆投下が救ったというのである。
しかしそれは広島と長崎への原爆投下を法的・道徳的に正当化する理由とはなり得ない。結局のところ、戦時中に兵士が民間人を標的にすることは戦争犯罪である。米国当局は、まさにこの2つの都市への原爆投下でそれを行った。例えば、ウィリアム・キャリー中尉がベトナムで無実の市民を殺したことと、米国当局者が広島と長崎の住民にしたことの間には何の違いもない。
さらに、兵士は戦争で死ぬ。それが戦争の本質だ。侵略で死ぬ兵士を救うために、女性や子ども、高齢者、その他の民間人を標的にして良いわけでは決してない。
今日に至るまで米国政府高官と彼らの信奉者である主要メディアが、広島と長崎への原爆投下を、戦争を短縮することで米兵の命を救うためだったと正当化し続けていることを念頭に置いておくことは重要である。
翻って、ロシアがウクライナとの戦争で核兵器を使用したら、ロシアに「破滅的な結果」をもたらすとバイデンは脅している。もしロシアが、戦争を短縮し、それによってロシア兵の命を救うために核兵器を使用すると言ったらどうだろうか?言い換えれば米国が日本での核兵器使用に対して使った(そして今も使い続けている)のと全く同じ理由でロシアが核兵器使用を正当化したとしたらどうだろう?バイデンは何と言うのだろう。私たちは許されるが、あなたたちはそれをしてはいけない、というのだろうか?
実際、ロシアが米国と違って、核兵器の使用を罪のない民間人ではなく敵軍に限定したらどうだろうか?そのときバイデン氏は何と言うのだろう。米国には罪のない民間人を含む誰に対しても核兵器を使用する権限があるが、ロシアには敵軍に対して核兵器を使用する正当な権限がない、とでも言うのだろうか?
第二次世界大戦でトルーマン大統領が犯した戦争犯罪が、約75年後に米国を苦しめることになるとは、誰が想像しただろうか?現時点では何の役にも立たないかもしれないが、バイデンができる最善のことは、広島と長崎への原爆投下が事実上戦争犯罪であったことを率直に公言し、本物の悔恨のこもった謝罪をすることである。
冷戦時代の古い恐竜であるNATOを使ってロシアのウクライナ侵攻を誘発したことで、ペンタゴンは米国とロシアを、たとえ誤算や事故で起こったとしても核戦争に危険なほど近づけている責任を負っている。バイデン大統領が現時点でできる最善のことは(広島と長崎におけるアメリカの戦争犯罪を謝罪することに加えて)、ウクライナへの武器やその他の支援を直ちに中止し、NATOから撤退し、海外駐留米軍をすべて帰還させて民間部門に送り出し、海外の軍事基地(特に東欧と西欧の基地)をすべて廃棄することだろう。
言い換えれば、米国政府は世界を放っておくべきだということだ。米国と他の国々を核兵器によるホロコーストに近づけるなど、すでに十分なダメージを与えている。
Link {1}: https://www.counterpunch.org/author/jacob-g-hornberger/