No. 1846 第二次世界大戦についてあなたが知っていることはすべて間違っている理由(Part7 of 8)

Why Everything You Know About World War Two Is Wrong (Part 7 of 8)」

ロン・アンツへのインタビュー

by Mike Whitney

問7:ホロコースト

マイク・ホイットニー:ホロコーストについて、真実は何なのだろうか?あなたはこのテーマについてかなり研究しているようだし、実際に何が起こったのかについて意見を持っているだろう。何人のユダヤ人が殺されたのか、また、どのように殺されたのか、確実に言うことができるだろうか?あなたの意見では、ホロコーストに関する歴史的事実は、強力なユダヤ人組織によって支持されている物語と一致しているのか、それとも大きな矛盾があるのだろうか?

ロン・アンツ:ほとんどのアメリカ人やその他の西洋人にとって、ユダヤ人ホロコーストは20世紀のもっとも重要で記念碑的な出来事の一つであり、おそらく今日、その知名度は第二次世界大戦に起きたどの出来事よりも高いだろう。

「600万人」という象徴的な数字が語られるだけで、すぐに人々は理解し、ここ数十年、欧米の多くの国では、この歴史的出来事に異議を唱えたり過小評価した者には厳しい罰金や実刑を科すことで、この特定の歴史的出来事の地位を法的に保護してきた。

私はアメリカの学校制度で教育を受け、メディアや大衆文化から情報を吸収して人生をおくってきた人間なのでホロコーストについては知っていたが、その詳細をあまり探求することはなかった。過去数十年間にわたるインターネットの成長と共に、時折、その物語に異を唱える人々に出会うことがあったが、世の中にはさまざまな変人や信じがたい主張をする人々がいるので彼らの議論にはあまり注意を払わなかった。

そして8、9年前、リバタリアン運動の旗艦誌である『リーズンマガジン』に関して大きな論争が巻き起こった。1970年代半ば、『リーズン』はアメリカを代表するホロコースト否定論者の記事を積極的に掲載し、宣伝するというかなり衝撃的なことをしていたようである。1990年代、私はリーズンの人々と少し親しくなっていた。彼らはある種のイデオロギー的な問題では独断的なこともあったが、そうでなければむしろ良識的に見えた。なぜ彼らがホロコーストの現実を否定するのか、特に彼らの多くがユダヤ人であったので私は理解できなかった。そこで後で時間ができたときにこの論争をもっと注意深く調べてみることにした。

リーズンマガジンが掲載したホロコースト否定論者の記事のほとんどは、実際には他の歴史的論争を扱ったものだったが、どの記事も非常に堅実でよくできているように思えた。そこで私は、リーズンを攻撃する記事の中で引用されていた、ホロコースト否定派の世界的な第一人者であるデボラ・リップシュタット{1}の著書を読むことにした。リップシュタットの名前は、1990年代後半にイギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングと激しい法廷闘争を繰り広げたことですでに少し知っていた。

リップシュタットの著書を読んでいて、第二次世界大戦中でも、政治やメディアの主流の人々の中には、継続しているホロコーストの現実を信じていた人はほとんどおらず、ユダヤ活動家や連合国政府が広めていた広範な話は、単なる不正直な戦時プロパガンダであり、第一次世界大戦の時のドイツ兵によるベルギーの修道女への暴行やベルギーの子供の食事の話と同様にばかげたものと考えられていたことに非常に驚いた。実際、リップシュタットがメディアが無視したと非難する多くのホロコーストの話は完全にばかげたものであり、たとえばドイツ人が毒物を個別に心臓に注射することで100万人以上のユダヤ人を殺害したなどという話も含まれていた。私はこう書いた{3}:

リップシュタットは彼女の最初の著書を「Beyond Belief(信じがたい出来事)」と題しており、彼女や学界、そしてハリウッドで多くの人々が彼らの生活とキャリアの中心に据えている歴史的な出来事は、間違いなく人類史上最も非常に注目すべき出来事の一つであるということは私たち全員が同意できると思う。実際、それよりも歴史的研究価値があるのはおそらく火星人の侵略だけだったかもしれない。オーソン・ウェルズの有名な「宇宙戦争(War of the Worlds)」というラジオドラマは、1938年に何百万人ものアメリカ人を恐怖に陥れたが実際にはデマであり、現実ではなかったことが判明した。

ホロコーストで死んだ600万人のユダヤ人は、確かにヨーロッパ戦域における戦時犠牲者の非常に大きな部分を占めており、ロンドン大空襲で死んだ全てのイギリス人よりも100倍以上の数であり、戦いで亡くなった全てのアメリカ兵より何十倍も多い数である。さらに、無実の市民に対するこの犯罪の単なる凄惨さは、連合国の戦争遂行における最高の正当性を与えたにちがいない。しかし戦後何年もの間、この点に関して主要な政治家の大半は、非常に奇妙な記憶喪失に陥っていたようだ。

1970年代に著名なホロコースト否定論者となったフランスの学者ロベール・フォーリソンは、アイゼンハワー、チャーチル、ド・ゴールの回顧録について、非常に興味深い見解を述べたことがある:

第二次世界大戦に関する最も有名な著作は、アイゼンハワー将軍の『ヨーロッパにおける十字軍』(1948年)、ウィンストン・チャーチルの『第二次世界大戦』(全6巻、1948年~1954年)、そしてド・ゴール将軍の『戦争覚え書』(全3巻、1954年~1959年)である。これら3つの著作にはナチスのガス室に関する記述が少しも見当たらない。

アイゼンハワーの『ヨーロッパにおける十字軍』は559ページ、チャーチルの『第二次世界大戦』全6巻は4448ページ、ド・ゴールの『戦争覚え書』全3巻は2,054ページである。1948年から1959年にかけて出版された全部で7,061ページ(序章を除く)に及ぶこの大量の著作の中にはナチスに関する記述もナチスの「ガス室」もユダヤ人の「大量虐殺」も、戦争によるユダヤ人犠牲者「600万人」についての言及はないのである。

第二次世界大戦における最も顕著な出来事として、ホロコーストは合理的に考えて最も顕著な出来事の1つである。そのような出来事が無視されていることから、私たちはほぼ必然的にアイゼンハワー、チャーチル、そしてド・ゴールを「暗黙のホロコースト否定論者」とみなすべきだろう。

リップシュタットやルーシー・ダヴィドヴィッツなどの著名なホロコースト研究者の本は、アメリカの主要な歴史家や学者たちを暗黙的または明示的なホロコースト否認者として厳しく非難し、彼らが戦後数年経ってもホロコーストの現実を無視したり異論を唱え続けていると主張している。

さらに注目すべきは、第二次世界大戦後の数年間において、名誉棄損防止同盟(Anti-Defamation League, ADL)のような影響力のあるユダヤ系団体でさえ、最も露骨なホロコースト否定に対して異議を唱えたり批判したりする気がないように見えたことである。私の調査では、特に顕著な例が見つかっている。

  数年前私は、著名な大学教授ジョン・ビーティの『アメリカを覆う鉄のカーテン』{4}というまったく無名の1951年の本に出会った。ビーティは戦時中、軍事情報部に所属し、過去24時間以内に入手した諜報情報をまとめ、アメリカの全政府高官に配布するブリーフィング・レポートを毎日作成する任務に従事していた。これは明らかに重要な責任を伴う役職だった。

熱心な反共主義者であった彼は、アメリカのユダヤ系住民の多くが破壊活動に深く関与しており、伝統的なアメリカの自由に対する深刻な脅威であると考えていた。特に、出版業やメディアにおけるユダヤ人の強固な支配が、異なる意見がアメリカの民衆に届くことをますます困難にしていた。彼は、この検閲の体制を彼の書名「鉄のカーテン」として表した。彼は、ヒトラーのドイツとの完全に不必要な戦争に対して、ユダヤの利益を非難した。ドイツは長い間、アメリカとの良好な関係を求めていたが、ヨーロッパのユダヤ系共産主義の脅威に強く対抗したため完全に破壊されたのである。

