No. 2885 イスラエルの「平和との戦争」を終わらせる

Ending Israel’s War on Peace

by Jeffrey D Sachs & Sybil Fares

 中東に永続的な平和をもたらすために、米国は、イスラエルの終わりのない戦争に対する無条件の支援を止め、世界の他の国々と協力してイスラエルを1967年6月4日の国際的に認められた国境線内に留まらせなければならない。

2週間の停戦でイスラエルと米国によるイランへの戦争は部分的に停止した。この戦争は有能な外交官なら午後の1時間で達成できたであろうことを何も成し遂げなかった。ホルムズ海峡は戦争の前は開いていたし、今も開いているが、イランによる支配がより強まっている。

その一方で混乱が続いている。イスラエルは停戦を破棄しようと躍起になっている。そもそもこれは最初からイスラエルの戦争だった。イスラエルはたった1日でイラン指導部を一掃し、トランプにイランの石油を掌握させるという見通しにトランプを引き付けた。イスラエルはその見返りにより大きな獲物、すなわちイラン政権を打倒し、それによって西アジアの地域覇権国となることを狙っていたのだ。

停戦の基礎はイランの10項目提案で、トランプは(おそらく無意識のうちに)これを「交渉の妥当な土台」と呼んだ。この提案は理にかなったものだが、米国にとっては大幅な譲歩で、おそらくイスラエルにとってはレッドラインだろう。とりわけこの案は中東で激化する戦争の終結を求めているが、そのほとんどすべての根本原因はイスラエルにある。この提案はまた、本質的にはトランプが2018年に破棄したJCPOA(イラン核合意)に立ち返ることで核問題も解決する。

イラン戦争や、中東各地で激化しているその他の戦争は、ある一つのイスラエルの基本方針に端を発している。すなわち、イスラエルは主権を持つパレスチナ国家の樹立に恒久的かつ断固として反対し、国家主権のための武力闘争を支持する中東のいかなる政府も倒すという思想だ。国連総会が、決議37/43(1982年)など複数の決議を採択し、政治的自決が極めて重要であり、自決を求めるための武力闘争は正当であると確認している点に留意することが重要である。国連ができた一つには、アフリカやアジアに対する何世紀にもわたるヨーロッパの帝国主義的支配を終わらせようという決意があった。もちろん、イスラエルが政治的解決、とりわけ世界中で圧倒的な支持を得ている「二国家解決案」を受け入れれば、武力闘争の理由はなくなるだろう。

ネタニヤフの目標の中核は「大イスラエル」と要約できる。これは、パレスチナの主権を認めず、第一次世界大戦後の英国統治下にあった歴史的なパレスチナの境界を越えて、イスラエルに明確な境界線を設けないことを意味する。ネタニヤフの政治的盟友であるベン・グヴィルやスモトリッチのようなシオニスト過激派は、レバノンやシリアの一部に対するイスラエルの支配、そしてかつての英国領パレスチナ全域に対する恒久的な支配を支持している。米国駐イスラエル大使のマイク・ハッカビーに代表される米国のキリスト教シオニストや、トランプの強力な支持基盤は、ナイル川とユーフラテス川の間にある土地をイスラエルに与えると神が約束したと語っている。荒唐無稽な話だが、これらは紛れもない現実の信念であり、ホワイトハウスにも伝えられている。

したがって、イスラエルの戦略は「大イスラエル」に抵抗するあらゆる国を政権交代させることであり、この計画は1996年に米国のシオニスト系ネオコンがネタニヤフ新政権の綱領として執筆した有名な政治文書『クリーン・ブレイク:領域確保のための新戦略』ですでに予見されていた。それ以来、中東では『クリーン・ブレイク』のビジョンを実行するために絶え間ない戦争が続いてきた。これには、ムアンマル・カダフィを打倒するためのリビアでの戦争、レバノンでの戦争、シリアのバッシャール・アル=アサドを打倒するための戦争、イラクのサダム・フセインを打倒するための戦争、そして現在はイラン政権を転覆させるための戦争が含まれる。

