No. 2356 トランプは中国の前にウクライナでオレシュニクされる可能性がある

Trump may be Oreshniked on Ukraine even before he gets to China

オレシュニクが登場したことで、米国が中国を攻撃しようとする場所では常にロシアとも対峙しなければならなくなるだろう。

by Pepe Escobar

最先端のロシア兵器に関して言えば、影響力を持つレイ・マクガバン(元CIA職員)が定義するMICIMATT(Military(軍)、Industrial(産業)、Congressional(議会)、Intelligence(情報機関)、Media(メディア)、Academia(学界)、Think-Tank(シンクタンク))は永遠の昏睡状態にあるように見える。

彼らは、カリブル、サルマト、ヒンザル、ジルコン、アバンガードといった兵器が導入されるまで知らなかった。オレシュニク(ヘーゼル)については、ロシア側から30分間のプロトコル通りの警告があり、ミサイル実験が実施されること、ただし核ではないことが伝えられるまで存在すら知らなかった。 アメリカ側は、それは北極圏付近で日常的に実施されている弾道ミサイル実験のひとつに過ぎないと思っていた。

オレシュニクが発射準備を整えたことは、プーチン大統領さえ直前まで知らなかった。そして、オレシュニクの存在すらごく一部の人間しか知らないことをペスコフ大統領報道官が認めた。

一言で言えば、MICIMATTが目にするのはロシアが誇示するものだけだ。そして、それが起こったときだけだ。ロシアの軍事複合体には、漏れのない秘密保持の誓いと呼べるものが浸透しており、ちなみにロシアの軍事複合体は巨大な国有企業であり一部に民間部門も含まれる。

そしてロシアの軍事複合体は、実際には、尊大な西側の集団全体よりも優れたエンジニアリング、優れた物理学、優れた数学、そして優れた実用的な最終結果をロシア政府に提供している。

オレシュニクは、運動エネルギー兵器システムであり、軍事技術や戦争に関していくつかの点で間違いなく現状を一変させるものだ。単純な物理法則から考えて、十分な運動エネルギーと質量を組み合わせれば、低~中規模の核兵器に匹敵する壊滅的な被害をもたらすことは確実である。放射能の心配がないという利点もある。

オレシュニクは、中距離弾道ミサイル(IRBM)であり、2019年にトランプ政権が米国を中距離核戦力(INF)条約から脱退させる前からロシアが(他のシステムとともに)開発を進めていた。

オレシュニクが非核大陸間弾道ミサイルに搭載できる可能性については簡潔な分析がいくつか指摘している。ロシアは非常に駆け引きがうまく、オレシュニクがロシア極東から発射された場合、米国の大半の緯度を簡単に到達できることを強調していない。

さらに、オレシュニク技術を戦術ミサイルに適用すれば(プーチンは先週末、すでにその作業が進行中であると述べた)、戦術領域全体が変わる。

つまり、ロシアは超高速度の運動エネルギー兵器を世界中のどこからでも発射できる能力を持つことになる。ただし、目標地点周辺の住民に避難を促す警告は出す。そして、どこであっても、それに対する防御策は全くない。

逃げ場も隠れる場所もない

Wokeで傲慢で無知なMICIMATT、そしてNATOや洗脳された西側全体が、まるで青天の霹靂のように、何が起こったのかまったく理解していないことは十分に予想できる。

簡潔に言えば、戦術核兵器の破壊力がありながら、狙撃の名手の弾丸のような正確性を備えたシステムなのだ。

つまり、10億ドルの航空母艦は格好の標的であり、800以上ある米軍基地、さまざまな地下壕、ICBM発射台、

海軍造船所、そして言うまでもなく、ブリュッセルのNATO本部、レヂコヴォ(ポーランド)のイージス・アショア基地、オランダのNATO統合軍司令部、ナポリの南NATO軍司令部など、莫大な費用を投じたこうした施設はマッハ10以上の速度でほんの数分間飛行するだけで、たちまち粉塵と化す非核オレシュニクにとっては格好の標的である。

今や世界中の多くの人々が、オレシュニクはベルリンまで11分、ロンドンまで19分で到達できることを知っている。また、ロシア南部から発射されたオレシュニクは、カタールの米軍基地まで13分、極東のカムチャッカから発射された場合はグアムまで22分、チュコトカから発射された場合はモンタナ州のミヌートマンIIIミサイルサイロまで23分で到達できることも知っている。

1960年代のモータウンの大ヒット曲を引用すれば:「逃げ場はない、ベイビー、どこにも隠れる場所はない」。

MICIMATTとNATOが、何が起こったのか、そして何が起こるのかまったくわかっていないことを示す明白な証拠がある。オレシュニクの弾頭がドニプロペトロフスクのミサイル工場を粉々にした後も、エスカレーションの傾向は変わっていないのだ。そして、モスクワが、地球上のどこであろうと、核兵器がなくても望むものを攻撃できると明確に示した後でさえもだ。

