Scott Ritter: US ‘Full Spectrum Dominance’ Doctrine Based on ‘Hubris and Arrogance’
by James Tweedie
1997年以来、米国の軍事方針は、ワシントンは自国の軍事力に匹敵するいかなる国も容認すべきではないと定めている。元海兵隊員でイラクの国連化学兵器査察官であるスコット・リッターは、ペンタゴンはすでにこの競争に敗れたと主張している。
米軍の方針である「全面支配」は傲慢な仮定に基づく妄想であると、一流の国防アナリストは述べた。
「コンソーシアム・ニュース」ウェブサイトの最近の記事{1}は、1997年以降のペンタゴンの包括的な戦略は、世界の他の国々が米国の「リーダーシップ」に屈服することを要求していると論じた。スコット・リッターはスプートニク{2}に対し、米国のアフガニスタンでの敗北とロシアがウクライナで西側の代理軍を相手にしたことでこの考えはますます不安定になりつつあると語った。
「全面支配は、米国が唯一残された超大国として台頭した冷戦終結後に発展した」とリッターは説明する。「これは文字通り国家の傲慢さ、尊大さ、無知を表している。米国は例外的な国であるだけでなく、圧倒的に例外であるとほのめかしている」
この方針が示唆することは、米国は他国と平和に暮らすことも敬意をもって接することすらできないということだと彼は主張した。
「私たちは人と仲良くしたいのではない。私たちは人々をコントロールしたいのだ。世界中の人々に自分たちの意志を押し付けたい。例外はない。それがフルスペクトラム(全面)の意味だ」とリッターは語った。「このようなふるまいをする米国は諸国の友ではない。私たちはあなた方の支配者なのだ。だからそういう姿勢だと、失敗する運命にあると思う」
元米海兵隊員は、この方針が2001年9月11日のテロ攻撃の後、数十年にわたるアフガニスタン{3}とイラクでの戦争につながっただけでなく、米国民の権利に対する違憲な攻撃にもつながったと考えている。
「19人のハイジャック犯が4機の飛行機で国家を崩壊させ、経済を破綻させ、そして基本的に我々の意思決定サイクルに入り込み、彼らの行動に対して、米国の信頼性を破壊するような政策で反応せざるを得ないようにした」とリッターは回想している。「私たちはイラクと9.11を結びつけようとした。しかしそれはできなかった。
イラクが大量破壊兵器を持っているという話をでっち上げたが結局失敗した。私たちは、国際法に違反して戦争に突入した。そしてその争いに敗れた。それは全面支配にとってどうなのだ?」
アフガニスタンでは、米国は「全面支配を実現しようと20年費やしたが、敗北した。何も支配できなかった」と付け加えた。 「そして今、ウクライナで見ているのは、我々の糧となるはずの大規模な地上戦に戻ったとき、我々は支配することができない。ウクライナでは何もできない状態にまで追い込まれている」
それらの 「自業自得の負傷」はしばしその傲慢さの副産物であるとし、「我々が憲法を壊したこと」を引き合いにだして語った。
「全面支配を目指す人たちは、自分たちが何を言っているのか理解しているはずだ。なぜなら全面支配は国際社会に対して行うだけではない」とリッターは警告する。「それは憲法修正第1条の言論の自由の権利や、憲法修正第4条の違法な捜索や押収に対する保護に違反して、アメリカ社会に適用することなのだ」
今週、ドネツクの重要都市アルテモフスク(ウクライナではバクムートと呼ばれる)の中心部にロシア国旗が掲げられた。一方、陽動作戦として、ウクライナの工作員{4}と思われる人物がドンバスの戦場記者ウラデン・タタルスキーをサンクト・ペテルブルクのテロ爆撃で暗殺した。ウクライナ大統領ゼレンスキーは以前、この都市の損失が彼をモスクワと妥協せざるを得なくし、紛争を終わらせることにつながるだろう、と主張していた。
「興味深いのは、ゼレンスキーが最近ポーランドに行ったことだ」と専門家は指摘し、ウクライナの指導者は「ポーランドとの連合を実現するための合意を求めている」と推測している。
「彼はNATOのメンバーにはなれないと知っている。欧州連合(EU)の一員になれないことも知っている。そして、彼は今、バクムートが倒れたこと、この戦争に負けたことを知っている」とリッターは言った。「だから、最後の手段として、ポーランドとの政治同盟を模索している。国境をなくしてひとつにしようと言っている。そうすれば、交渉の席で自分の立場を強化することができる」
しかし、彼は、アメリカ、NATO{5}、EUがそのような策略を支持すると思っていない。「これはNATOがロシア軍と直接接触する可能性のある無責任な紛争の拡大だ。それが第三次世界大戦だ」
「ウクライナはこの戦争に負けている」と識者は述べている。「人々は、春に行われるはずの攻勢について話してきたが、キエフにはもはやそのような作戦に必要な戦力がないため、「それが決して起こらないという認識が広がっている」
「ロシア軍は反撃部隊を壊滅させるだろう」とリッターは予測し、「その後、自軍の大部分はまだ無傷のまま、一方的に壊滅的な反撃を開始する。ロシアはさらに西に移動し、ウクライナは文字通り岩と岩の間に挟まれた状態だ」と述べた。
時事問題の最先端分析については、ラジオショー「The Critical Hour」{6}を見てほしい。
Links:
{1} https://consortiumnews.com/2023/04/04/the-answer-to-full-spectrum-dominance/