No. 1823 アメリカは支配者層エリートによって破壊された

The United States Has Been Destroyed by Its Ruling Elites

by Paul Craig Roberts

ドナルド・トランプに対する捜査が政治的動機によるものであると米国が認めたこと、構造的・思想的論争、米国経済がリセッションに突入する懸念などを背景として、 GEOFOR編集部は経済学博士でレーガン政権で米国財務次官を務めたポール・クレイグ・ロバーツ氏(米国政治経済研究所会長)に、アメリカの未来について見解を伺った。

GEOFOR:ジョン・ダーラム特別検察官は、いわゆる「ロシアゲート」についてドナルド・トランプを「無罪」とし、FBIの捜査は政治的な動機によるものであると報告書に書き記しました。このニュースは民主党のトランプに対する戦いにどのような影響を与えるのでしょう?

ポール・クレイグ・ロバーツ:特別検察官がドナルド・トランプの正当性を証明し、証拠もないのに政治的動機に基づいて捜査を行ったFBIを糾弾したことで、同じく不正なバイデン政権の偽書容疑でのトランプへの捜査や、ニューヨーク州の経費誤計上容疑でのトランプへの訴追は崩壊するはずです。メディアによって喧伝されているトランプに対する捏造容疑のリストは、トランプが再び大統領選に出馬するのを阻止するためのプロパガンダであり、将来大統領候補となりうるすべての人々に、選挙で選ばれたわけではない支配者オリガーキーではなく国民を代表しようとすれば、破滅させられるということを教えるためだというのは長い間明らかでした。

しかし、民主党と彼らに仕えるマスコミは真実に対して全く敬意を払っていません。彼らにとって事実はどうでもよいことなのです。これは、アメリカの大学、法律協会、医学協会、CIA、FBI、NSA、国務省、NIH、CDC、FDAなどの規制機関、大企業、そして共和党の上下院議員の多くも同様で、彼らは真実ではなく、彼らに報酬を与える経済利益に奉仕しています。またプロパガンダによってトランプを憎むように仕向けられた民主党の有権者の割合が高いのも事実です。民主党にとって重要なのは事実ではなく、トランプを捕まえることです。真実はトランプの破壊を防ぐために許されていません。

その結果、米国は回復が不可能な社会の致命的な分裂へと向かっています。トランプは、新保守主義者の戦争よりも平和を好み、貪欲な資本主義のグローバル企業が中国やアジアに送った仕事を取り戻したい、性的倒錯や悪魔崇拝を教え込まれ、差別主義者だと言われる代わりに子供たちに適切な教育を受けさせたいと考える普通のアメリカ人を代表しています。対照的に民主党はますますWokeになり、真実は白人至上主義の抑圧的な道具であり、キリスト教道徳は専制的で小児性愛者やその他の性的倒錯者に対する差別であり、「大統領」バイデン自身が言ったように、白人はアメリカにとって最大の脅威であると考えるようになっています。参照{1}。

下院共和党の公式調査によって、バイデンとその息子の完全な腐敗が明るみに出た今{2}、民主党、危険で腐敗した軍/安全保障複合体、そして共犯のアメリカメディアは必死です。彼らは皆、暴かれて立っています。だから、民主党が不法に投獄した1,000人のトランプとその支持者に対する虐待を謝罪するよりも、彼らは、行政府、米国上院、CIA、FBI、NSA、そして武装化されたIRSなどの連邦機関をまだコントロールしている間に攻撃を仕掛けるでしょう。

それとは別に、腐敗し脅かされた民主党は、米国とロシア、またはイラン、または中国との間に戦争を引き起こすかもしれません。その戦争によって、特にその中にいる超愛国者たちを含むトランプ支持者を、「大統領」に対する「外国の敵」との戦いに結束させることを期待しているでしょう。

GEOFOR: 最近、マイク・ペンス前副大統領が2024年の大統領選でドナルド・トランプと本気で争うつもりであるという報道がありました。彼の可能性をどのように評価し、なぜ彼はそのような行動をとることにしたのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ: マイク・ペンスはドナルド・トランプに勝つ可能性は全くありません。ペンスは支配的なエスタブリッシュメントへの奉仕として出馬しています。ペンスはキリスト教福音派を気取っているのです。福音派はハルマゲドンに反対しません。なぜなら、彼らは自分たちが天に召され、地上にいる人々は火で焼き尽くされると信じているからです。アメリカの支配層であるオリガーキーは、スペンスがキリスト教福音派をトランプ票から引き離し、トランプの勝率を下げて民主党が再び大統領選挙を盗めるようにすることを期待しています。福音派はあまり鋭敏ではないので、民主党はトランプとアメリカ国民を脱線させることに成功するかもしれません。ペンスはもちろん、大統領にはなれないでしょう。