これは、米国に独自の壮大な構想がないと言うことではない。イスラエルが地域における覇権を望んでいることは秘密ではない。ネタニヤフは最近の発言で、イスラエルが「地域大国となり、特定の分野では世界的大国となる」という野心を明言している。一方、米国の当局者たちは世界覇権を夢見ている。そしてトランプは金を夢見ている。彼はイランの石油を渇望しており、それを繰り返し口にしてきた。

いずれにしてもこの戦争がネタニヤフの仕業であることは明らかだ。彼とモサド長官は、トランプに偽りの約束を売り込むためにワシントンを訪れた。難しいことではない。トランプは騙されたが、他の人々は皆、一日で簡単に首脳部を排除できるというネタニヤフの主張――本質的にはベネズエラでの米国の作戦の再現――に疑念を抱いていた。

The New York Timesが明らかにしたように、ホワイトハウスの議論を「盗み聞き」するのは情けないことだ。詐欺師ネタニヤフは、米情報機関は否定した政権交代というバラ色のシナリオを提示したが、トランプは愚かにもそれを受け入れた。トランプとネタニヤフは、キリスト教シオニスト(ヘグセス)、ユダヤ系シオニストや不動産開発業者(クシュナーとウィトコフ)、信仰治療師(フランクリン・グラハム)、そして高位の取り巻き(ルビオとラトクリフ)らに声援を送られた。

火曜日の夕方までは、トランプが世界を盲目的に第三次世界大戦へと導くのではないかと思われた。彼の公の演説における下品さと残忍さは、米国大統領史上類を見ないものだった。今や我々は、彼が必死に逃げ道を模索しており、その目的のためにパキスタンを利用していたことを知っている。トランプは世界に対し、イランが停戦を懇願していると語っていたが、停戦を懇願していたのはトランプ自身だ。パキスタンの指導者がそれを実現させたのだ。

停戦は良いことだ。そして10項目提案も良いものだ。たとえトランプが、それが交渉の「良い土台」だと述べた際、その内容を知らなかったとしても。いずれにせよ、イスラエルはこれを破るために全力を尽くすだろうし、すでにその動きは始まっている。ベイルートへの絨毯爆撃で数百人の民間人を殺害し、その他の攻撃も行っている。米国とイランの恒久的な合意はネタニヤフが最も望まないものだ。それは彼の「大イスラエル」という夢を終わらせてしまうからだ。

しかし、平和への道はある。それは米国が現実を直視することだ。イスラエルこそが真の「テロ国家」であり、全く正当化できない理由――パレスチナ人を恐怖に陥れ支配し、イスラエルの狂信者たちが望むままに国境を拡大するための無制限の自由を得るため――のために、中東全域で絶え間ない戦争を繰り広げている。中東に永続的な平和をもたらすためには、米国はイスラエルの絶え間ない戦争に対する白紙委任状を打ち切り、世界の他の国々と連携して、イスラエルに1967年6月4日の国際的に認められた国境線内に留まるよう強制しなければならない。米国がパレスチナ国家の現実を受け入れるならば、イランの10項目案は包括的な地域平和の基盤となり得る。その場合、イランは非国家武装勢力への資金提供を停止することに同意するだろうし、イスラエル、パレスチナ、レバノン、そして地域全体が相互の安全と平和の中で暮らせるようになる。この成果こそが、今後2週間のうちに米国とイランが交渉で合意すべき土台である。

米国国民は自らの見解を明確にした。2025年のピュー研究所の調査によると、ユダヤ系米国人の大半はネタニヤフ首相への信頼を欠き、二国家解決案を支持している。現在、大多数の米国人はイスラエルを好ましくないと見ており、その不支持率は史上最高を記録している。イスラエルへの同情は25年ぶりの低水準に達した。今こそ政治家は世論に追いつかなければならない。

米国がそれを掴めば、平和は手の届くところにある。イランの案は真剣なものであり、停戦は包括的解決に向けた脆いながらも重要な第一歩だ。問題は米国が再びイスラエルに平和を破壊させるのか、それとも今回は、永続的な平和における米国の利益と世界の利益のために立ち上がるのか、ということだ。

https://www.commondreams.org/opinion/israel-war-on-peace