Germany’s Deep State is located in Washington,
NOT Berlin
by Eric Zuesse
ヨーロッパの人々は国家経済の基盤であるエネルギー・コストが大幅に上昇して苦しんでいる。その理由はアメリカ政府が要求した第一次、第二次制裁のせいであり、ヨーロッパ政府はアメリカをまねて従い、その制裁がヨーロッパ人にとって、それまで最も安価で豊富なエネルギー源であったロシアからヨーロッパにパイプラインで供給されていたエネルギーを握りつぶしたためである。それだけではない。2022年9月26日{1}、ヨーロッパにエネルギーを運ぶ2つの大きなパイプライン、ノルド・ストリーム1と2が爆破され、ヨーロッパはほとんど壊滅した。2022年10月29日12時41分、Daily Mailは「リズ・トラスの個人携帯はクレムリン工作員にハッキングされセキュリティ侵害を受けたため、専門家は極秘交渉やプライベートメッセージが流出した可能性を恐れ『安全な場所』にしまわれた」{2}という見出しをつけた。その記事でDaily Mailは、「ハッキングが発覚したのは、トラスが外務大臣だった夏のトーリーのリーダーシップキャンペーン中だった。しかしその詳細は当時首相だったボリス・ジョンソンと内閣官房長官のサイモン・ケースによって抑えられた」、つまり彼女の携帯電話は間違いなくハッキングされており、だからこそ「2022年10月30日」にプロのハッカーであるキム・ドットコムがツイートした主張{3}は信憑性がある{4}。
@trussliz [英外務大臣]がiPhoneを使って、@SecBlinken [米国務長官]に”It’s done”(終わった)と、メッセージを送ったのは、パイプライン(彼らはそれが両方だったことはまだ知らなかった)が爆発した1分後でまだ他の誰も知らなかった。
キム・ドットコムがトラスの携帯電話のハッカーだったかもしれないが、彼はそうであるかどうかを言及するのは拒否した。ロシア政府は即座に9月26日、2本のパイプラインの爆破は「破壊工作」であり、犯人を突き止めると発言した。しかし米国とその同盟国の政府高官と「ニュース」メディア(10月29日の見出しのDaily Mailを含む)は、9月27日以降、一貫して、ヨーロッパのエネルギー供給に対するこの破壊工作は、パイプラインの主な所有者であるロシアによって行われたと主張した(情報提供元も証拠もない){5}。これらのパイプラインを破壊した者は誰であれ、ロシアに何十億ドルもの損害を与え、ヨーロッパにはそれ以上の損害を与えたであろう。しかし、アメリカのエネルギー生産者にとっては、ロシアからのエネルギー供給が途絶えたヨーロッパの代わりに大きな利益がもたらされるのである。最も可能性の高い仮説は、(もしキム・ドットコムが前日のDaily Mailの報道にだけ反応してあのツイートを投稿しなかったとしたら)バイデン大統領(おそらくブリンケン国務長官を通じて)がボリス・ジョンソン(おそらくトラス外相を通じて)に爆破を命令させたというものである。確かに、パイプラインの共同所有者であるドイツは、驚くことに(というより恐ろしいことに)この件の調査に無関心なのである。
ドイツは、ドイツの実業家や投資家が望んでいるにもかかわらず(望んでいるからではなく)、脱工業化{6}が進んでいる。なぜならこれを望む億万長者たちは帝国国家アメリカにいて、その億万長者たちがアメリカ政府を支配しているのである{7}。そして彼らは、石油輸出の倍増{8}と、「アメリカには世界のLNG市場を単独で倍増するのに必要な回収可能資源」があるという事実{9}から多大な利益を得ており、そしてドイツの製造業がアメリカへ急激に流出し、その助成金はアメリカの納税者によって支払われているのである{10}。これは、属国に対する帝国の搾取の最終段階の一つである。これらは、アメリカの超富裕層や上流階級が、与えられた属国(この場合ドイツ)の代表や上流階級さえもむさぼり食う、さまざま方法の一部なのだ。そして、すべてのドイツ人だけではなく、大多数のアメリカ人もそれに苦しんでいる。なぜなら、私たちにとって唯一の結果はインフレ率の上昇であり、アメリカ政府が「モスクワの政権交代」を実行するためにウクライナに送っている武器を食べることはできないからである。すべては、アメリカの億万長者のために行われている。
歴史上、帝国主義国家は、最初は属国の上流階級と協力していたが、次第に属国の上流階級を食い物にするようになり、最終的には自国の国民さえも滅ぼした例がたくさんある。実際すべての帝国の最終段階では、それが普通なのである。これはアメリカの億万長者たちの自暴自棄の行動なのだ。彼らは、帝国という集団事業が歴史のごみ箱の中に永遠に消えてしまう前に、もうしばらくそれを続けるための最後の機会をつかもうとしているのである。