GEOFOR: 移民問題についても聞かずにはいられません。タイトル42の廃止後、メキシコやラテンアメリカからの難民が新たに流入するとアナリストは予測しています。そうした問題は何につながり、来年のホワイトハウスのトップ選挙に影響するのでしょうか。

ポール・クレイグ・ロバーツ: バイデン政権は「ウクライナの国境を守るため」に何十億ドルも使っているのにアメリカの国境を守るためには1銭も使おうとしません。民主党は自分たちに投票するヒスパニック系や黒人系の移民を欲しがっています。なぜなら移民が増えれば白人の多数派人口が薄まり、アメリカの民族的な基盤を破壊するからです。統一された国家の代わりにバベルの塔ができるのです。

民主党がほとんどの州の主要都市を支配し、選挙規則や開票を管理しているため、人々がどのように投票するかは問題ではありません。スターリンが言ったように重要なのは誰が票を数えるか、ということなのです。民主党が数えて共和党に勝利を与えることを期待するのは、大バカ者だけでしょう。

GEOFOR:アメリカの公的債務、インフレ、雇用、そしてアメリカの銀行の新たな破綻の可能性をめぐる情熱は高まるばかりです。予見可能な将来、アメリカ経済はどうなるのでしょうか。結局のところ、アメリカの景気後退は、いずれにせよ全世界に影響を与えることになるのですから・・・。

ポール・クレイグ・ロバーツ:私や他の人々の数十年にわたる最善の努力にもかかわらず、短期的な利益と国民に対する短期的な権力の増大のために米国は支配的エリートによって破壊されてきました。グローバル企業が製造業の仕事を海外に移転したことで、アメリカの中間層とアメリカを「機会の社会」とした上昇の階段が破壊されました。今日かつてのアメリカの製造業都市や工業都市の多くは、爆撃された都市の跡のように見えます。

米国企業が米国人に販売する商品を海外で生産すると、その商品は輸入品として米国に流入します。したがって、自国市場向けに生産をオフショア化することは、貿易赤字を悪化させることになるのです。

貿易赤字は資金調達が必要です。米ドルが全ての国で準備通貨として需要があり、彼らが国際取引の支払いのために使用する限り、それはアメリカにとって問題ありません。また、貿易黒字を持つ国々は自国の通貨余剰を米国の国債に保持することで、アメリカの貿易赤字と予算赤字の両方の資金調達を行っています。信じられないほどの愚かさで、ワシントンは世界の基軸通貨である米ドルの心臓を短剣で突き刺し、結果としてワシントンのお金を刷り増すことによる支払い能力を終わらせました。その短剣とは、バイデン政権によるロシアをはじめとする制裁とロシアの中央銀行預金の差し押さえです。これにより、ドル残高を保有することはその国がワシントンに収奪されたり支配されたりするリスクにさらされることを世界の他の国々がついに確信したのです。

その結果、世界はドルの使用から離れ、代わりに自国通貨または他の通貨で貿易収支を決済するようになりました。したがってドルの需要は減少しているが、米国の貿易赤字と財政赤字のために供給は増加しているのです。

遅かれ早かれ米ドルの為替価値は下がり、中央銀行のコントロールの及ばない高インフレが米国で起こります。

アメリカの生活水準は低下し、アメリカは1900年のインドのようになるでしょう。民主党が黒人や移民たちに対して教えた白人への憎しみは内戦に発展するでしょう。唯一の問題は、白人アメリカ人が自身の罪悪感に洗脳されているために自分たちを守ることができなくなっているかどうかです。

Links:

{1} https://www.paulcraigroberts.org/2023/05/15/us-navy-enlists-drag-queen-for-digital-ambassador-role-to-attract-more-recruits-2/

{2} https://www.paulcraigroberts.org/2023/05/16/bank-records-show-biden-family-received-10-million-in-payments-from-china-foreign-interests-house-oversight/

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