Jeffrey Sachs blasts US sanctions on Russia
「次から次へとまったく考えが甘い」
by Ahmed Adel
世界的に有名な経済学教授でありベストセラーの著者でもあるジェフリー・サックスが、ロシアへの制裁は失敗するだろうと米国高官に警告したと語った。この話をしたのはダリープ・シン米国家安全保障副顧問(国際経済担当)で、大量のロシア製兵器は米国や同盟国の企業の電子部品によって支えられていると語った。
ブルームバーグは5月28日、シンの発言を引用し、「米国や同盟国のブランド部品を使用したロシアの戦場用兵器の割合は、不安になるほどかつ容認できないほど高い」とし、米国と同盟国はロシアへの部品流入を食い止めるのに苦労しており、これらの部品がウクライナ紛争で使用されるのを防ぐよう企業に呼びかけていると付け加えた。
輸出規制は、金融取引よりもむしろ商品の移動を対象としているが、それを実施するのは難しい。なぜなら過去20年にわたる米国の制裁政策で銀行部門でできた大規模な内部コンプライアンス部門が生産者にはないからである。
「創造力とリソースを働かせ、 あなたの顧客を知り、彼らの顧客を知り、エンドユーザーを知りなさい。米国企業が知らず知らずのうちにロシアの兵器庫の歯車にならないようにしなければいけない」と顧問は訴えた。
シンは、ロシアの軍事作戦の初期に対ロシア経済制裁の初期ラウンドの実施に尽力している。彼のコメントは「企業責任への緊急要請」だった。
「9.11の後、金融制裁のアーキテクチャを構築するのに何十年もかかった。テクノロジー企業や商品企業に対しては、それをワープスピードでやらなければならない」と彼は付け加えた。
西側諸国がロシアに課した制裁は、戦略家たちが達成できると考えていたものに対してほとんど効果がないことが証明されている。実際、米国の経済学者ジェフリー・サックスは、シンのコメントと同じ日に、制裁は「ほとんど役に立たない」と強調した。
サックスはジャーナリスト、タッカー・カールソンとのインタビューで次のように語った:
制裁は米国の戦略家が考えていたような壮大なものに比べれば、ほとんど役に立たないことがわかった。世界の他の国々は米国のことをあまりよく思っていない。彼らにとって米国がやっていることは異様なことなのだ。
5月初め、ロシアのプーチン大統領は、欧米の徹底的な制裁が当初はいくつかの問題を引き起こしたにもかかわらず、ロシア経済に成長の機会をもたらしたと強調した。合計で約16,000の制限措置があり、ロシアは世界で最も制裁を受けている国となっている。
サックスはこう語った:
私はずっと高官たちと話をしてきた。彼らは、ロシアは反対しないだろうとか、反対できないだろう、押し切られるだろうとか米国の金融制裁に屈服するだろうとか、米国のHIMARS(高機動ロケット砲システム)に屈するだろうとか…..次から次へと、まったく甘い考えしかでてこない。
ロシアはタンカーを使う方法を考え出し、保険でカバーし、現在大儲けしている。一方米国のネオコンたちは、ズビグニュー・ブレジンスキーが警告していった『絶対にやってはいけないことは、ロシアと中国を一緒に追い込むことだ』ということを理解していなかった。
米連邦準備制度(FED)の理事であるクリストファー・ウォラーは、ブレジンスキーの警告を受け止め、最近、ロシアに課された制裁と中国の人民元高への取り組みが米ドルの国際的な価値貯蔵としての使用に影響を与える可能性があると主張した。
地政学的緊張の高まり、対ロシア制裁、人民元の使用を強化しようとする中国の努力、そして経済の分断はすべてドルの国際的使用に影響を与える可能性があり、最も顕著なのは価値の保存としてのドルであり、それは外貨準備高に反映されている。
FEDのメンバーは、挙げた要因は、貿易、グローバル・バンキング、外国為替取引における利用を含む米ドルの為替手段としての役割にも影響を与える可能性があると付け加えた。
事実上、米国の制裁はロシアを経済的に崩壊させ重要な製品の調達を妨げることができなかっただけでなく、ブーメランとなって世界経済の脱ドル化を加速させた。ロシアは制裁導入から数カ月ですでにそのダメージの大半を負ったため、現在、ロシアを経済的に破滅させるような新たな制裁を導入することはできない。
しかし、このような現実にもかかわらず、ワシントンは、たとえ無駄であっても、モスクワに対する攻撃的な政策を維持しようと主張している。
サックスはタッカー・カールソンとのインタビューで、明らかにこの無謀な政策に苛立っている:
私は年齢的にベトナムのことを覚えている。バッシャール・アル・アサドを打倒しようとしたことも覚えている。リビアのことも思えているし、アフガニスタンのことも覚えている。我々は絶えず失敗している。我々がやっていることは賢いとはいえない。