No. 1617 エミリー・オスターの責任逃れ

Emily Oster’s Plea Bargain

他の誰よりもよく知っているふりをしてきた、米国の壊れた思考階級の言い逃れ

by James Howard Kunstler

もう誰もがアトランティック誌に掲載されたエミリー・オスターの”Pandemic Amnesty(パンデミック恩赦)”の嘆願を見たことだろう。

https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2022/10/covid-response-forgiveness/671879/

ハーバード大学で学士号、博士号、ブラウン大学の経済学教授という金ピカの資格をたくさん持っているエミリーが「新型コロナについてよくわからなかった時の言動をお互いに許す必要がある」という下らない主張を長々と書き続けることができたのは不思議なくらいだ。

エミリーは「よくわからなかった」わけではない。「新型コロナやその治療薬、予防薬と称するものについて公衆衛生当局や医学界の権威、そして多くの選出された役人が言っていることは、すべて真実ではなく不正直さと悪意があり、特に、それが彼らの政敵を迫害するために使われた場合にそうなる」と認識していた他の米国人と同様の情報にアクセスしていた。

これらの反対者たち(反コロナ、反ワクチン)は「間違った理由で正しかった」と彼女は言った。なぜなら反対者たちは、国民の知的生活を破壊し、考える階級が考えることを不可能にすることに正々堂々と取り組んでいたブラウン大学の「進歩的」な仲間たち、そして全米の学者たちの「目覚めたジャコビニズム」の良い考えと一致しなかったからである。

現実をみてほしい。いかなる社会にも「思考」階級という、その時々の重要な問題を整理し、公共の場で議論し、私たちの考えや行動を現実と一致させることができる階層が必要である。米国はかつて、憲法修正第1条を尊重し、自由な報道機関やその他多くの意見発表の場があり、かなり優れた思考階級があった。

その思考階級が、米国のあらゆる機関で新しい検閲体制を精力的に推進し、言論の自由と、さらに重要なことに、政治を現実に合わせるために必要な議論を封じ込めることによってそれを破壊したのである。したがって米国の思考階級は、権力の手綱を握ったカオスの党(民主党)と歩調を合わせ、虚構の啓蒙者となった。この中には、新型コロナ問題においては生と死の権限も含まれていた。

それらは、製薬会社の緊急時使用承認(EUA)とその責任回避のために効果的な早期治療プロトコルに反対した人々、致命的なレムデシビルと人工呼吸器の組み合わせによる病院内治療を強要した人々、有害で効果のない「ワクチン」を展開し、それに反対する医師を解雇し中傷した人々、企業や生活、家庭を破壊する虐待的な政策の数々を画策した人々、などである。

なぜ思考階級が思考を破壊し、自らを裏切るようなことが起こったのか。それは、キャンパスという病的な環境の中で、道徳的なポーズをとるための地位競争が、彼らにとって真実よりも重要なものとなったからだ。ブラウン大学のようなところでは、徳の象徴であるステイタス・ブラウニー・ポイントをめぐる競争がエスカレートしていた。そして、「専門家」や権威ある人物の言うことに従うことが最高の美徳とされたのである。そのためには、意見の違いなど、邪魔になるものはすべて潰し、踏みつけにし、悪質な冷酷さをもって、反対者に「反対意見は許さない!」という教訓を与えなければならなかったのだ。

ひどい思考階級だ。エミリー・オスターのケースは特に痛々しいほどである。なぜなら彼女は、「妊娠と子育て」を専門にした経済学者として影響を与えており(彼女自身のウェブサイトでそう言っている)、一方で彼女が支持した公衆衛生当局の新型コロナ政権は、恐ろしい小児の健康危機を扇動し、現在も進行中である。EUA終了後にも製薬会社は永久に法的免責を与えられる目的で、CDCは有害なmRNA「ワクチン」を小児予防接種スケジュールに追加したばかりなのだ。なんと卑劣な行為だろう。オスターはCDCに対して、子供たちにmRNA製品を使ったワクチン接種をやめさせるよう嘆願しているのだろうか?

数週間前にファイザー社の上層幹部であるジャニン・スモール(「国際先進国市場ワクチン担当地域社長」)が欧州連合議会での証言で、同社が新型コロナの感染を防ぐかどうかの「ワクチン」のテストを行っていないことを明らかにしたのに、まだCDCは「ブースター」接種を宣伝するテレビコマーシャル(野球のワールドシリーズ中に!)を流している。ロッシェル・ワレンスキー所長率いるCDCは、mRNA「ワクチン」が最もワクチン接種の多い国々における「全原因による死亡」の衝撃的な上昇の原因であるという新たな事実を覆い隠すために、統計データを隠したりごまかしたりして超多忙な状態を続けている。要するに、当局はこの瞬間にも、彼らの悪質な作戦のすべてを実行しているのである。

注目すべきは、アトランティックに掲載されたオスターの恩赦と許しの嘆願で、一般市民に対する重大な犯罪に対する説明責任についての議論が全くなされていないことだ。何百万人もの人々を殺傷したかどで多くの人が起訴されるに値する。彼女の弁明の中心は新型コロナの公式な方針がこれほどまでに見当違いだったことを「知らなかった」という言い訳である。もちろんそれは真実ではない。そして、思考階級が最近獲得した、真実に対するアレルギーの証拠に過ぎない。パンデミック恩赦の嘆願で彼女が書かなかったことは、「私たちは命令に従っただけ」ということなのだ。

Emily Oster’s Plea Bargain