The New York Times Transforms Trump …… into Plucky Paragon in Propaganda Masterpiece
by Mike Whitney
ドナルド・トランプを、彼を当選させた裕福なシオニストに支配されていない、強力で独立したリーダーに「作り変えた」のが4月16日付のニューヨーク・タイムズ(NYT)が大々的に報じた記事「Trump Waved Off Israeli Strike After Divisions Emerged His Administration(トランプは彼の政権内で意見の対立が生じた後、イスラエルによる攻撃を見送った)」{1}だった。
記事の内容は、著者がトランプを、微妙にお世辞っぽく描いていることほど重要ではない。思い起こせば、NYTは10年近く執拗にトランプを悪者扱いしてきた。しかし、それはもちろん問題の核心に切り込むものであり、だからこそこのような記事構成になったのだ。著者は明らかに、トランプが自分自身で外交政策を決めていて、ネタニヤフのアドバイザーがテルアビブで書いた台本に従っているだけではないと読者に思わせたいのだ。それがこの記事の主旨のようだ。以下はその抜粋である:
イスラエルは、早ければ来月にもイランの核施設を攻撃する予定だったが、ここ数週間、トランプ大統領はテヘランとの核プログラム制限のための交渉に賛成し、それを見送ったと政権高官や議論について説明を受けた他の人々は述べている。
トランプ大統領は、イランが軍事的にも経済的にも弱体化している今、外交を追求するのか、それともイランの核爆弾製造能力を阻止するためにイスラエルを支援するのかについて、数カ月にわたる党内議論の末に決断を下した。
この議論が浮き彫りにしたのは、歴史的にタカ派的な米国の閣僚と、イランへの軍事攻撃によってイランの核開発を阻止し、より大きな戦争を回避することができることに懐疑的な側近との間に断層があることだった。その結果、イランは交渉に応じる意向を示しており、軍事行動には今のところ反対という大まかなコンセンサスが得られた。
イスラエル当局は最近、5月にイランの核施設を攻撃する計画を立てており、それを実行する準備をしていて、米国は承認するだろうと楽観的に考えていた。この計画の目的は、テヘランが核兵器を開発する能力を1年以上遅らせることだったと、この計画について説明を受けた政府関係者は語っている。
ほぼすべての計画は、イランの報復からイスラエルを守るためだけでなく、イスラエルの攻撃が成功するよう米国の支援を必要とし、米国が攻撃そのものの中心的役割を果たすことになる。
今のところ、トランプ氏は軍事行動よりも外交を選択している。第1期では、オバマ政権が交渉したイラン核合意を破棄した。しかし2期目には、中東での新たな戦争に巻き込まれることを避けるため、テヘランとの交渉を開始し、核開発プログラムに関する交渉に数カ月という期限を与えた。{1}
この抜粋の目的は、起こらなかったイスラエルの攻撃について読者に知らせることではなく、最高の「意思決定者」として行動するトランプがネタニヤフに立ち向かい、イランの核施設を攻撃するというイスラエルの計画を阻止し、代わりにイランとの外交交渉を選んだという点を強調することにある。
このことが、トランプを米国の利益のためだけに行動し、大統領選挙中にトランプが非難した意味のない海外での戦争を避けるためにあらゆる努力をする、強いが抑制的な指導者として見せようとする4人のジャーナリストの全体的な意図とどのように合致するか、おわかりいただけるだろうか。また、トランプを、踵を鳴らして言われたことは何でもするシオニストの「イエスマン」ではなく、「アメリカ・ファースト」のイデオロギーと平和へのコミットメントに忠実であるかのように描くことが、イスラエルにどのような利益をもたらすかわかるだろうか?
ここで何が起こっているのかを把握するために、冒頭のニューヨーク・タイムズの記事をもう一度読んでみよう:
イスラエルは早ければ来月にもイランの核施設を攻撃する計画を立てていたが、トランプはここ数週間、テヘランとの各プログラムを制限するための交渉に賛成したために見送られたと、政権高官やその他の関係者は述べた。
ここで我々は緊迫感とともにイスラエルがイランを攻撃するつもりだった、と伝えられたが、その数段落後に著者が明言しているように、イスラエルが独自にイランを攻撃することは真剣に考えたことはなかった。決してだ!つまり、息もつけないほどの緊迫感は、完全に捏造で、それはトランプはシオニストのアジェンダを実行するイスラエルの操り人形ではなく、米国の利益を何よりも優先する、断固として獰猛で独立した愛国者だといういうことを強調した。彼らはそう言っていないだろうか?
