No. 1906 NATO諸国のロボットvs. 多極化の天馬

NATOstan Robots Versus the  Heavenly Horses of Multipolarity

by Pepe Escobar

先週南アフリカでBRICS11が披露されたことにより解き放たれたゲームチェンジのベクトルをすべて分析するには、十分な時間と内省が必要だろう。

しかし時間は誰も待ってはくれない。帝国は全力で反撃に出るだろう。事実、そのマルチ・ハイブリッド戦争の触手はすでに発揮されている。

ここ{1}とここ{2}で私はBRICS 11の誕生に関する2つの歴史草稿を試みた。基本的にロシアと中国の戦略的パートナーシップが(巨大な)ステップごとに達成していることは多方面にわたる。

* BRICSを非外交的な米国に対抗する同盟に拡大すること。

* 制裁認知症への対抗。

* SWIFTに代わる選択肢の促進。

* 自主性、自立性、主権の促進。

* そして近い将来、帝国BRICS11(その数はさらに増える)と上海協力機構(SCO)を統合して帝国の軍事的脅威に対抗する。これは「グローバル・グローブ」という貴重な新語を発明したルカシェンコ大統領がすでに言及している。

これとは対照的にマイケル・ハドソン教授は、米国とEUの「世界から孤立するという戦略的誤りは非常に大きく、その影響は世界大戦に匹敵する」ことを常に示してきた。

したがって、ウクライナにおける代理戦争は、対ロシアだけでなく対ヨーロッパも含めて、「第三次世界大戦と考えることができる」とハドソン教授は主張している。

いくつかの点で、ハドソン教授は、私たちは次のような状況に置かれていると指摘する。

第二次世界大戦の結果、アメリカは自国の利益のために国際的な経済・政治組織を設立した。アメリカの金融支配を押し付け、世界経済をドル化するためにIMFを、米国の食品と製造品への貿易依存を生み出すためのインフラストラクチャーの費用のために各国政府に資金を貸し付けるために世界銀行を設立した。またプランテーション農業を奨励し、米国/NATOに石油、鉱業、天然資源を支配させ、アメリカの統制下に国連機関を置き、国連が創設または加盟するすべての国際組織においてアメリカは拒否権を持つ。

「グローバル・グローブ」のグローバル・サウス、あるいはグローバル・マジョリティの真の解放となると、それはまったく別のゲームになる。ちょうどモスクワが7月下旬にロシア・アフリカ首脳会議を主催し、その後習近平が先週ヨハネスブルグで是認が新しい非同盟運動(NAM)の一員である数十人のアフリカのリーダーたちと1日を過ごした。G77(実際には134カ国)はキューバ人のディアス=カネル大統領が議長を務めている。

それが実際のロシアと中国の二重螺旋効果なのだ。「グローバル・グローブ」の大部分に対して、安全保障とハイテク・インフラ(ロシア)を、そして金融、製造品輸出、道路・鉄道インフラ(中国)を提供している。

この文脈では、BRICS通貨は必要ない。ハドソン教授は次のようなプーチン大統領の言葉を引用している{3}。

「必要なのは貿易と投資の不均衡を抑えるために、中央銀行が国際収支を “決済する手段 “である。それはBRICSの金を裏付けとする超国家通貨とは何の関係もない」

さらに、決済において米ドルを捨てる国がますます増えるだろうから、新たな基軸通貨は必要ないだろう。

プーチンは「一時的な」会計単位について言及し、それはBRICS11間の貿易が自国通貨建てで拡大するのは避けられないためである。これらはすべて、主要な石油、ガス、鉱物、農業、一次産品生産者の圧倒的な連携がますます強まっていく中で展開されるだろう。欧米の支配を徐々に忘却のかなたへ押しやっていく、新たなグローバル秩序を支持する本当の経済なのである。

これは覇権を安楽死させる穏やかな方法と呼ぼう。

「中国を悪者にする」シナリオ

これらすべてを、CIAの広報機関であるワシントンポストにノルウェー人のNATO事務総長が語ったことと比較してみてほしい。彼は瞬間的に率直に、ウクライナ戦争は「2022年に始まったのではない。戦争は2014年に始まった」と語ったのである。

つまり帝国が属国と指定した人物が、明白にマイダンから始まったと認めており、それはヴィクトリア・ヌーランドが監督したアメリカが仕組んだクーデターである。これは特別軍事作戦(SMO)をNATOが侵略と主張することは法的な観点からはまったくのインチキであることを意味する。

傲慢と無知が混在する大西洋主義の愚か者のスピンドクターと金で雇われたプロパガンダの “専門家 “たちは、ロシアを悪者にするためなら何でもできると信じていることがこれで明らかになった。「中国を悪者にする」という彼らの新しいシナリオも同様である。

私が交流させてもらっている中国の学者たちは、中華(壮大な中央文明)と対峙することになれば、帝国のポップなナラティブや予測プログラムはまったく役に立たないと、いつもおもしろがって指摘する。

なぜならそれは、彼らの一人が言うように、中国には「明晰な頭脳と目的を持った、執拗な貴族的寡頭政治が中国国家の舵取りをしている」からであり、とりわけ、すべての人々のための公共の安全と衛生を保証する力のツールを使用し、洗脳ではなく有用な情報とスキルの学習に焦点を当てた教育を受け、管理された通貨制度、物理的資産と実際の製造能力、一流の外交、サプライチェーン、技術科学、経済、文化、商業、地政学、金融ネットワーク、一流の物理的インフラを備えているからである。

