No. 2230 中国以外なら、過剰生産は問題ない

Overproduction is okay as long as it’s done by anyone except China

by Alex Lo

北京がサービス分野を拡大するのは理にかなっているが、米国が高い生産性のサービス分野を生産性の低い製造分野に転移することはそうではない。

それがドナルド・トランプが台湾の、特に与党民進党のファンに対して行った恩返しである。共和党の大統領候補はBusinessweek誌にこう語った。「台湾は米国からチップビジネスを奪った。我々はなんて愚かなのだ?台湾はチップ事業をすべて奪った。彼らは莫大な富を得ている」。

確かに台湾は半導体製造大国であり、世界の最先端チップの92%を生産している。しかし、基本的には巨大なチップ・ファウンドリー(チップの製造を他社からの委託で請け負う製造専業の半導体メーカー)であり、チップ設計事業ではない。

これは大きな違いである。ファウンドリー事業は台湾が生産において世界的に優位を占めているため、それなりに利益を上げているが、利益のほとんどを手にするのはチップ設計事業だ。莫大な富を得ているのは米国であり、台湾は単に裕福なだけだ。

比較優位におけるこの基本的な教訓をより端的に示す例が、アップルとFoxconnである。アップルはiPhoneを設計し、利益のほとんどを手にする一方、FoxconnはiPhoneを生産し、わずかな利益しか得られない。そしてその経済的現実は残酷なものになる。Foxconnの従業員はプレッシャーのもと自殺に追い込まれたが、アップルの従業員はそうではなかった。

私はトランプを非難したいわけではない。彼は耳を撃たれたばかりだ。問題は、彼が製造業至上主義の必要性について同じように考えている、世界で最も影響力のある指導者の一人に過ぎないということだ。しかしもし中国が邪悪な過剰生産者で、他の誰もが同じことを望んでいるとしたら、私たちはどうなるのだろうか?世界の過剰生産を悪化させるのだろうか?参考までに、これを行き過ぎた産業政策と呼ぼう。

産業政策とは、あるものを優遇し、他のものはしないことによって製造業に優先順位をつけることである。伝統的な西側の批判家はそれが無駄で非効率的だという。「勝者」は市場が必要とする以上のものを生産できるが(正の過剰生産?)、「敗者」は誰も欲しがらないものを生産する(負の過剰生産?)からだ。

しかし、誰かが過剰生産をしているかどうかをどうやって判断するのだろうか?例えば中国が手頃な価格でよくできた電気自動車を米国人やヨーロッパ人に売ることは過剰生産なのだろうか?今、政府が高い関税をかけているせいでそうした消費者の多くは選択肢を奪われている。

インドを考えてみよう。モディ首相が掲げた「メイド・イン・インド」は10年が経過した。その目的はインドを中国に匹敵する製造大国にすることだ。モディ首相が政権に就いた当初、インド国外でこのプログラムに注目した人はほとんどいなかった。自由市場の新自由主義経済学者の中にはこれを産業政策だと攻撃する者さえいた。当時は、それが国際通貨基金(IMF)の正統派だった。しかし時代は変わった。

今、西側の指導者、評論家、そしてその飼い犬たちはみな、モディが中国と競争し、超えることを応援している。どうやらワシントンを筆頭とする西側諸国は、中国でない限り、中国と同じことを他の誰がやっても構わないようだ。もしインドがやりたいのなら、もっと資金と投資を投入しようというのである。

では米国を考えてみよう。発展途上国が産業政策を追求するのは理にかなっていることが多いが、先進国、それも世界最大の経済大国がやるのはどうだろうか?トランプがやりたがっているのはそれであり、今だけでなく、彼が最初にホワイトハウスにいた頃も同じだった。そして、トランプに対して反感を抱いているジョー・バイデンはその明白な産業政策を加速させている。製造業の復活、それが両氏の望みなのだ。

しかし、米国人の85%がサービス業に従事しているのに対し、中国はその半分に過ぎない。中国人5人に1人近くが製造業に従事しているのが、米国はわずか8%だ。

米国の労働者の生産性ははるかに高い。多くのエコノミストは、生産性が高いのは製造業よりもサービス業が優勢だからだとしている。したがって中国がサービス業を拡大することは理にかなっている。米国にとって、サービス業の高い生産性を、低い生産性の製造業に再分配することは意味がない。台湾のチップ製造の寵児であるTSMCが、新しい米国のファウンドリーで働く有能な現地労働者を見つけるのに苦労しているのは偶然ではない。

まあ、それは政治的には理にかなっている。なぜなら中国を米国製の産業政策で「封じ込める」のに役立つからだ。これを「自分の顔に泥を塗るために自分の鼻を切り落とす」と言う。(怒りの対象よりも自分自身を傷つけるような方法で復讐を追求すること)

Overproduction is OK as long as it’s done by anyone except China