MICIMATTとNATOは連携してクルスクにATACMSを2度発射し、キエフに核兵器を送り込むという自殺行為の可能性に関する広報の試験的風船を放ち、NATOは企業に対して「戦時シナリオ」に備えるよう警告し、 オランダの無名人物であるNATOのロブ・バウアーはロシアへの先制爆撃を提唱した。フランスのマクロンと英国首相はウクライナへの「軍隊配備」という策を再開した(スターマーは後に撤回)。そして、忘れてはならないのが、ドイツのシュルツ政権が地下鉄駅を防空壕として使用する計画を立て始めたことだ。

こうしたエスカレートするような被害妄想は、汚い砂場で遊ぶ子供たちの騒ぎ声のようである。なぜなら、実質的には今やエスカレーションゲームを支配しているのはロシアだからだ。

ロシアと中国を引き離すのは難しい

そしてトランプ政権二期目となる。

ディープ・ステートはすでにトランプに悪辣な戦いを仕掛けている。トランプがNATOの崩壊するウクライナプロジェクトに関して何か実質的な行動を起こす前からの、事実上の先制カウンター・インサージェンシー作戦だ。

トランプの理想の出口戦略は、NATOのチワワたちにすべての負荷を残して去るアフガニスタン型の撤退かもしれない。だがそれは実現しないだろう。

アンドレイ・スシェンツォフはバルダイ・クラブのプログラム・ディレクターであり、モスクワ国立国際関係大学の国際関係学部長でもある。彼はロシアのトップアナリストの一人である。スシェンツォフは、TASSに次のような珠玉のコメントを発表した:

トランプは、ウクライナ危機を終わらせることを検討しているが、それはロシアへの同情からではなく、ウクライナが勝利する現実的な見込みがないことを認めているからだ。彼の目標は、紛争の解決よりも凍結に重点を置き、米国の利益のための手段としてウクライナを維持することである。その結果、トランプ政権下では、ロシアに対抗する長期的な戦略が継続されることになる。米国は、政権が誰であろうと、ウクライナ危機から引き続き利益を得ていくのだ。

スシェンツォフは、「米国の国家体制は、自国の利益に反するとみなした決定に抵抗する慣性構造であるため、トランプの考えのすべてが実現するわけではない」ことを十分に認識している。

これは、モスクワが二期目のトランプに対して一切の幻想を抱いていないことを示す、数ある例の1つに過ぎない。ウクライナの難問を解決するためのプーチンの条件は、少なくとも6月以降には知られていた。ドンバスおよびノボロシアからのキエフの完全撤退、ウクライナのNATO非加盟、15,000以上の西側諸国による制裁措置のすべて解除、ウクライナの非同盟かつ非核保有である。

以上だ。すべてが譲れない条件であり、そうでなければ、ロシアが望むように戦場での戦闘が続き、ウクライナが完全に降伏するまで続くことになる。

明らかに、ファイブ・アイズ(実際には米英の2か国のみ)とその手先であるフランスは、ディープ・ステート内部の最も強力な組織と並んでトランプに「ウクライナ・プロジェクト」を継続させるよう迫り続けるだろう。これは「永遠の戦争」の精神の重要な一部である。

トランプがやれる最善の策は、テルアビブの旧約聖書的な精神病質的ジェノサイド集団、およびワシントンDCのシオコン艦隊に歩み寄ることで、ウクライナ・プロジェクトへの注目をそらすことだろう。永遠の戦争の焦点を少しずらすのだ。

イランはエネルギーのほとんどを中国に輸出しているだけでなく、南北回廊(INSTC)および一帯一路構想(BRI)の、すなわちユーラシア大陸を南北と東西に横断する、絶対に欠かせない結節点でもある。

それは、BRICS3カ国(ロシア、中国、イラン)に対する同時進行の真の戦争となるだろう。結局のところ、アメリカの支配層はすでにBRICSに対する死活をかけたハイブリッド戦争に投資している。

それでも、1月20日以降、トランプと中国の対決は米国の外交政策の要となるだろう。トランプの任命したほぼ全員が、その見当違いから、ロシアと中国の包括的戦略的パートナーシップを崩壊させ、中国にイランからエネルギーを購入させないようにすることが可能だと考えている。

インド洋の沿海部における海上シルクロードや北極圏の北極海航路、さらにはINSTC(国際北南輸送回廊)における偽旗作戦の可能性を含め、航路や補給線を妨害する試みが行われるだろう。

しかし、この状況にオレシュニクが加わったことで、米国が中国を攻撃しようとする場所ではどこでも、ロシアとも対峙しなければならなくなった。そのため「中国を弱体化させるためにロシアを引き込む」症候群の一部として、ウクライナ・プロジェクトを終わらせ、NATOによるロシアの西側国境への侵食を阻止したいという誘惑が常にトランプの頭の片隅にあるだろう。

米国にとっての問題は、BRICS/SCO全体にわたるロシア・中国・イランの戦略的パートナーシップには、他の(動的な)考えがあるということなのだ。

Trump may be Oreshniked on Ukraine even before he gets to China