ビーティはまた、何百万人ものイスラム教徒やアラブ人の好意を犠牲にしかねないイスラエルの新国家に対するアメリカの支持を厳しく非難した。非常に些細な余談だが、彼はイスラエル人がヒトラーが600万人のユダヤ人を殺したと主張し続けていることも批判した。この非常にありえない告発は、現実には何の根拠もなく、ユダヤ人と共産主義者によってでっち上げられた詐欺にすぎず、戦後のドイツとの関係を悪化させ、長く苦しんでいるドイツ国民からユダヤ国家のための資金を引き出すことを目的としているように思われた。

さらに彼は、ニュルンベルク裁判をアメリカの「消えない大きな汚点」、「正義の茶番」と酷評した。彼によれば、裁判は復讐心に燃えるドイツ系ユダヤ人によって支配され、その多くは証言の改ざんを行い、犯罪歴さえあったという。その結果、これはドイツ人に「我々の政府には正義感がない」ことを教えただけだった。戦後すぐの共和党指導者ロバート・タフト上院議員もよく似た立場をとり、後に『勇気ある行動』でジョン・F・ケネディから賞賛された。ニュルンベルク裁判におけるソ連首席検察官が、1930年代末のスターリン主義のショーア裁判で同様の役割を果たしていた事実は、多くの外部の観察者にとってその手続きの信頼性をあまり高めなかったと言える。そのショーア裁判では、数多くの古いボリシェヴィキがさまざまなばかげたことを自白したことで知られている。

 今と同じく当時もこのような物議を醸すような立場の本がニューヨークの主流出版社で出版される見込みはほとんどなかったが、この本はすぐにダラスの小さな出版社から発売され、その後数年間で17刷を重ねる大成功を収めた。『The American Conservative』の創刊編集者であるスコット・マコーネルによれば、ビーティの本は1950年代、ラッセル・カークの代表的な古典『The Conservative Mind』に次いで、保守派のテキストとして2番目に人気があったという。

さらに、ADLを含むユダヤ系団体はこの本に対して厳しく非難したが、特に非公開のロビー活動では、これらの取り組みが反発を招き、現役および退役の多くのアメリカのトップ将軍がビーティの著書を全面的に支持し、ADLの検閲活動を非難し、全てのアメリカ人にこの書を読むよう促した。ビーティの極めて明確なホロコースト否定は現代人の感性には衝撃かもしれないが当時はほとんど波紋を広げず、声の大きなユダヤ人批評家たちにさえほとんど無視したようである。

ビーティの大ベストセラーは、ユダヤ人やリベラル派から多大な注目と批判を集めた。彼らは他のあらゆる問題については精力的に彼を攻撃したが、彼がホロコーストは戦時中の悪名高いプロパガンダのデマにすぎず、いまだに信じている者はほとんどいないと断じたときには誰も異議を唱えなかった。さらに、第二次世界大戦時の軍のトップ司令官たちの長いリストが、ビーティの著書の主張を強く支持していた。

ホロコーストに関する現代の理解は、そのほとんどすべてを歴史家ラウル・ヒルベルクの1961年の画期的な著書に遡ることができる{5}。彼は戦争が始まった頃、ユダヤ人の難民である彼の家族と共にアメリカに到着したが、ユダヤ系の活動家たちが主張するように、アメリカのメディアがヨーロッパのユダヤ人の絶滅を無視していることに憤慨した。数年後、彼は大学に進学したが、同じドイツ系ユダヤ人の難民である彼の歴史教授がホロコーストの現実を受け入れていないように思えたため、ヒルベルクは博士課程の研究の中心テーマとしてその問題に取り組むことを決めた。

