Is Putin in Cahoots with the Globalists?
ライリー・ワガマン(モスクワ在住の米国人ジャーナリスト)へのインタビュー
by Mike Whitney
質問1:世界の多くの地域で、ウラジーミル・プーチンは率直に国家主権を擁護していることで賞賛されている。しかしロシア国内ではプーチンの政策の多くは西側のグローバリストの政策と一致しているように見える。あなたがSubstackの最近の投稿で指摘しているように、プーチンは「『デジタル』国内パスポートの作成に関する法令に署名」したばかりであり、多くの人々はこれが技術主義的専制政治への道を開くと考えている。私はデジタルIDのリスクを誇張しているのだろうか、それともこの開発は個人の自由にとって深刻な脅威となるのだろうか?

ロシアで実施されているデジタル・パスポート・システムも同じように懐疑的になるに値する。
まず、いくつかの背景を説明しよう。ロシアには基本的に国民IDとして機能する「国内パスポート」があり、これを使って銀行口座の開設、現地の役人とやりとり等々をする。普通の日常生活を送るために必要な重要書類なのだ。
デジタル・パスポートはスマートフォンから(国家サービスポータルのGosuslugi経由で)アクセスできる国内パスポートの電子コピーとされている。政府はデジタル・パスポートがどのような状況/場面で有効な身分証明書として認められるかをまだ決定していない。
このデジタル文書の支持者は紙の身分証明書よりも便利だと言っているが、おそらくその通りだろう。もちろん問題は、現代の便利さはさまざまな不都合につながる可能性があり、時間が経てばこうした不都合なことが「普通」になる可能性さえあるということだ。
このIDが国家サービス・ポータル(Gosuslugi)にリンクされるという事実は確かに懸念材料であり、デジタル・パスポートがロシア政府、あるいはどの政府によってどのように利用(悪用)されるかは容易に想像できる。すべては利便性の名の下に行われるのだ。
もちろん当局はデジタルIDが義務化されることはないと約束している。そういえばロシア政府が新型コロナの予防接種は100%任意であると約束したことも私は覚えている…
質問2:ロシアは「デジタル・ルーブル」を創設し、中央銀行デジタル通貨(CBDC)への移行を先導しているように見える。このような計画にはどのような落とし穴があると考えるか?
ライリー・ワガマン:全面的なデジタル収容所を押し付ける可能性を除けば、デジタル・ルーブルには明らかなメリットはない。もちろんすべてのCBDCについて同じことが言えるだろう。
デジタル・ルーブルは西側の制裁を回避するために非常に必要で、慎重で、素晴らしい方法だと主張する人もいる。これは真実ではない。ロシア銀行にはSWIFTとは独立して機能する金融メッセージング・システム(SPFS)がある。以下はRT.comの見出しである:
2017年3月 “ロシアの銀行システムはSWIFTの代替手段を準備している”
2018年2月 “ロシアの銀行はSWIFTを停止する準備ができている – 公式”
2019年10月 ロシア、中国、インドがSWIFTに代わる決済システムを立ち上げ、30億人をつなぐ”
これらの記事はすべてSPFSに関するもので、ロシア中銀が2020年10月にデジタル・ルーブルを開発する意向を表明するずっと前に発表されたものだ。
CBDCの危険性を理解していると主張する多くの欧米人が、なぜデジタル・ルーブルをなにか「違う」ものだと考えるのか、私は困惑している。ロシア中銀のCBDCはオルタナティヴ/保守的なメディア空間において、ロシアで最も著名なコメンテーターたちからほぼ満場一致で非難されている。ツァルグラードのような主流メディアでさえ、デジタル・ルーブルを酷評している。
一方、英語の「オルタナティヴ・メディア」では、シンプリシウスのような深遠な思索家たちがロシア銀行がいかに素晴らしく反グローバリズム的であるか、なぜデジタル・ルーブルが超ヒップでクールであるかという記事を書く。
なぜ英語の論評(実際にはロシア語以外の論評すべて)が、ロシアに住む愛国心の強いロシア人がロシア語で自国について言っていることと、これほどかけ離れているのか私には理解できないのである。
ところでロシア中央銀行はデジタル・ルーブルを特定の品物の購入にしか使えないように「色付け」することは絶対にないという約束をすでに反故にしている。中央銀行の副議長は最近、デジタル・ルーブルの使用方法に制限を設けることは現実的な可能性であり、将来的には検討されるだろうと述べた。デジタル・ルーブルはまだ流通していないが、ロシア中央銀行はすでに、ダボス会議、IMF、G20、その他諸々によって承認されたこの楽しくて新しい総合的な管理ツールが人間の基本的な尊厳を抑制するためにどのように使われるかを「探求」することに前向きなのだ。
質問3:ロシアは予防接種の義務化に近づいているのか?