確かにそう言ってる。しかし、それは我々が知っている事実とどう整合性があるのだろうか?
辻褄が合わない。
トランプは、米国大使館をエルサレムに移し、ゴラン高原をイスラエルに与えたことを何度も自慢していたではないか。ガザからパレスチナ人を追放し、ガザ地区を「新しいリビエラ」にする許可をネタニヤフに与えたではないか?彼は自らを 「イスラエルにとって最高の友人 」と称し、全国のキャンパスで親パレスチナ派のデモ参加者に攻撃を仕掛けたのではないか?
イエメンについてはどうだろう?トランプはイエメンをイスラエルのために爆撃しているのか、それとも『水の上を歩く』と思っているレッドステートの支持者たちのためにやっているのか?そして現在アルカイダに支配されているシリアは、トランプが望んだ結果なのか、それともネタニヤフの新中東への壮大なビジョンの一部なのだろうか?さらに:
今月初め、トランプはイスラエルに、米国は攻撃を支持しないという決定を伝えた。トランプはそれについて先週、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がワシントンを訪問した際、大統領執務室で会談し、米国がイランとの協議を開始すると発表した。{1]
つまり、トランプはネタニヤフに毅然と立ち向かい、「彼をその立場に置いた」。そんなことを本当に信じる人がいるだろうか?
そして著者は、トランプが公式にこの計画を中止したとは一言も言っておらず、より好都合な時期まで一時的に延期しただけだと言っていることに注目してほしい。その「より好都合な時期」とはいつなのか?
もちろん、イラン側がトランプのとんでもない要求によって「核協議」を断念せざるを得なくなった後だ。この政治的ドタバタ劇は、最初からこのように脚本化されている: ナイーブなイラン人を会談に誘い込み(彼らは決して要求していない)、拒否されることが確実な馬鹿げた要求をし、イランが不満のあまり会談を放棄したら、本格的な戦争を起こすと脅す。これが悲惨な筋書きのすべてだ。
トランプとネタニヤフにとって、交渉の失敗は「失敗」ではなく「成功」を意味する。失敗とは、当初からの目標であった戦争を開始する正当な理由ができたことを意味する。失敗するように仕組まれた会談を招集することで、トランプの平和主義者としての威信を高めることができる。トランプは、和平の機会をすべて使い果たし、「他に選択肢がない」から「軍事的選択肢」を追求しているだけなのだ、と論評することができる。驚くべきことに、ニューヨーク・タイムズの記事は、JDバンス副大統領に関する短いクリップの中で、このことを示唆している。以下はその抜粋である:
バンス副大統領は、トランプには取引をするまたとない機会があると主張した。
もし会談が失敗すれば、トランプはイスラエルの攻撃を支持する可能性がある、とバンス副大統領は語った。{1}
これではっきりした。トランプがすべきことはイランに拒否されるような条件を突きつけるだけでいい。そしてトランプはすでに、JCPOAが承認された2015年に合意された内容をはるかに上回る要求を突きつけている。トランプはイランに対し、弾道ミサイル(国際法上合法であり、自衛のために必要なもの)を放棄し、地域の同盟国(ヒズボラ、ハマス、フーシ)との関係を解消し、核濃縮プログラム(核拡散防止条約に基づくイランの「不可侵の権利」である)をすべて解体するよう主張している。要するに、トランプは単に「ゴールポストを動かした」のではなく、ゴールポストを競技場から取り出してテルアビブに運んだのだ。
見てわかるようにこれはすべて、戦争のための土台作りを目的とした壮大な作り話だ。明らかに、NYTの編集者たちはこのことを理解している。イランとの長期にわたる紛争を成功させるには、米国民の支持が必要であることを理解しているのと同様に、米国民は指導者を信頼しなければならない。トランプが強く独立した指導者としてもてはやされるのはそのためであり、それこそがイランとの戦争が米国の利益になると国民を説得するのに役立つ資質だからである。実際には、得をするのはイスラエルだけなのだが。
モサドの長官であるダーマーは、米・イラン核協議の前にパリでウィトコフ米特使と会った(イラン・米「協議」の前日にパリで秘密裏に「水面下で」会合)。