No. 1861 ロシアからの報道が明らかにしたこと …ワグネルの反乱はなかった

Reports from Russia Make Clear …
… There Was No Wagner Mutiny

by Paul Craig Roberts

ロシアからの報道で、「プリゴジンの反乱」とされる事件の真相が明らかになった。ロシア軍上層部はプリゴジンに対し、彼の自主的なワグネル・グループは7月1日付でロシア軍に編入され、指揮系統に従うことになると伝えた。プリゴジンと彼の指揮官たちはこれを拒否し、ロシア陸軍の部隊に比べてワグネル・グループが成功したことを妬んだ行為と見なした。「モスクワへの行進」とされるものは、プーチンの注意を引くための抗議であって、プーチンや政府を転覆させようという試みではなかったのだ。

6月29日、プーチンはプリゴジンとその指揮官たちと数時間にわたって会談し、そこでワグネル指揮官たちは自分たちの言い分を述べ、母国ロシアへのコミットメントを表明した。ワグネル・グループの戦闘での有効性を目の当たりにしたプーチンは、ワグネル・グループをウクライナの最前線にとどめたいと考えていた。ベラルーシのルカシェンコ大統領もこの部隊を欲しがり、彼らをベラルーシに招いた。

プリゴジンと彼の指揮官たちは、ロシアの指揮系統に組み込まれることに同意した。プーチンが、より有能なロシア軍参謀と、紛争を勝利に導くためのより断固とした努力を求めるプリゴジンの要求/要請に応えたかどうかについては情報がない。

明らかに、プリゴジンに対して何も行われていない。彼はワグネル・グループとは別の億万長者のロシア人実業家だが、彼のビジネスに対しても何も動きはない。

さて、これらの事実と、アメリカやイギリスのメディア、政治家、そして「ロシアの専門家」とされる人々の驚くほど愚かな説明を比べてみよう。「プリゴジンがモスクワに進軍」、「プーチンの最期」、「反乱で傷ついたプーチン」、「弱体化したプーチンは打倒される」等々の見出しを覚えているだろうか?

プーチンを打倒するための軍の反乱であるはずがないことは、少し知性のある人なら誰でもわかることだった。軍幹部もメディアも、そしてプーチンの側近も、プーチンがルカシェンコやプリゴジンと話す前にそれは反乱だと言った。

メディアが事実ではなくイデオロギー的な願望や公式のナラティブをニュースとして報道する限り、私たちは虚構の中で生きることになる。

Reports from Russia Make Clear There Was No “Wagner Mutiny”