注:以下はあなたの最近の投稿からの引用である:
ロシア保健省は国家予防接種カレンダーを改正し、「疫学的」状況により強制的な予防接種が必要だと慈悲深い保健当局が判断した場合には、「脆弱な市民カテゴリー」に対してコロナワクチン接種を義務化したいと考えている。
もちろん、ワクチン接種を義務付ける新たな政令は、教師、医師、軍人などの国家公務員にも適用される。 – エドワード・スラブスクワット、Substack
ライリー・ワガマン:もしロシアの進取の気性に富んだ保健省(公衆衛生を守るためにたゆまぬ努力を続けている)が、「コロナ」が容認できない速度で「蔓延」していると判断すれば、さまざまなカテゴリーの市民はワクチンを接種するか職を失うかの選択を迫られることになる。もちろん、これは依然として任意のワクチン接種だ。なぜならロシア人は、雇用されるかまたはアストラゼネカとの協力で開発された未検証の遺伝子溶液を自ら注入するかどうかを選択できるからだ。
オージー・コサックのような非常に知的な知識人の中には、ロシアにコロナワクチン接種が義務づけられたことはなかったというふりをし続ける人がたくさんいる。2023年1月の時点でワクチンを拒否したために働くことを禁じられているロシア人がまだ何百人もいることを考えると、これは非常に勇気のいることだ。
ガマレヤ・センター(ロシアの医療研究機関)はコロナワクチンの “更新 “を続けており、ロシア政府は危険でほとんど検査されていないこのゴミを子供たちに売り込み続けている。コロナワクチンの接種が、毎年のインフルエンザの予防接種(これも毎年ロシアの子供たちの小さな腕に打たれている;私は幼稚園の看護師が私の6歳の息子に注射させないようにする書類に署名しなければならなかったので知っている)のように、どこにでもある「普通の」ものになるかどうかは未解決の問題である。しかしロシア政府がコロナワクチン接種を純粋な任意接種にとどめたいと考えていると信じるのは軽率である。ロシアの保健官僚は、ビッグファーマ/WHOの詐欺を摘発することに関しては非常に実績が乏しい。ロシアで就労ビザを取得するためにはHIV検査(1980年代の旧式のファウチ詐欺)を受けなければならないことをご存知だろうか?まあ、今知っただろう。
質問4:プーチン大統領がダボス会議と彼らのグローバリズムのアジェンダに反対していると考えている多くの読者を驚かせる、あなたの最近の投稿からの抜粋である:
グローバリズムを打ち負かすために、モスクワは不本意ながら責任を持ってグローバリストのアジェンダを採用している…
ダボス会議、G20、IMF、世界銀行、国連、WHOが推進する技術の「進歩」を止める方法はない。だからこそモスクワは集団的西側諸国とのグローバリズムの対等性を維持するために、これらすべてのグローバリスト組織と緊密に協力しなければならない。 そうでなければ、ロシアはグローバリストから身を守ることができないのだ。
さらに、別の記事から:
モスクワが署名する共同宣言(G20宣言であれ、BRICS宣言であれ、北京の助けを借りて作成された単なる言葉の寄せ集めであれ)のほとんどすべてに、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)の重要な役割を称賛する一節が含まれている。これは関連情報のように思える。
ロシア政府はWHO、WTO、IMFから脱退するつもりはないと繰り返し述べている。この紛れもない現実を反映させるために、セリーズが記事を更新してくれればいいのだが。 - エドワード・スラブスクワット、Substack
ロシアがウクライナで西側寡頭政治と戦っているにもかかわらず、社会政策に関してはグローバリストと歩調を合わせているとあなたは言っているようだ。もう少し詳しく説明してほしい。また、プーチンはこのすべてにどのように関わっているのだろうか?彼は無意識の共犯者なのか、それとも熱心な参加者なのだろうか?
ライリー・ワガマン:モスクワはウクライナの西側寡頭政治と戦っているのだろうか?ガスプロムはSMO初日からウクライナ全土にガスを送り込んでいる。ロシアの “企業家 “たちが必死にウクライナ領内を通過させている天然資源はそれだけではない。
西側の支援を受けたウクライナのオリガルヒが、ロシアのミサイルで自宅を消滅させられたという話はまだ読んだことがない。実際SMOによって被害を被った西側のオリガルヒはどこの国にも一人もいないのではないだろうか?それどころか、ロシアのオリガルヒにとってもSMOは素晴らしい金儲けの機会となっている。
しかし、あなたの質問の2つ目は、ロシア語メディアをフォローしている人なら誰でも、魂を押しつぶすような技術主義やその他の「安全で便利な」社会の進歩に関してモスクワが西側諸国とほぼ完全に歩調を合わせていることを知っている。実際、客観的な観察者であれば、ダボス会議など反グローバリズムの名高い団体が宣伝する「デジタル化」の実施においてロシアは西側諸国よりはるかに先を行っていると認識するだろう。
プーチンはこのプロセスを遅らせるような重要なことは何もしていない。実際、ハーマン・グレフのような輝かしい愛国者たちに、AI、バイオメトリクス、QRコードによる家畜のタグ付け、顔認識システム、「持続可能な開発」など、ロシアで流行している技術開発の陣頭指揮をとらせることで、プーチンはロシアや他のすべての国を困らせているすべての不愉快な狂気の共犯者となっている。
まじめな話、ロシア政府が小学生をどう扱っているかを見れば(病気の怪しい家畜のように)、この国がどこに向かっているのか理解できるだろう。結局のところ、子供たちは未来なのだから!
