これは重大なことだ
by Larry Johnson
世の中には世界を変える瞬間がある。1941年6月22日のヒトラーのソ連侵攻はその一つだった。1941年12月7日の日本による真珠湾攻撃もそうだし、1989年11月9日ソビエトが築いたドイツのベルリンの壁が取り壊されたのもそうである。そして今日、ロシアと中国が歴史的で前例のない協定に調印したのをあなたは目撃した。
1642年以前、ロシアと中国には外交的、軍事的な交流はなかった{1}。
1652年から1689年まで、中国の軍隊はロシア人入植者を追い出した{2}、 しかし1689年以降、中国とロシアは和平を結び、貿易協定を締結した。
334年の間に中国とロシアは事実上同盟関係を構築したことは一度もない。時には対立し、この50年間アメリカの政策の優先事項はモスクワと北京の間に楔を打ち込むことだった。しかしそれは終わった。中国は世界最大の工業国、ロシアは重要物資の最大の供給国で、両国は今や同盟国である。彼らの政治的統合はパックス・アメリカーナと国際秩序における米国の支配の終焉を意味する。
ウラジーミル・プーチンと習近平の共同声明に注目してほしい。
◾️ ロシア連邦はウクライナに関する中国の立場を積極的に評価し、中国はロシア連邦の交渉開始の準備を積極的に評価する。
◾️ ロシアと中国は、AUKUS(米英豪の対中国軍事パートナーシップ)の創設と原子力潜水艦の建造計画に伴うリスクを懸念している。
◾️ ロシアと中国は、AUKUSに対し、大量破壊兵器の不拡散に関する義務を厳格に履行するよう要請する。
◾️ ロシアと中国は、エネルギー分野における包括的なパートナーシップを強化する計画である。
◾️ ロシア連邦と中国はウクライナ危機を解決するためには、ブロックの対立と紛争の扇動を防ぐことが必要であると考える。
◾️ ロシア連邦と中国は、米国の軍事生物学的活動に懸念を抱いており、この件を明確にすることを要求する。
◾️ ロシアと中国は、両国の技術的リーダーシップを確保するために、科学的交流を拡大する。;
◾️ ロシア連邦と中国は、ウクライナにおける危機の悪化とその「制御不能な段階への移行」を回避するよう強く求める。
◾️ ロシア連邦と中国は、国連安全保障理事会を迂回して行われるすべての一方的な制裁に反対する。
◾️ ロシアと中国は、米国が化学兵器の備蓄の撤廃を加速させるよう働きかけている。
◾️ ロシアと中国は、食料安全保障を確保するため、農業における協力を強化する。
◾️ ロシア連邦と中国は、相互および世界のエネルギー安全保障を促進する計画である。
◾️ ロシアと中国は、NATOがその組織の防衛的性格を厳格に守り、外国の主権を尊重するよう主張する。
◾️ ロシア連邦と中国は、アジア太平洋地域における「閉鎖的な排他的ブロック構造、ブロック政策、対立する陣営」の形成に反対する。
◾️ ロシア連邦と中国は、電子商取引の発展を通じてなど、貿易の規模を拡大し、その構造を最適化する。
◾️ ロシアと中国は、金融協力のレベルを高め金融市場での協力を強化することにしている。
◾️ 米国は、北朝鮮の正当な懸念に対処し、対話の条件を整えるために、実際に行動を起こさなければいけない。
◾️ ロシア連邦と中国は、ミサイル兵器の分野における米国の活動の激化を懸念し、国際的な安全保障を損ねることをやめるよう求める。
◾️ ロシアと中国は、武力対立のために宇宙を利用しようとする試みに反対しており、そのような活動に反対していく。
◾️ ロシアと中国は、農産物への相互アクセスを拡大し、この分野での投資協力を強化する。
◾️ ロシア連邦と中華人民共和国(PRC)は、基本的な商品と鉱物資源の相互利益のある供給の分野での協力を目指す。
◾️ ロシア連邦と中国は、情報技術(IT)の軍事化に反対し、インターネットの多国間、平等、透明なグローバル・ガバナンスに賛成である。
これはまさにゲームチェンジャーである。私たちが知っている世界は、もはや米国が対等な中での第一人者であることはないだろう。第二次世界大戦で大英帝国が終焉を迎えたように、今日のモスクワでの出来事は、乱暴な国々に秩序を与える世界の警察官としてふる舞うことのできる米国への死の宣告である。
プーチンと習近平の首脳会談を無駄に妨害しようとしたアメリカの力がいかに惨めだったかが明らかになった。
1.「習近平は来ない」という情報キャンペーンを行った
2.もし習近平が行けば中国に脅威を与えると言った
3.中国がロシアを非難するよう要求した
4.ウクライナに武器を供給する権利があるのは西側諸国だけで、中国はロシアに武器を供給しないよう要求した
5.ロシアと中国がどんな協定を結んでも関係ないと言った
6.習のモスクワ訪問当日に、日本の首相を急いでウクライナに訪問させた
7.中央アフリカ共和国での中国人労働者が死亡した
8.ウクライナへの新兵器納入を急ぐ発表をした
9.コロナウイルスの起源を中国になすりつけることを目的とした機密情報文書を開示した
10.フィリピンの新軍事基地の整備を開始した
バイデン政権はこの新しい同盟への対応で空回りしている。世界におけるアメリカの影響力の喪失は一夜にして起こるものではないが、そのプロセスは始まっている。この日を覚えておくように。あなたの子供や孫の人生を変えることになるだろう。それが良い方向に行くよう祈ろう。
Links:
{1} https://en.wikipedia.org/wiki/History_of_Sino-Russian_relations
{2} https://en.wikipedia.org/wiki/Russian%E2%80%93Manchu_border_conflicts
You Have Witnessed History Today in Moscow and It Is Consequential