No. 2312 SCOとBRICSの相乗効果による地経学的推進要因

The geoeconomic drivers of SCO-BRICS synergy

by Pepe Escobar

ロシアと中国が構想する安全保障の不可分性は、事実上国連憲章の適用を意味する。その結果は、世界レベルでの平和であり、暗にNATOの終焉を意味する。

きわめて重要なカザンでのBRICSサミットの1週間前、上海協力機構(SCO)はイスラマバードでサミットを開催した。

集中してこれらが開催されることはさまざまな意味で重要である。パキスタンでのサミットには、SCO加盟国の国家元首評議会が参加した。そこでは、昨年7月にアスタナで開催されたSCO年次サミットで下された決定の実施の必要性を強調する共同声明が発表された。アスタナにはSCOの新たな正式加盟国であるイランを含む各国の国家元首が実際に集まった。

中国は、親密な同盟国で現在、人気を誇る元首相イムラン・カーンを投獄した軍の暴漢たちに全面的に支持された怪しげな政権下にあるパキスタンから、2024年~2025年のSCO議長職を正式に引き継いだ。そして予想通り、その主題はビジネスである。

中国が掲げるスローガンは、他でもない「実行」である。そのため北京はすぐにロシアが主導権を握るユーラシア経済連合(EAEU)と一帯一路構想(BRI)との相乗効果をさらに迅速に高めるための推進を開始した。

ユーラシア大陸横断経済回廊の急速な進展を促す、ロシアと中国の戦略的パートナーシップである。そして、このことは、イスラマバード・サミットで特に注目された、いくつかの重要な接続の副次的な展開につながる。

大草原を駆け抜ける

魅力的な「大草原の道」から始めよう。これはモンゴルが発案したもので、経済回廊として整備が進められている。モンゴルはSCOのオブザーバー国で正式加盟国ではない。その理由は非常に複雑である。それでもロシアのミハイル・ミシュスティン首相は、SCOの他の加盟国と「大草原の道」について熱心に語り合った。

モンゴル人は2014年に「タリン・ザム(モンゴル語で「大草原の道」)」というアイデアを打ち出した。これは「Five Great Passages(5つの大きな通路)」と呼ばれ、少なくとも500億ドルの投資で建設される輸送およびエネルギーインフラの迷路である。

これには、ロシアと中国を結ぶ全長997キロの国際高速道路、1,100キロの電化鉄道インフラ、すでに運行中のモンゴル横断鉄道を北部の首都スフバートルから南部のザミンウードまで拡張すること、そしてもちろん、北部のアルタンブラグからザミンウードまでを結ぶ石油とガスの新しいパイプラインが含まれる。

モンゴルのオユンエルデネ・ルハンサムサイ首相は、ミシュスティンと同様に熱心で、モンゴルはすでに33の大草原の道プロジェクトを完了したと発表した。

これらのプロジェクトは、シベリア横断鉄道、満州横断鉄道、モンゴル横断鉄道、バイカル・アムール・メインライン(BAM)を含む複雑な交通網であるロシアのユーラシア横断回廊と見事に一致している。

7月のSCOサミットでは、プーチンとモンゴルのウハナギーン・フーレルスフ大統領がユーラシアの物流に関する戦略的詳細事項についてかなりの時間をかけて話し合った。

その後、プーチンは9月初旬にハルハ川での対日本のソ連・モンゴル共同勝利の85周年記念式典に出席するためモンゴルを訪問し、プーチンはロックスターのように歓迎された。

これらすべてが戦略的に完璧な理にかなっている。ロシアとモンゴルの国境の長さは3,485キロメートルである。ソビエト連邦とモンゴル人民共和国は100年以上前の1921年に外交関係を樹立した。両国は、モンゴル横断ガスパイプライン(これもまたロシアと中国のつながり)や、ウランバートル鉄道の近代化のジョイントベンチャー、ロシアによる新チンギスハーン国際空港への燃料供給、ロスアトムによる原子力発電所の建設など、重要なプロジェクトで協力してきた。

モンゴルには、レアアース(埋蔵量は驚異的な3100万トンに達する可能性がある)からウラン(推定埋蔵量130万トン)まで、豊富な天然資源が眠っている。モンゴルはいわゆる「第三の隣人」アプローチを適用するとしても慎重なバランス感覚を保つ必要がある。なぜなら、モンゴルは米国とEUのレーダーに常に捕捉されており、欧米諸国はユーラシアがロシア・中国と協力を縮小するよう求めているからだ。

