What Movie Is This?
MAGA は「テックライト」(テクノロジー業界における右派の思想や動き)の疲労感を抱え始めている。 – Cernovich X
by James Howard Kunstler
情報過多のこの時代、誰もが記憶の穴と化した脳で、イーロン・マスクの壮大な怒りの爆発を人々がいつまで覚えているか見ものだろう。最新ニュースによるとトランプとイーロンは、「仲直り」をするために金曜日に電話会談を行う予定だそうだ。
その一方で、伝説の「第 4 の転換期」が本格化している。私たちが属する西洋文明は歴史の脇道に迷い込み続けている。マスクの芝居に気を取られていると、私たちは世界大戦、政治の崩壊、そして世界的な破産へと向かっていることに気付かないだろう。
奇妙な出来事の一つは、元CIA長官のマイク・ポンペオが先週、ウクライナのオデッサで開催された「黒海安全保障フォーラム」に出席し、ロシアに対する「完全な勝利」を呼びかけ、クリミアをウクライナの一部として承認するよう主張したことが挙げられる(これは「現実」のことではない)。
「勝利」を呼びかけることは、ロシアと戦争状態にあるか、またはそのような戦争に突入することを意味する。確かに、米国のネオコン・インテリジェンスたちは2014年に国務省の「クッキーモンスター」ヴィクトリア・ヌーランドがマイダンカラー革命を扇動してウクライナ・ロシア戦争を引き起こした。そして「ジョー・バイデン」は、現金と弾薬、そして扇動的な言辞で紛争を煽り続けた。しかしトランプは今年、EUやNATOの他のメンバーが舞台裏で戦争の太鼓を叩く中、困難な火消し作業に取り組んできた。
マイク・ポンペオはオデッサで何をしていたのか?彼はローガン法(私人が政府の許可なく外国政府との交渉を行うことを禁止している法律)に違反していたと言える。政府外でフリーランスの外交政策を推進し、間接的とはいえ戦争を呼びかけるというかなり危険な行為を行ったのだ。さらにリンジー・グラハム上院議員とリチャード・ブルメンタール上院議員がキエフに飛び、ウクライナの戦争機械を率いる非選出のコカイン中毒者(ゼレンスキー)と密談した。そして、翌日、ウクライナはロシア深部への長距離爆撃を実行し、その戦略核部隊の一部を破壊した。その目的はEUがロシアに対する(狂気じみた自殺行為である)長年望んでいた戦争を開始するための開戦口実となる反応を引き出すことだったに違いない。
ポンペオ、リンジー・グラハム、ブルメンタールはなぜ米国に戻った際に逮捕されなかったのか?彼らがウクライナでしていたことは、重大な悪事の臭いにまみれていた。FBI のパテルは、こうした事態の対処に長けた元連邦検事だ。3 人全員を窓のない部屋に呼び、供述を聞き出すべきだった。マイク・ポンペオは現在、一体誰の代表として行動しているのか?彼のオデッサへの旅費は誰が負担したのか?誰が彼と一緒に同行したのか?なぜ、誰もこれらの疑問を投げかけないのか?
イーロン・マスクの暴言は、議会で審議中の「Big Beautiful Bill(巨大で美しい法案)」に対する嫌悪感から引き起こされたものと思われる。この法案は実際には予算ではなく、さまざまな付帯条項が盛り込まれた強制的な歳出調整パッケージだ。もちろんその動物農場から出てくる法案のうち、怪物ではないものは何一つないだろう。怪物と戦うには、怪物が必要なのかもしれない。
おそらくアメリカは、バットマンの段階から、キングコング対ゴジラのような段階へと移行する必要があるのかもしれない。いずれにせよ足下にいる多くの小市民は踏みにじられている。そしてアメリカはすでに、株式市場や債券市場がなんとか持ちこたえているにもかかわらず、一般市民や中小企業を破滅へと追い込む一種の全身性敗血症のような状態に陥っている。現在の状況では誰も安心することはできない。
過去10年間のバットマン時代、民主党はジョーカーを演じてきた。国を混乱に陥れるために働きすぎた。その映画は終わった。奇妙なことに、今はアメリカ(キングコング)対ヨーロッパ(ゴジラ)の構図が浮き彫りになってきている。ロシアはシダの間で危険にさらされた女性のように、野獣たちが互いに吠え合うのを見ている。中国は、遠い惑星からやってきた「無慈悲なミン」(別の映画)のような存在で、舞台のそでで事態の展開を見守っている。
ヨーロッパは死を望んでいる。その経済は崩壊しつつある。2000年にわたる文化を新たな野蛮人の侵略に犠牲にしている。英国、フランス、ドイツの政府は自国民に対してオーウェル的な政策を全面的に展開している。選挙で選ばれていないEUは企業精神の芽を摘み取る独裁的な機械と化している。彼らが鳴らす戦鼓は、ロシアの超音速「ヘーゼルナッツ」の激しい雨を招き、彼らが残した唯一のもの——かつては魅力的だった都市——を破壊するだけだ。もしそれがヨーロッパを滅ぼすのに十分でないなら、銀行と債券市場の崩壊を待つといい。
トランプはゴジラが断崖から落ちようとしていることを知っている。彼は、シダの下にいるあの女性と手を組み、湿った歓迎のジャングルに戻っていく方が好ましいと考えている。もし本当に西欧文明の残骸を救いたいなら、現在のロシアはあなたの自然な同盟国であり、敵ではないのだ。この映画をどう乗り越えるかは誰も知らないが、時間は止まらない。いつか私たちはモンスターのように振る舞うのをやめた国家の世界に戻り、次の映画はキャリー・グラントとケイト・ヘプバーンがペットの豹と共演するような軽快な作品になるかもしれない。