What Comes After DeepSeek? Part Three of Three
by Hua Bin
エンボディードAI、業種を超えた垂直的なAIの応用、低コストAIの大量導入が今後2、3年で中国から生まれる主なトレンドであると述べた。私の予測の根底にあるのは、米国が中国のAIの進展を抑制しようとしているにもかかわらず、中国はAIの発展をリードする能力を持っているということである。
最後のパート3では、米国が貿易戦争やチップ戦争のようにAI戦争で失敗する理由について述べる。間違えなく米国は2022年に中国の先端チップの輸入を制限したとき、中国に宣戦布告した。中国は当時、4130億ドル相当のコンピュータ・チップを輸入しており、輸入総額の15%を占めていた。これは中国にとって唯一最大の輸入品目で、3000億ドルの石油輸入(中国は世界最大の石油輸入国である)を上回っていた。
先週、Xie Feng駐米中国大使は、「貿易戦争、技術戦争、その他アメリカが中国に押し付けたい戦争が何であれ、我々は最後まで戦う」と述べた。
米国が基礎的なレベルで中国のAI開発の息の根を止めようとするなか、中国は自国のAI技術開発を加速させ、幅広い産業や経済分野にAIアプリケーションを迅速に展開することで対応している。
AI戦争における中国の優位性
前述したように、完全なエコシステムを形成するAI技術スタックには、チップ、基礎的なLLM、アプリケーションの3つのレベルがある。
米国は、中国が最先端のチップやLLMにアクセスすることを拒否しようとしている。しかし、中国は自給自足に向けて急速に前進している:
* チップ:Huaweiはすでに性能でNvidiaに迫る国産AIチップのAscendシリーズを展開している。アリババはオープンソース技術に基づいて最先端のRISC-Vチップを開発している。Huaweiは国産EUVリトグラフィーマシンの開発でも着実な成果を上げている。
北京大学の研究チームは、インテル、TSMC、サムスン、ベルギーのInteruniversity Microelectronics Centreの最先端の商用チップを凌駕するビスマスベースの2Dトランジスタを開発した。この新しいチップは、インテルやTSMCの最新の3ナノメートル・シリコン・チップよりも40%高速で消費電力は10%少ない。この技術革新により、中国はシリコンベースのチップ製造の課題を完全に回避できるようになるかもしれない。
https://interestingengineering.com/innovation/chinas-chip-runs-40-faster-without-silicon
* LLM: DeepSeekとQwenは、ChatGPT、Llama、その他の米国のLLMとの差を縮めた。これらの中国のLLMは低コストでオープンソースであるため、より多くの開発者・ユーザー層にリーチし、より速いスピードで開発を進めることができるだろう。
世界最大の産業基盤と消費者市場を持つ中国のAI応用における優位性については、パート2で述べた。また、中国AI企業のビジネスモデルの優位性や、政府の長期的支援と計画についても触れた。
パート3では、中国が持つもう2つの重要な優位性、すなわち人材とエネルギーを強調したい。
人材プール
言うまでもなく、AIの長期的発展にとって最も重要な要素は、その国が持つ人的資本の規模と質である。この点で、中国は圧倒的な優位性を持っている。
中国は毎年350万人のSTEM分野の学士号・修士号取得者を輩出している(事実上100%が中国人)のに対し、米国は79万人(うち留学生25%)である。ネイチャー誌によれば中国の大学は年々ランクを上げ、今や世界の研究大学(AIに限らない)トップ50の半数を占めている。
https://huabinoliver.substack.com/p/whose-universities-are-better-china を参照。
大手研究財団であるITIFによると、中国のAI研究者は過去5年間に米国の研究者の3倍のAI論文を発表している。1%の最も引用されたAI研究の中で中国の論文は米国を2:1の割合で上回った。中国は世界のトップAI研究者の半数を輩出しており、一部の研究者は中国以外の国に就職しているが中国の大学院に進学した研究者の90%は中国に留まっている。