皮肉なことに、主要なユダヤ人の学者たちは彼に学術的なキャリアを損なう可能性があるとして、そのテーマを避けるよう彼に促した。そして何年もの間、主要な出版社は彼の本を繰り返し拒否した。しかし彼がついに本を出版すると、それはユダヤ系活動家の間で非常に人気がでた。次の10年から20年の間に、それは数多くのホロコーストの回顧録を含む文学を生み出したが、その中でいくつかの有名なものは詐欺であることが判明している。ユダヤ人が多く関与するハリウッドはすぐにホロコーストをテーマにした映画やテレビ番組を無限に制作し始め、結果としてホロコーストが20世紀の中心的な出来事として祭り上げられた。そして、歴史家や他の研究者がこれらの主張された事実に異議を唱えると、ユダヤ系の活動家グループは精力的にホロコースト否定を禁じる法律をヨーロッパや他の地域で成立させ、そのような異論を唱える者を排除したり、暴力を振るったりもした。

このような弾圧にもかかわらず、数十年にわたって、公式に確立されたホロコーストの、大部分はハリウッドが作り上げたと思われる物語に対して非常に疑念を抱かせる大量の学術文献が生み出されてきた。実際、電気工学の教授であるアーサー・R・バッツという政治的に中立なように見える学者が、おそらく半世紀以上前に最初の包括的な分析を行い、同じ年にリーズンマガジンの関心を引くきっかけを作ったと考えられている。そして、数年前アマゾンは販売を禁止したが、バッツの著作は今でも基本的な真相の非常に効果的な要約として残っている。

https://www.unz.com/book/arthur_r_butz__the-hoax-of-the-twentieth-century/

この本と、争点となっている問題の両側について書かれた他の十冊近くの本を読んだ後、私は次のような評決で長い記事を締めくくった{6}:

私が得た結論は明らかに仮のものであり、他の人々がこれにどのような重みを置くべきかは、私の厳密に素人の立場を反映する必要がある。しかし、この論争の的となるトピックを探求する外部の視点から考えると、標準的なホロコーストの物語が少なくとも大幅に間違っている可能性が高く、おそらくほぼ完全に誤っているとさえ思われる。

このような状況にもかかわらず、この数十年間、ホロコーストを支持する強力なメディアの焦点はホロコーストを西洋文化の中心的地位に押し上げた。第二次世界大戦という広範な出来事に比べて、ホロコーストは一般の人々の意識の中でより重要な位置を占めており、そのためにより現実的に感じられているということに私はおどろかないだろう。

しかし、共有されている信念の中には、幅は1マイル(約1.6km)あっても深さは1インチ(約2.54cm)しかないものもあり、あるテーマを実際に調査したことのない個人の何気ない思い込みは、急速に変化する可能性がある。また、長い間、厳しい社会的・経済的制裁、しばしば刑事罰によって維持されてきた教義の一般的な強さは想像以上にずっと弱いかもしれない。

30年前まで、ソ連とワルシャワ条約機構の同盟国に対する共産主義支配は永久に揺るぎないものに思えた。しかしその信念の根は完全に腐り落ち、後には空虚な面影しか残されていなかった。そしてある日突風が吹き荒れ、巨大な構造物全体が崩壊した。現在のホロコースト物語がいずれ同じ運命をたどるとしても私は驚かないだろう。それは、ホロコーストの物語を維持してきた人々にとっては不幸な結果をもたらすかもしれない。

https://www.unz.com/runz/american-pravda-holocaust-denial/

https://www.unz.com/runz/american-pravda-secrets-of-military-intelligence/

Links:

{1} https://en.wikipedia.org/wiki/Deborah_Lipstadt

{2} https://en.wikipedia.org/wiki/Irving_v_Penguin_Books_Ltd

{3} https://www.unz.com/runz/american-pravda-holocaust-denial/#explicit-and-implicit-holocaust-denial-after-world-war-ii

{4} https://www.amazon.com/dp/1365459780/

{5} https://en.wikipedia.org/wiki/Raul_Hilberg

{6} https://www.unz.com/runz/american-pravda-holocaust-denial/#the-future-of-holocaust-denial

https://www.unz.com/runz/why-everything-you-know-about-world-war-ii-is-wrong/