No. 1697 ウクライナ戦争は覇権を維持し多極化を阻止するための 米国の捨てばちな行動

by Finian Cunningham

ウクライナでの戦争は、西側メディアが描くように、ウクライナとロシアの問題に米国とNATOがウクライナの慈悲深い支援者として動いているのではない。

米国とその同盟国であるNATOはこの紛争に深く関わっている。20年間にわたる無益な占領のあと2021年にアフガニスタンから軍を撤退させたのは、ロシアに対する計算された「軍事能力の再編成」だったとペペ・エスコバルは言う。

ウクライナは単なる代理にすぎず、究極的にはアメリカ帝国プランナーのための大砲の餌に過ぎない。

この戦争は、アメリカとロシア、中国、その他多極化した世界の出現を推進する国々との間のより大きな地政学的対立の一部である。この多極化した世界は、もはやアメリカ支配の西側資本主義の覇権下にはない。

ペペ・エスコバルは大局を見極め、アメリカが支配する崩壊しつつある世界資本主義体制、とりわけ米ドルの特権的地位を支えるために、いかにアメリカ帝国が「パニックモード」になっているかを概説している。

現在、ロシアと戦争をし、長期的には中国と戦争をすることは第二次世界大戦後に確立されたワシントンの支配的地位を長引かせようとする、捨てばちな動きの一部である。その戦後の帝国主義秩序は、婉曲的に「ルールに基づく秩序」と呼ばれているが、抑制のきかない帝国主義戦争と金融統制の乱用からますます評判が悪くなっている。

地球の大多数はグローバル・エリートを潤すだけの資本主義的搾取を支える米国と西欧の温情主義的システムからの解放を望んでいる。ウクライナでの戦争は、米国のグローバル・パワーの崩壊と、資本主義を定義する組織的不平等を維持するための無謀な戦いに過ぎない。

今年は非常に危険な年になるとペペ・エスコバルは言う。しかし、もし精神の病んでいるアメリカのディープステートのプランナーたちをロシアと中国が全面的で破滅的な戦争を勃発させることなく封じ込めることができれば、より希望に満ちた、平和で公正な世界秩序が生まれる可能性がある。

https://strategic-culture.org/news/2023/02/02/pepe-escobar-ukraine-war-desperate-move-by-us-preserve-hegemony-and-prevent-multipolar-world/