一方、米国ではポールソン研究所の最近の報告書によると、米国のトップAI研究所で働いている中国の大学の卒業生(38%)は、米国の学校の卒業生(36%)よりも多い。米国の学校で教育を受けた中国人研究者を含めると、米国のトップAI研究所の研究者の半数以上が中国系である。
ワシントンの一部の議員や業界のリーダーたちは、国家安全保障上の懸念をでっち上げ、中国人のAI分野での就労を全面的に禁止するよう求めている。このような動きは米国におけるAIの進歩を著しく阻害するだけでなく、米国から優秀な人材が中国に流出することで中国が楽勝するようになるだろう。
エネルギー
AI競争における中国の優位性は、エネルギーである。
AIの急速な技術進歩がエネルギー部門に重大な影響を及ぼすことは今やよく理解されている。AI技術は事実上、チップ、データ、電力という3つのインプットの結果である。
コンピューティング・パワーとはチップの性能だけでなく、チップを動かすエネルギーのことである。モデルの訓練と推論(またはAIのアプリケーション)に対するほぼ無尽蔵の需要は、データセンターに電力を供給するための膨大な電力を必要とする。マイクロソフトやアマゾンなどの企業が、増え続ける電力需要に対応するため、独自の原子力発電所の建設を模索しているのはこのためである。
米国の電力セクターは国が非工業化するにつれて20年間にわたり全国的にほぼゼロに近い電力需要の伸びを続けてきたため、新たなデータセンターの需要に対応する「予備能力」は基本的にゼロである。データセンターの新規需要1ギガワットにつき、1ギガワットの発電容量を追加しなければならない。
およそ20年間、米国の電力消費量は停滞しており、2007年以降の年間平均成長率は0.7%である。1970年代以降、電力業界全体が減速している。
米国の電力業界における商業戦略、規制規範、政策論議は、このどうしようもないように見える横ばいの軌跡に条件付けられ、今では時代遅れとなっている。
その結果、既存の発電所は何十年も前のものであり、最新の(時代遅れの?)技術を使っている。アップグレードできるものはほとんどなく、新しい発電所の建設には何年も何十億ドルもかかる。これは米国におけるインフラの一般的な劣化と似ている。
AIに加えて半導体製造やバッテリー製造のような電力多消費産業からも電力需要が伸びている。米国が再工業化を試みるにつれて、鉱業、鉱物加工、化学生産、冶金などのエネルギー集約型産業の需要は爆発的に増加するだろう。AIは、こうした他のすべての需要と資源を奪い合う必要がある。
ランド、マッキンゼー、ゴールドマン・サックスの分析によると、AIデータセンターのための米国の電力需要は、2030年までに400~600%増加すると予測している。現在計画されているデータセンター・サイトだけで、米国の総電力需要は年間2%増加すると予測されている。2030年までに、データセンターの総電力消費量は現在のカリフォルニア州(約240テラワット時)を超えるだろう。
これに対し、中国の電力需要と供給は過去30年間、経済・産業の成長率(毎年5~10%)に合わせて増えてきた。中国は2011年に電力生産で米国を抜いた。中国は現在、米国(4,065 TWh)の2倍以上の電力(8,392 TWh)を生産している。中国のクリーンエネルギーと再生可能エネルギーの生産量は米国の4倍であり、その差は拡大している。
中国は、世界で最も洗練された原子力発電所、超高圧送電システムを備えたスマートグリッド、電力貯蔵施設を配備している。特にここ数年のEV産業の爆発的な成長によってこの10年間は電化の最先端を走ってきた。
昨年、世界最大の電力会社である中国国家電網は、今後10年間で8000億ドルを投じて全国的なスマートグリッドを展開する計画を発表した。
発電と送電は全て国有であるため、中国はAIデータセンターへの電力供給を含め、電力部門に長期的な戦略投資を行うことができる。
米国の電力会社が民営化され営利目的であるのに対し、中国の電力料金は公共サービスとして設定されている。中国の電力料金は$0.075/KWhであるのに対し、米国は$0.165/KWhである。
まとめると、AI戦争が激化する中、中国はAI技術スタックの各部分を強化し、米国が課すボトルネックを克服し、より迅速なイノベーションと商業化を推進している。長期的には、人的資本とエネルギー・インフラにおける中国の優位性が、さらなる競争力をもたらすだろう。
https://huabinoliver.substack.com/p/part-3-predicting-what-comes-after