Setting the Record Straight on Ivermectin
by David R Henderson and Charles L Hooper
新型コロナパンデミックは米国人に情報を提供するというよりも、権力を固め、時間を稼ぐことを目的とした嘘と証拠の薄い宣言の数々を私たちにもたらした。その中でもアンソニー・ファウチの有名な発言は、マスク着用に反対したかと思えば推奨に転じ、最後には2枚着用を推奨と二転三転した。
ファウチはまた、彼の側近がSARS-CoV-2ウイルスの「異常な特徴」が「人工的に作られた可能性」があると電子メールを送ってきたにもかかわらず、実験室で操作されたものではないと我々を説得しようとした。そして、「15日間で感染を食い止める」と言い続けた結果2年間も引きずったのである。ほかにも「機能獲得」論争、集中的保護闘争、学校閉鎖、ロックダウン、ワクチン義務化、ワクチンの虚偽表示もあった。
これらの話題は世間の注目を集めた。しかし、パンデミックに関するトピックの中で、重要でありながら注目されていないのが、悪評高いイベルメクチンである。今こそ、記録を正す時がきた。
この2年間、ニュースをよく見ていた人なら、イベルメクチンについていくつか耳にしたことがあるだろう。まず、イベルメクチンが馬や牛を対象とした動物用医薬品であるということ。2つ目は、米国食品医薬品局(FDA)をはじめとする政府の規制当局が、新型コロナへの使用を反対していること。第3に、イベルメクチンの発明者であり製造者であるメルク社でさえも、イベルメクチンの使用に反対していること。第4に、イベルメクチンが新型コロナに有効であることを示した最大の研究の一つが、データ不正のために撤回されたこと。そして最後に、イベルメクチンに関する最大かつ最高の研究であるTOGETHER試験で、イベルメクチンが効かないことが示されたことである。
では、その根拠を考えてみよう。
イベルメクチンには優れた歴史があり、その効果はペニシリンに匹敵する{3}かもしれない。この抗寄生虫剤の発見はノーベル賞の受賞につながり、その後、世界中で、子供や妊婦にも安全に何十億回も投与されるようになった。「イベルメクチンは世界中で広く入手でき、安価で、現代医学の中で最も安全な薬の一つなのである{4}」。
FDAは新型コロナにイベルメクチンを使用しないよう特別な警告を出した。FDAの警告{5}には、「深刻な被害」、「入院」、「危険」、「非常に危険」、「発作」、「昏睡、さらには死亡」、「猛毒」などの表現があり、FDAがすでに安全であると承認した薬ではなく、あたかも毒物が混入した薬に対する警告{6}であるかのようだ。新型コロナに使うとなぜ危険になるのか?FDAは言わなかった。
FDAの規則により、イベルメクチンに関するいかなる声明も攻撃せざるを得なかったのである。FDAは未承認の用途に薬を使用することを禁止している。新型コロナ対策に未承認のイベルメクチンの使用を奨励することは、FDAにとっては偽善以外ではあり得なかった。イベルメクチンの発見者であるメルク社には、自社の医薬品を貶める理由がいくつもあった。
メルク社もまた、FDAの完全な承認なしには、イベルメクチンを新型コロナ用に合法的に「宣伝」することはできなかった。さらにメルク社は安価なイベルメクチンのジェネリック医薬品ではあまり儲からないが、高価な新薬であるラゲブリオ(モルヌピラビル)で成功を収めたいと考えていたのである。
エルガザーらによる新型コロナに対するイベルメクチンの大規模研究は、盗用とデータの捏造の容疑で撤回された。多くのメディアはこの怪しげな1つの研究に固執しているようだが、それは多くの臨床研究のうちの1つにしかすぎない。取り下げられた研究を検討対象から外しても、イベルメクチンが新型コロナに効かないことを示唆する試験{7}だけではなく、効くことを示唆する試験{8}が存在する。
TOGETHER試験はかなり肯定的な報道がなされた。ニューヨークタイムズはその結果を見た2人の専門家の言葉を引用している。一人は「(イベルメクチンの)効力を示す兆候はまったくない」と述べ、もう一人は「ある時点で、有望でないアプローチの研究を続けることは資源の無駄遣いになる」と述べた{8}。
エルガザーの論文はすぐに却下されたが、TOGETHER試験は高く評価された。それはあってはならないことだった。この試験を分析した研究者は、31の重大な問題(不可能なデータ、極度の利益相反、盲検化の失敗)、22の深刻な問題(結果が6ヶ月遅れた、矛盾するデータ)、21の大きな問題(複数の矛盾する無作為化プロトコル)を発見している。
一般に、TOGETHER試験は新型コロナにイベルメクチンが効かないことを示していると言われているが、実際の結果は次のような結論を裏付けています。イベルメクチンは死亡リスクを12%、人工呼吸器のリスクを23%、入院リスクを17%、ERでの長期観察または入院のリスクを10%低下させることと関連していた。イベルメクチンがTOGETHER試験の患者に役立つ確率は、臨床的回復までの日数の中央値で26%、入院の予防で91%と計算された。TOGETHER試験の結果は正確に報告されるべきである。
イベルメクチンが{9}死亡率を平均51%減少させたという93の試験から得られた臨床的証拠と、新型コロナの推定{10}感染致死率に基づくと、60~69歳のアメリカ人感染者が統計的にそのグループの死亡を1人防ぐには、約400人がイベルメクチンで治療する必要があることになる。その1人の死亡を防ぐためのイベルメクチンの総費用は4万ドルである。(GoodRxのサイトによると、イベルメクチンのジェネリック医薬品の処方箋は約40ドルである。1人当たり平均150mgの投与を受けるには、1人当たりおよそ2.5の処方が必要となる)。
あなたの命にどれほどの価値があるのだろうか?私たちは4万ドルよりもはるかに価値があると思っている。
次のパンデミックが発生した場合、必然的に古い薬に頼ることになるだろう。新しい薬は何年もかけて開発する必要があるからだ。イベルメクチンは再利用された役に立つ薬で、もっと役立てることができた薬だ。それは評価に値するもので、非難されるべきものではない。しかし私たちが本当に必要としているのは、権力者である公人や組織、製薬会社の嘘や誤魔化しから私たち自身を守る方法である。残念なことに、そのようなワクチンは存在しない。
Links:
{2} https://www.newsweek.com/fauci-emails-experts-covid-could-look-engineered-1596738
{3} https://c19ivm.org/yagisawa.html
{4} https://doi.org/10.3390/biologics2030015
{8} https://www.nytimes.com/2022/03/30/health/covid-ivermectin-hospitalization.html
{10} https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.10.11.22280963v1