当然ロシアは欧米諸国よりも戦略的に大きな優位性を持っている。モスクワはモンゴルを対等なパートナーとして扱っているだけでなく、エネルギー安全保障に関してモンゴルのニーズに応えることができるからだ。

さらに魅力的なのは、北京が「大草原の道」を「一帯一路」と「非常に整合性が高い」と見なし、両プロジェクト間の相乗効果と「ウィンウィンの協力」を称賛する熱狂を完全に備えていることだ。

これは軍事同盟ではない

大草原の道構想を補完する形で、中国の李克強首相は、SCOサミットに出席するためだけでなく、650億ドル規模の中国パキスタン経済回廊(CPEC)の次の段階を推進するという、接続性を優先した目的でパキスタンを訪問した。これは、おそらくBRIの旗艦プロジェクトである。

李首相とパキスタンのシャリフ首相は、あらゆる困難を乗り越え、またCIAが資金提供する分離独立派武装組織バルーチ・ゲリラによる断続的な襲撃にもかかわらず、ようやくバルーチスターン州南西部に位置する、戦略的に重要な中国資本によるグワダル国際空港の開港式を行ったのである。

CPECは、クンジェラブ峠の中国・パキスタン国境から始まり、改良されたカラコルム・ハイウェイを通り、バルーチスターン州を南下してアラビア海に至る、複数の拠点を含む非常に野心的な多層インフラ開発プロジェクトである。

将来的には、CPECはグワダルから新疆ウイグル自治区まで北上するガスパイプラインも含む可能性がある。これにより、覇権国が瞬時に封鎖できるマラッカ海峡を経由するエネルギーへの中国の依存はさらに緩和されるだろう。

パキスタンで開催されたBRICSサミット前のSCOサミットでは、両多角的機構に関するいくつかの側面の相乗効果が改めて強調された。中央アジアからインド、パキスタンに至るSCO加盟国は、特別軍事作戦(SMO)の必然性について、ロシアの主張をほぼ完全に理解している。

中国の公式な立場は、驚くほど均衡のとれた巧妙な曖昧さがある。北京は国家主権の原則を支持することを強調しているが、ロシアを非難することはなく、同時にNATOを事実上の戦争の直接的な非難者として責めることもない。

地経学的つながりは、SCOの主要国および戦略的パートナーであるロシアと中国にとって非常に優先順位が高い。2000年代初頭以来、SCOはテロ対策から地経学的協力へと発展してきた。今回もまたイスラマバードで明らかになったのは、SCOがNATOに対する軍事同盟に変貌することはないということだ。

地経学的協力を除けば、現在すべての加盟国にとって最も重要なのは西側のテロ戦争との戦いである。ウクライナ・プロジェクトの屈辱的な失敗が目前に迫っているため、この戦いはさらに激化するだろう。

SCOをさらに強固なものとし、険しい道のりの先にBRICSとの合併への道筋をつけうる仕組みは、中国が提唱するグローバル・セキュリティ・イニシアティブ(GSI)である。これはロシアの特別軍事作戦の2か月前の2021年12月に米国に提示され、拒否されたロシアの構想と偶然にも一致するものだ。

中国は、「不可分の安全保障の原則を支持する」こと、「バランスのとれた、効果的で持続可能な安全保障体制を構築する」ことを提案し、「他国の不安定を基盤とした国家安全保障の構築」に断固として反対している。これは、BRICSは言うまでもなく、SCOのすべての加盟国が支持していることである。

一言で言えば、ロシアと中国が構想する安全保障の不可分性とは、事実状国連憲章の適用に他ならない。その結果、世界レベルでの平和がもたらされることになり、またNATOの終焉を意味する。

ユーラシア全域での安全保障の不可分性はまだ受け入れられていない。なぜなら米国が複数の戦線でテロ戦争を展開し、大草原の道から新シルクロード回廊まで、国境を越えたウィンウィンの接続という複数の接点のある世界の出現を妨害しているためである。

ユーラシア全域で安全保障の不可分性を採用することはまだできないが、米国が複数の戦線でテロ戦争を展開し、複数の接点のある世界の出現を妨害している中で、大草原の道から新シルクロード回廊に至るまで、ウィンウィンの越境接続は続いている。

The geoeconomic drivers of SCO-BRICS synergy