And Then Biden Blew It …
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アンソニー・ブリンケン国務長官が中国で行った会談はいくらか有益だった。帰り際、彼は少なくとも台湾について正しいことを言った{1}:
アメリカのトップ外交官は中国の習近平国家主席と北京で会談後、「我々は台湾独立を支持しない」と述べた。
実際この会談を懇願していたのはアメリカであり、会談が実現したこと自体が小さな成功である{2}:
その関係を安定化させるためには、中国とアメリカはまず下降スパイラルに歯止めをかけなければならない。それが北京で行われたアントニー・ブリンケン米国務長官と中国首脳との会談の成果だったのかもしれない。それ以上のことを期待するのは非現実的である。関係のネガティブなファンダメンタルズは変わっていない。ブリンケンと秦剛外相、王毅トップ外交官との会談について、双方は「遠慮のない」、つまり非常に率直なものだったと評している。しかしそれがブリンケンと習近平国家主席の会談への道を開き、習近平とジョー・バイデンの首脳会談への期待に不都合になることはなかった。
秦がワシントンへの招待を受諾したことは、特に、より安定した関係を築き軍事衝突のリスクを軽減する必要性という共通認識を両者が見出したことが示唆される。
しかしそれからわずか24時間以内に、バイデン大統領はそれを台無しにした{3}:
ジョー・バイデン米大統領はカリフォルニア州で開催された資金集めのイベントで、中国の習近平国家主席を独裁者と呼んだ。
彼の発言は、アントニー・ブリンケン米国務長官が北京で習主席と会談した翌日になされた。
バイデンはまた、中国のスパイとされる気球を米国が撃墜した後、習近平はきまりがわるかったと述べた。
…
「習近平がすごく怒ったのは、米国がスパイ機器を満載した2台のボックスカーの気球を撃墜したとき、彼は気球がそこにあるのを知らなかったからだ」とバイデンは火曜日のイベントで語った。
「独裁者にとってそれは大恥だ。何が起こったのか知らなかったのだから」と付け加えた。
中国政府は面白くなかった:
中国外務省のMao Ning報道官は、バイデンの発言は「ひどくばかげていて無責任だ」と言った。水曜日の定例記者会見でMao報道官は、バイデンの発言は外交儀礼に反する「公然な政治的挑発」であると述べた。
ホワイトハウスのウェブサイトに掲載された、中国に関するバイデン発言全文{4}:
そして状況は変わりつつある。私たちは東南アジアで団結した、そして、ところで、約束しよう、中国のことは心配しなくていい。つまり、中国のことは心配だが、中国のことは心配するな、ということだ。(笑)
いや、でも本当にそう思っている。現実に中国は経済的な問題を抱えている。私がボックスカー2台のスパイ機器を満載した気球を撃ち落としたとき、習近平が非常に憤慨したのは、それがそこにあることを知らなかったからだ。いや、冗談ではない。独裁者にとっては何が起こったのか知らなかったということが大恥なのだ。あの気球はあんなところに行くはずじゃなかった。コースから外れてアラスカを通過し、アメリカを通過した。彼はそのことを知らなかった。撃墜された時、彼は非常に極まりが悪かった。彼はその存在さえ否定したのだ。
しかし、非常に重要なポイントは、彼は今、再び関係を持ちたいという状況にあるということだ。トニー・ブリンケンは向こうへ行ったばかりだ、米国の国務長官の、彼はよい仕事をした。そしてそれには時間がかかる。
しかし、彼が本当に憤慨していたのは、私がクアッド(いわゆる4カ国協議)の再結成を主張したことだった。彼は私に電話してきて、窮地に追い込まれるからやめてくれと言った。私は言った。「我々は君たちを包囲しようとしているのではなく、航空路や海上交通路を確保するための国際ルールを守ろうとしているだけだ。我々はそれに屈するつもりはない」
そこにはいくつかの明確にする必要がある問題がある。
中国には経済的に問題を抱えていない{5}、ただ小さな課題があるだけだ:
現地のエコノミストの調査によると、今年の中国経済は従来の予測を上回るペースで成長し、政府の目標である「5%前後」を上回ると予想されている。
3月に28人のエコノミストを対象に行われた調査によると、平均で、2023年の中国経済の成長率は5.4%となり、12月に予想された4.7%を上回ると予想されている。調査は日本経済新聞社と日経QUICKニュース社が共同で行った。
今年の中国の希望はGDP成長率6%だった。中国の中央銀行はそれを達成するために、主要金利をわずかな幅で引き下げたばかりである{6}。
バイデンは気象観測気球が「コースから外れた」ことを認め、操縦可能だったというこれまでの主張を覆した。中国は気球にカナダとアメリカを横断させる意図はなかった。そしてもし本当に気球に『ボックスカー2台分のスパイ機器』が搭載されていたのなら、なぜアメリカはそれを一切見せなかったのだろうか?
なぜアメリカ大統領または中国が、どこかを飛んでいる気象観測気球のことを知る必要があるのだろうか?
習近平は、米国があの事件をめぐり作ったばか騒ぎで恥をかかされたのだろうか?
習近平は独裁者なのか?習近平は、複雑な代表選挙システムを通じて、実力{7}(スクロールダウン)によってそのポストに就いた。解任することもできる。
習近平は気球の所在を否定したのか?アメリカはどうやってそれを知ったのだろうか?
そして、クワッドをめぐる話が始まる。バイデンは習近平がクワッド会議で彼に電話したと主張しているが、これは明らかな嘘であろう。通常、そのレベルの首脳間の電話会談の読み上げ資料{8}があるが、ホワイトハウスのウェブサイトには該当する数カ月の間に習近平とバイデンが電話会談を行ったというものは見当たらない。また、そのニュースもなかった。
ホワイトハウスのサイトに掲載されて公式のものとなったこのバイデン談話は中国に対する侮辱である。関係を円滑にするためにブリンケンが言ったこと、やったことはもう終わりだ。アメリカが何を言っても信用できないことはすでに知られている。重要なのはアメリカが何をするかであり、今のところ中国に対してポジティブな動きは見せていない。
バイデンが意図的に気球事件について話したのか、中国について言葉を選んだのかはわからない。しかし、たとえそれが多少偶発的だったとしても、何も変わらないだろう。重要なのはその効果だ。バイデンは中国でのブリンケン会談の成果を台無しにしたのであり、当然アメリカは関係を再び悪化させたとして非難されるだろう。
イヴ・スミスはこう要約している{9}:
私は、その会談で、旅客便をゼロコロナ以前のレベルに戻すといった、最低限の約束が実行されるとは思っていない。
最悪なのは、この侮辱がただ単にアメリカに外交能力がないことを示しているのではないということだ。それはアメリカが支配に興味を持つあまり、自分たちの利益が何なのかを見失っていることを示している。つまり制度的に、トランプが個人的に行っているのと同じような自滅的な行動をとっているのだ。おそらく、それこそが民主党がトランプを嫌う本当の理由だろう。金色の装飾にもかかわらず、彼の行動の本質は彼らとそれほど変わらないのだ。
Links:
{2} https://www.scmp.com/comment/opinion/article/3224788/results-blinken-visit-best-world-can-expect-now
{3} https://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-65969802
{5} https://asia.nikkei.com/Economy/China-economists-expect-5.4-GDP-growth-in-2023-survey
{7} https://chinavitae.com/biography/xi_jinping/full
https://www.moonofalabama.org/2023/06/and-then-biden-blew-it-.html