No. 1897 米国はどのように崩壊しているのか

How the US is disintegrating

崩壊する帝国は、壊され、分断され、困窮している

by Thomas Oysmuller  https://www.easternangle.com (August 17 2023)

また橋が落ちた: AP通信は、「マイアミのフロリダ国際大学の真新しい歩道橋が高速道路に崩落した」と報じた。(写真:ペドロ・ポータル、AP)

ソビエト連邦の敗北と崩壊以来、米国は自由に地球を支配してきた。したがってここ数十年は米国の覇権の頂点と見ることもできるが、ワシントンの影響力はそれ以前からも絶大だった。それにもかかわらず、帝国は崩壊しようとしており、世界はリアルタイムでそれを見ることができる。

米国は巨大な制度的問題を抱えており、執拗なメディア・プロパガンダはそれを隠蔽しようとしている。インドの地政学ジャーナリスト、S・L・カンタン{1}は、警告的な感じでその崩壊を要約した。

  1. 崩壊するインフラと衰退する都市

橋、ダム、鉄道、高速道路、地下鉄。米国の重要なインフラの多くは何十年も前に作られたものであり、崩壊している。かつてはインディアナ州ゲーリーのように栄えていた全米の何千もの都市が憂鬱なゴーストタウンと化しているのだ。仕事もない、人もいない、病院もない、学校もない、時には食料品店さえない-これが米国中部の多くの都市の現実である。

  1. ホームレスと麻薬中毒、そして絶望の死

米国民の半数、1億5千万人以上が低賃金労働と貧困に陥っている。貯蓄が1,000ドル以上ある者は皆無である。現在米国でおきているインフレの結果は明らかだ。ホームレスの数は2023年に記録的な水準に達し、麻薬中毒者の数は20年間増え続けている。

1978年には国民の富の約7%を上位0.1%が所有していた。データが入手可能な直近の年である2019年には、およそ20%を所有している。0.1%の強力な代弁者であるPoliticoは、低賃金は労働者にとって良いことだと考えている。一方で、超富裕層の収入と財産は拡大している。ジェフ・ベゾスとイーロン・マスクという米国で最も富裕な2人は、今や下位40%の米国人を合わせたより多くの富を持っている。

薬物による死者も着実に増加しており、その割合は主にコロナ政策で上昇し、その後も回復していない。

毎年10万人以上の米国人が薬物の過剰摂取で亡くなっている。ベトナム戦争全体で亡くなった米兵は6万人であった。社会学者はすでに、自殺や過剰摂取の割合の高さを「絶望による死」という独自の言葉で表現している{2}。

この社会状況は、下層階級の不満を叫んだ「リッチモンドの北のリッチメン」{3}という歌が、特に米国で大流行している理由も説明できるだろう。アメリカでは膨大な数の人々が強い絶望感を抱いているのだ。

3.家族と個人の崩壊

結婚や家族、さらには教会や協会といった伝統的で基本的な社会的ネットワークが解体された。これは早くも1950年代から始まっており、例えばここでも報告されている{4}。

カンタンは、クィア(性的少数者)活動による「子どもたちへのグロテスクな操作」は、「悲惨な未来の世代の予兆に過ぎない」と言う。まったく根無し草で、方向を見失い、孤独な社会が発展しつつある。

ツイッターで動画を見る{5}。

彼はまた、「エリートが米国人に解き放った社会工学」のために米国が「精神を病んだ」社会になった理由だと説明する。米国は抗うつ薬や向精神薬の消費量が圧倒的に多い。米国と同レベルなのはアイスランドだけである。

  1. 失業、健康、識字率、犯罪

カンタンは続けてこう書いている:

 政府の統計は無視するように。これが真実だ:

     失業して職を探している現役世代の米国人男性1人に対して、失業しているが職を探していない現役世代の米国人男性が4人いる!

     大恐慌以来最悪の統計だ!

さらに、米国は悲惨な流行病ともいえる状態に苦しんでいる。人口の75%(!)が深刻な体重問題を抱える、肥満(43%)と過体重(32%)である。肥満のうち10%は「病的肥満」である。

慢性疾患の罹患率は天文学的である。国民の多くがビッグファーマ(大手製薬会社)に依存している。

米国では暴力も爆発的に増加している。暴徒行為だけではない。

「ソーシャルメディアには、米国人同士が残忍に殴り合っている動画があふれており、学校、大学、ショッピングモール、レストラン、電車、さらには空港など、安全なはずの場所で行われることも多い」とカンタンは書いている。

  1. 借金の山

借金の山。ドル印刷機はフル回転しており、毎年1兆ドルを支払うことになっている。しかし、その印刷機はガタガタ音を立てている。脱ドル化がシステムを揺るがしているのだ。

  1. 嘘と非論理的なプロパガンダ

カンタン:

ある日、米国人は中国が崩壊すると喜びの声を上げている。その次の日には中国が世界を支配するとわめいている。

    毎日が嘘の日で、連続で非合理的だ。

    批判的思考はない。哲学的、精神的な考えもない。あるのは粗野なプロパガンダと憎悪、戦争の挑発だけだ。

    この国が深く二極化するのも無理はない。内戦が起きる可能性はあるだろうか?可能性はあるが、起きないだろう。ディープ・ステートはトランプのような人物を逮捕し、大衆を恫喝して服従させるだけだろう。

 Links:

{1} https://twitter.com/Kanthan2030

{2} https://www.philomag.de/artikel/tod-aus-verzweiflung

{3} https://www.youtube.com/watch?v=sqSA-SY5Hro

{4} https://tkp.at/2022/08/01/wie-lgbt-als-teil-des-great-reset-in-den-1950er-jahren-in-den-usa-geplant-wurde/

{5} https://twitter.com/i/status/1691421667099340800

Thomas Oysmuller:ウィーン在住。哲学と社会科学を専攻。ジャーナリストとして4年、フリーランス・ジャーナリストとして2022年より活動。主に地政学的な変化、上からの政治的なはったり、デジタル監視資本主義への世界的なシフトなどを中心に記事を書いている。

How the U.S. is disintegrating: The crumbling empire is being destroyed, fragmented, and destitute.