質問5:コロナワクチンに関するあなたの見解をまとめてもらえるだろうか?
ライリー・ワガマン:悪い。
質問6:あなたは「ロシア人はロシアの中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナがあまり好きではない」と言う。あなたはこう述べた:「社会主義者、君主主義者、ネオ・ソビエト、保守派、軍事強硬派は、少数の例外を除いて、エリヴィラと彼女のデジタル・ルーブルを嫌っている」。
記事の後半であなたはこう記した:
(エリヴィラ)ナビウリナはロシアの利益に反する経済政策を追求する象徴だ。
これはかなり厳しい批判だ。何が起こっているのか説明してもらえるだろうか?なぜプーチンは、グローバリストのアジェンダを実行していると多くの人が感じている人物を、このような重要なポストに再任したのだろうか。
ライリー・ワガマン:2つ目の引用は、エカテリンブルクを拠点とする左寄りの独立系ニュースメディア『Nakanune.ru』からのものだ。国営メディアを除けば、ロシアのどのニュースもエリヴィラ・ナビウリナを嫌っており、ロシアを破壊するために積極的に動いているグローバリストの手先だと考えている。保守派も、正教強硬派も、共産主義者も、ネオ・ボルシビクも、民族主義者も、みなナビウリナを嫌っている。これは事実であり、なぜそれがロシア以外の「オルタナティブ・ニュース」消費者に伝わらないのか大きな謎だ。
私は、プーチンがなぜこのエール大学ワールドフェロー出身者をロシア中銀総裁に再任させたのか、まったく理解できない。おそらくこれは、ロシア国家から独立して運営される、IMFに従順な中央銀行によって100%管理されるプログラム可能なCBDCでグローバリストを打ち負かすという、プーチンの巧妙な戦略の一部なのだろう。
質問7:前回のインタビューで、あなたは私たちの現在の時代について次のように述べた:
私はしばしばアレクシス・ド・トクヴィルの不穏な言葉を思い出す。「私は時代から時代へ、最も遠い古代までさかのぼるが、私の目の前で起きていることに類似するものは見つからない。過去が未来に光を投げかけなくなり、人の心は暗闇をさまよっている。」
日を追うごとに、私たちは自らの過去から強制的に切り離されているように思える。私たちは新しい文明モデルを受け入れるよう「再教育」されているのだ。それは地域、国、そして世界レベルで起こっている。それは家族を引き裂こうとしている。
私たちは人類史上類を見ない悪に直面していると私は信じている。
– エドワード・スラブスクワットSubstack
反応からみるとあなたと同じように感じている人は非常に多いと思う。最後の質問は、あなたは当時と同じように悲観的になっているのだろうか?
ライリー・ワガマン:マイク、あのインタビューには(改めて)感謝している。あれは私のブログの中で今でも最も読まれた投稿だ。覚えているかもしれないが、2021年におけるロシアの『公衆衛生』政策の現実は『正確性』に欠けていたので(ここでは寛大に解釈しようとしている)、私たちのインターネット上のやり取りはロシアの『コロナ対応』についてより事実に基づいた、ニュアンスのある議論への道を開いたと思う。
実際、私はかなり楽観的だ。5次元の全能のホワイトハットのTwitterアカウントは存在せず、西洋の悪魔崇拝者から自分自身を救う必要があるということを受け入れた。それは実際には比較的痛みが少なく、簡単で楽しいことだ。私の現在の見通しは希望に満ちているとさえ言える。
しかし、アメリカ政府や西側諸国の政府にうんざりしている人の悲観主義は十分に理解できる。それに代わるものとしてロシア政府を憧れるのだ。この奇妙な考え方の問題点は、公式データによればロシア人の約30%が1日10ドル以下で生活していること、ロシアが壊滅的な人口危機に直面していること(国家として健全性を測るのに、これ以上基本的な指標はないだろう)、ロシア政府が基本的な人間の尊厳の最後のかけらを削り取るような政策を狂信的に推進していることだ。確かにロシア政府はトランスジェンダーのアジェンダに賛同していない。ロシアの出生率が下降線をたどる中、これは賞賛に値する脚注だ。
しかし繰り返すが私は楽観主義者だ。ここロシアで、そして世界中で、志を同じくする人たちとつながることができ、その結果、私の人生は大きく向上した。理不尽なことに卑猥な言い訳をすることなく、生きたい人生を生きることができている。
私たちは皆、真実、友情、愛によって導かれるべきなのに、なぜいわゆる「オルタナティヴ・メディア」は、世界に同じこと(悲しみ)しか提供しない政府の手先となることに執着しているのか本当に不思議だ。もう十分だ。必要なものはすべて揃っている。
注:ほとんどの画像はライリー・ワガマンのSubstackアカウントから:
https://edwardslavsquat.substack.com/p/is-putin-in-cahoots-with-the-globalists
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