それなのに、少なくとも1990年以来、西側の主流メディアは中国の経済崩壊、つまり「ハードランディング」が差し迫っていると主張し続けている。

ばかげている。別の中国人学者が言うように、「中国の戦略は、眠れる犬は眠らせ、嘘つきの機械には嘘をつかせることだ。その間に、彼らが眠っている間に中国が彼らを追い越し、帝国を崩壊させる」

毒、ウイルス、マイクロチップ

そして、私たちは「新たなグレート・ゲーム」に戻ってくる。NATO諸国対多極化した世界である。生々しい現実が示す証拠がどうであれ、特にヨーロッパ地域でNATO諸国は実際にロシア・中国との戦争に勝つと信じている。

グローバル・サウス/グローバル・マジョリティ/「グローバル・グローブ」については、彼らは敵であり、そのためそれらの国の主に貧しい人々は、飢饉や実験的な注射、新しく改良されたウイルス、ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)のようなマイクロチップの埋め込み、そしてやがてNATOのようなグローバル・ロボコップ「安全保障」部隊によって毒殺されるべきだとされている。

BRICS11の到来は、すでに致命的な毒物、新種のウイルス、サイボーグという新たな帝国の波を解き放している。

帝国のマスター(米国)は、日本の水産業を「救う」よう命令を発した。中国に対する米国の半導体戦争で、東京が狂犬のように振る舞い、先日のキャンプ・デービッド・サミットで属国の韓国と並んで忠実に同盟を誓った見返りとしてのささやかな贈り物だ。

これと同期して、EUの属国は福島原発の汚染水が海に放出される直前に日本からの食品輸入規制を解除した。これはEUが自らの墓穴を掘り続ける別の事例であり、日本は台風10号のような逆風に見舞われることになるだろう。

太平洋を通じて放射能が世界中に拡散することで、世界中で終わりのないがん患者を生み出し、同時に観光業に大きく依存しているいくつかの小さな島国の経済を破壊するだろう。

これと並行して、EAEUの一部であるユーラシア経済委員会のマクロ経済担当大臣セルゲイ・グラジエフは、新たなトランスヒューマニズムのフロンティアについて警告している人の一人である。それは科学的なジャーナルでかなり詳しく書かれているナノテクノロジー注射についてである。

スティーブ・ホッツェ博士の言葉を引用しながら、グラジエフはテレグラムへの投稿の中で、米国国防高等研究計画局(DARPA)が人体に「酸化グラフェンとハイドロゲルの形をしたナノボットを注入している」とし、それによりナノボットと脳細胞との間にインターフェースが作られ、私たちは「信号の受容体、受信機、送信機となる。脳は外部からの信号を受信し、遠隔操作が可能になる」と説明した。

グラジエフはまた、WHOがギリシャ神話の不和と怨恨の女神、夜の女神ニュクタの娘にちなんで命名した新型コロナの新種「エリス」を宣伝していることにも言及している。

ギリシャ神話に詳しい人なら、エリスがペレウスとテティスの結婚式に招待されなかったことに腹を立てたことを知っているだろう。彼女の復讐は、ヘスペリデスの庭から金のりんごを祝宴に植え、それに「最も美しい」と刻んだことだった。それが伝説の「不和のリンゴ」で、ヘラ、アテナ、アフロディーテの間で大きな争いを引き起こした。そしてそれはやがてトロイ戦争へとつながっていった。

黒いカーテンの白い部屋で

ショーを仕切っているエリートたちが、戦争の前兆となる名前を新しいウイルスにつけることは予想できることだ。結局のところ次の戦争がどうしても必要なのである。なぜならウクライナプロジェクトが戦略的大失敗に終わり、NATOの宇宙的な屈辱がすぐそこに迫っているからだ。

米国が農民ゲリラ軍に敗れたベトナム戦争中、サイゴンの司令部で毎日行われたブリーフィングは、室温以上のIQを持つジャーナリストたちによって「サイゴンの愚行」と揶揄された。

ウクライナの代理戦争におけるホワイトハウス、国務省、国防総省、NATO司令部、ブリュッセルのカフカのような機構、その他の西側周辺が行っている日々の愚行はサイゴンとは比較にならない。違いは、今日「ジャーナリスト」を装っている人々が、これらが「愚行」であることを認識する能力がないことであり、たとえ認知していたとしても、それを報道することは許可されないことだ。

したがって現在の西側社会は「白い部屋」にいる状況で、クリームの1968年の傑作{4}に描かれたプラトンの洞窟を模したウィリアム・ブレイクの一部から着想を得て、青白い「銀の馬」と疲れ果てた「黄色い虎」を呼び出している。

西側諸国は全員、黒いカーテンのある駅の部屋で待っている。そして列車はない。彼らは「孤独な群衆と一緒にこの場所で眠り」、「影が自分自身から逃げていく暗闇に横たわる」だろう。

寒い外では、遠くのほうで、陽光の下、動く影から離れ、絹と鉄でできた道路を渡って、多極世界の天馬はネットワークからネットワークへ、一帯一路からユーラシア、アフロ・ユーラシア・ブリッジへ、直感から統合へ、解放から主権へと颯爽と駆け抜けていく。

Links:

{1} https://strategic-culture.su/news/2023/08/29/natostan-robots-versus-the-heavenly-horses-of-multipolarity/Here%20

{2} https://sputnikglobe.com/20230825/pepe-escobar-brics-11—strategic-tour-de-force-1112882830.html

{3} https://globalsouth.co/2023/08/25/pepe-escobar-and-michael-hudson-brics-plus-six-ukraine-multipolar-world-economy/

{4} https://www.youtube.com/watch?v=VR90gQ-SIaY

NATOstan Robots Versus the Heavenly Horses of Multipolarity