12月11日、The DuranのAlex ChristoforouとAlexander Mercouris(国際関係について優れた洞察力を持つ二人のコメンテーター)が「ドイツのクーデターが政治的野党を標的にした。メルケルの悲惨な遺産」{11}と題する24分間のビデオ討論を行い、最近ドイツで起きたとされるクーデターについて、「ドイツ政府は、ウクライナの戦場でロシア政府を打ち負かすためのアメリカ政府を強く支持するドイツ政府を支持しない、2つのドイツの政党であるDie LinkeとAdFを排除する方法を見つけようとしている」と解釈している。
どちらの討論者も、これはアメリカとロシアの代理戦争であり、アメリカの勝利とロシアの敗北のためにウクライナ兵と、アメリカが武装させ訓練した兵士を使って、目的はロシア政府の転覆をもたらすことだとしている。そしてまた一つ(そして史上最大の)アメリカの属国を作るのだ。しかし、彼らの議論の10:43にクリストフォロウから、”これ(主張されているクーデターの試み)は、このためにメディアの物語を形作る上で米国のディープステートの関与があるというシグナルなのだろうか?” そしておそらくは “米国の誰かがこの全体を動かすことに関係しているのか?”という質問がなされた。しかし、この質問は、間違っているというか、誤解を招くものである。なぜならこれはドイツ政府がアメリカ政府の属国ではないふりをしている。ドイツ政府は属国なのだ。ドイツ政府は、アメリカ政府が許さないことはやらない。アメリカの外交政策に隷属するドイツに疑問を呈するいかなる政党も(Die LinkeやAfDのように)、アメリカ政府によるドイツの外交政策への支配に代わって、その表れとして、排除されることになるのである。
二人の討論者は(1:25、Mercourisから)次のように言っている。「これはドイツの支配的エリートが社会を締め付けるために活用されるだろう。それが決定的な結果になると思う」。しかし、その「支配的エリート」の本部はワシントンDCであり、実はドイツのベルリンではないのである。したがって、クリスタフォロウが「この物語のメディア・ストーリー形成に米国のディープステートが関与しているのではないか」と言うのは、「ドイツはヨーロッパにあるのか」と問うようなものなのだ。
ドイツやその他のアメリカ帝国の属国である政府について知っておくべき最も重要なことは、それがアメリカ帝国の属国だということである。帝国(今日の世界では、アメリカだけが帝国として残っている)の属国(あるいは「植民地」)には主権がない。その代わり、その国の外交政策は、その帝国が許すものだけであり、それ以外はありえない。これは間違いなく今日のドイツのケースなのである。
だから、10時43分、クリストフォロウが、「この話は、メディアの物語形成にアメリカのディープステートが関与していることを示唆しているのだろうか?わからない」と答え、Mercourisも”私もわからない “と答えたのである。しかし、現実的に考えて、そうでない可能性があるのだろうか。それは、ドイツがドイツに対する主権を持っているということを必ずしも意味しないのではないだろうか。
もしかしたら、ドイツの指導者たちは180度反転して、ドイツの米軍基地をすべて追い出し、反ロシアの軍事同盟であるアメリカのNATOを脱退するかもしれない。しかし、そうしない限り、そうなるまで、ドイツは米国の属国であり続ける。
もし今がドイツの指導者がロシアと交渉する時でないとすれば、いつになるのだろうか?
Links:
{3} https://knowyourmeme.com/memes/people/kim-dotcom
{4} https://twitter.com/KimDotcom/status/1586737543974121472
{5} https://www.youtube.com/watch?v=NSZyKYitC3M
{7} https://archive.ph/WrJly#selection-2297.437-2477.230
{8} https://tradingeconomics.com/united-states/exports-of-crude-oil
{9} https://archive.vn/ZutrZ#selection-2437.0-2437.99
{11} https://theduran.com/german-coup-targets-political-opposition-merkels-disastrous-legacy/