No. 1616 ウォルフォウィッツ・ドクトリン

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ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、アメリカのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(政策担当)と副官スクーター・リビーが発表した1994-99会計年度の国防計画ガイダンスの初期版(1992年2月18日付け)に与えられた非公式名である。

一般に公開される予定ではなかったが、1992年3月7日にニューヨーク・タイムズにリークされ{1}、米国の外交・防衛政策について世論の論争を巻き起こすことになった。この文書は、他国からの潜在的な脅威を抑え、独裁国家が超大国の地位に上り詰めるのを防ぐために、単独主義や先制的な軍事行動をとるという方針を示しており、帝国主義的だと広く批判を浴びた。

反発を招いたために文書は1992年4月16日に公式に発表される前に、ディック・チェイニー国防長官とコリン・パウエル統合参謀本部議長の厳しい監視のもとで急遽書き直された。その教義の多くはブッシュ・ドクトリンに再登場し{2}、エドワード・M・ケネディ上院議員は「他のどの国も受け入れることができない、あるいは受け入れるべきでない21世紀のアメリカ帝国主義への提唱だ」と言い表した{3}。

{1} https://www.nytimes.com/1992/03/08/world/us-strategy-plan-calls-for-insuring-no-rivals-develop.html

{2}Gaddis 2002, p. 52: “Preemption […] requires hegemony.

{3}Caputo Leiva, Orlando (2007). “The World Economy and the United States at the Beginning of the Twenty-first Century”. Latin American Perspectives. 34 (1): 9–15.

https://en.wikipedia.org/wiki/Wolfowitz_Doctrine