*2025年6月13日未明、イスラエルはイランに対して攻撃を行った(耕助)
Will Tucker’s Article on X Stop a War with Iran?
By Mike Whitney
タッカー・カールソンは、イランとの戦争を阻止する可能性がある記事を X に掲載した。
よく知られているようにカールソンの政治見解は、元フォックスニュースのコメンテーターである彼を率直だが公平なアナリストであり自分と同じような世界観を持っていると評価するドナルド・トランプ大統領から賞賛されている。
2 人が定期的に連絡を取り合っているという証拠はないが、多くの専門家はカールソンがトランプの考え、特に外交政策に関する考えに影響を与えていると信じている。とはいえトランプがカールソンの 6 月 4 日のイランに関する投稿を読み、影響力のあるネオコンたちが、イスラエルがこの地域における覇権国となるという野望を実現するために、再び米国を中東の新たな血なまぐさい紛争に巻き込もうとあらゆる手段を講じていることを認識する可能性は十分にある。カールソンの投稿は次のとおり:
マーク・レヴィンは今日、ホワイトハウスでイランとの戦争を推進するロビー活動を行った。明確にしておくがレヴィンは自分自身がこの戦争や他の戦争で戦うつもりはない。彼はアメリカの軍隊に戦わせるのだ。イランの核兵器開発を阻止する必要がある——ワシントンの同調者たちは今、そう主張している。彼らはあと数週間で行動に移すつもりだ。
この主張を聞いたことがあるなら、それは1990年代から同じ人々が同じ主張を繰り返してきたからだ。これは嘘だ。実際イランが核兵器の製造に近づいているか、その計画を持っていることを示す信頼できる情報は一切ない。ゼロだ。そう主張する者は無知か不誠実だ。もし米国政府が、イランが数週間以内に核兵器を保有する可能性があると知っていたなら、既に戦争をしているはずだ。
イランはこれを知っているため、核兵器を作っていない。イランはまた、武器プログラムを完全に放棄することが賢明ではないことも知っている。ムアンマル・カダフィはそれを試みたが、銃剣で刺殺された。カダフィが武装を解除した直後、NATOは彼を殺害した。イランの指導者たちはその光景を目撃した。彼らは明らかな教訓を学んだのだ。
ではなぜマーク・レヴィンは再び大量破壊兵器に過剰反応しているのか?本当の目的から目をそらすためだ。その目的とは、政権交代——若い米国人が中東に戻って、また別の政府を倒すことだ。ほとんど誰もこれを口にしない。米国が外国の指導者を転覆させる記録は、あまりにも恥ずかしいほど逆効果で、政権交代は災いの同義語となった。公式には誰も支持していない。そのため、彼らの真の目的を明かす代わりに、彼らはヒステリーを煽っている:「イランのような国が核兵器を持つことは絶対に許せない!彼らはロサンゼルスを核攻撃する!今すぐ行動を起こさなければならない!」 {1}
これは、イランが核兵器を保有しておらず、核兵器を製造しておらず、核兵器プログラムも持っていないという重要な点を強調した優れたサマリーである。イランに対する法的根拠のすべてはイスラエルに有利なプロパガンダの絶え間ない波によって煽られた虚構に基づいている。アナリストのデイブ・デキャンプの記事からのこのクリップを参照:
米国情報機関はイランが核兵器を開発している証拠はなく、イランの最高指導者アリ・ハメネイが2003年に発した大量破壊兵器の生産禁止のファトワを撤回した証拠もないことを再確認した。
「米国情報機関(IC)はイランは核兵器を開発しておらず、最高指導者ハメネイは 2003 年に停止した核兵器開発計画を再開していないと引き続き評価している」と、トゥルシー・ギャバード国家情報長官は上院情報委員会公聴会で述べた。{2}
しかし、イランが核兵器を保有しておらず、核兵器を開発していないのなら、問題は何なのか?
その通りだ。だから本当の問題は、その影響力を利用してイスラエルの政策を推進する「武器化されたメディア」にある(イラク、リビア、シリアの場合と同じだ)。タッカーのコメントをさらに紹介:
言うまでもなく、イランの政権交代戦争を支持するトランプ支持者はごくわずかだ。ドナルド・トランプはこのような無謀な狂気に対して、大声で反対の声を上げてきた。トランプは平和の候補者として大統領選挙に出馬した。それが、彼を従来の共和党員とは一線を画すものにした。それが、彼が勝利した理由だ。イランとの戦争は、彼の支持者たちに対する重大な裏切りとなるだろう。それは彼の大統領職の終焉を意味するだろう。それが、トランプの敵たちの多くが戦争を擁護している理由を説明しているかもしれない。{3}
タッカーの言う通り、それはトランプの大統領職の終焉を意味するだろう。実際、マージョリー・テイラー・グリーンなど、トランプが海外での戦争を縮小し、「アメリカファースと」に専念する(彼が公約した)ために十分な努力をしていないと考えるトランプ大統領の最も忠実な支持者たちからも抗議の声が上がっている。トランプ大統領が選挙キャンペーン中に実際に述べた発言、そして、彼の対外介入や政権交代戦争への反対姿勢を理由に、彼を支持に踏み切った多くの有権者を思い出すことは重要だ。シンシナティでのトランプの演説:
私たちは、過去の過ちからようやく学ぶ新しい外交政策を追求する… 政権の打倒や政府の転覆を目指すことをやめる… 私たちの目標は混乱ではなく安定だ。なぜなら私たちは自国(米国)を再建したいからだ… ISIS や過激なイスラムテロを打ち負かす努力に協力する国なら、どの国とも提携する… 他の国々との取引では、 可能な限り共通の利益を追求し、平和、理解、善意の新しい時代を追求する。
これは、「平和の候補者」であるトランプの例だ。多くの米国人は、イラク、アフガニスタン、ウクライナにもたらした「砲艦外交」の延長ではなく、安全と協力の新しい時代をもたらすだろうと考えトランプを支持した。「力による平和」はいいが、それでもやはり平和でなければならない。再びカールソンの言葉:
そして、戦争そのものの問題もある。イランは核兵器を保有していないかもしれないが、恐ろしい弾道ミサイルを多数保有しており、その多くは、湾岸にある米軍の施設、そして米国の同盟国や重要なエネルギーインフラを標的にしている。イランとの戦争の最初の 1 週間で、何千人もの米国人が死亡する可能性もある。また、石油価格の高騰により、制御不能なインフレが発生し、経済が崩壊する可能性もある。ガソリン価格が 30 ドルになった場合の影響を考えてみてほしい。
しかし、戦争の2週目はさらに深刻になる可能性がある。イランはイラクやリビア、北朝鮮でもない。しばしば「無法国家」と形容されるがイランには強力な同盟国がある。イランは現在、世界の陸地面積、人口、経済力、軍事力の過半数を占めるグローバルなブロック「BRICS」の一員だ。イランはロシアと広範な軍事関係を結び、石油輸出の圧倒的多数を中国に販売している。イランは単独ではない。イランへの攻撃は、非常に簡単に世界大戦に発展する可能性がある。そして米国は負けるだろう。{3}
これは誇張ではない。米国は敗北するだろう。元米国陸軍大佐で、コリン・パウエル国務長官の元首席補佐官であるローレンス・ウィルカーソンによると、米国は多くの人が信じているほど強くはなく、イランとの戦争では勝利することはできないという。ウィルカーソンは次のように述べている:
イランとの戦争は死傷者と費用においてイラク戦争の 10 倍から 15 倍もの規模になるだろう…そして、私たちは敗北するだろう。間違いなく敗北する…イランはイラクとは違う…その地形は信じられないほど…その軍事力ははるかに優れており、50 万人の現役軍人、おそらく 100 万人もの予備役が即座に戦線に投入されるだろう。
以下は、Cato研究所のジョーダン・コーエンの論文より:
… 過去の分析家は米軍の空軍と海軍の力に依存する作戦の成功確率を評価してきた。2002年の戦争ゲームでは、米軍計画者が戦中ルールを変更する必要があったが、イランは米軍艦を容易に沈没させることが示された。2012年には、国防総省の当局者が、そのような戦略には最低10万人の兵力が必要だと推定した …
もし空軍と海軍の力を地上作戦に活用する意図がある場合、イランは同様に準備を整えている。そのような攻撃は、同国へのアクセスを確保するために莫大なコストを吸収する必要がある。分析家たちは、いかなる地上侵攻も160万人の米軍兵士を必要とし、これは米国がイラクに派遣した兵力のほぼ10倍に相当すると推定している。イランに到着した米軍は、世界第13位の現役兵力、世界第13位の装甲車両と自走式砲兵、世界第9位の牽引式砲兵、世界第8位の移動式ロケット発射装置を擁するイラン軍と対峙することになる。人的・物的コストは莫大になるだろう。
イランの対米戦略は、海軍と空軍の攻撃をコスト高で遅らせ、最終的に米国が戦争継続の意思を失うことを前提としたものとなる。イランは水に囲まれており、対艦ミサイルと対空ミサイルで2,400キロメートルの南部海岸線を防衛し、米国の機雷掃海艦の不足を突いて海軍攻撃のペースを遅らせる。戦争のペースを遅らせることで、イランは米国の政策決定者や国民の政治的意思を攻撃すると同時に、自らも意思決定のための時間稼ぎをし、場合によってはホルムズ海峡を封鎖してオマーン湾へのアクセスを遮断する可能性もある。{4}
要するに、イランとの戦争は惨事となり、米国は敗北するだろう。タッカーのコメント:
これらの予測はどれも非現実的なものではない。そのほとんどは国防総省自身の推計と一致している:イランとの戦争では多くの米国人が死亡するだろう。マーク・レヴィンのような人々はこの点に無関心だ。彼らにとってそれは重要ではない。代わりに彼らはイランが目的を問わずすべてのウラン濃縮を放棄するよう要求している。彼らは、イランがそのような要求を決して受け入れることはないことを知っている。彼らはまず戦うだろう。そしてもちろんそれが彼らの狙いである。トランプ政権をイランの政権交代戦争に追い込むことだ。
マーク・レヴィンのような人々が望んでいないのは、米国にとって明らかなメリットがあるにもかかわらず、イラン問題を平和的に解決することだ。彼らは合意を支持する者を裏切り者、偏見に満ちた人間だと非難する。彼らは、ロングアイランド出身のスティーブ・ウィトコフがイスラム君主制の秘密の工作員であると真顔で私たちに言う。彼らは、必要なら何でも言うし、何でもする。彼らには限界がない。恐ろしい人々だ。ドナルド・トランプが彼らを無視することを祈る。{3}
「恐ろしい」とは表現が弱すぎる。これらの人々は、私たちを全滅へと引きずり込もうとしているのだ!
トランプへの私のアドバイスは、友人のカールソンの意見に耳を傾け、イランとの戦争は避けることだ。
Links:
{1} https://twitter.com/TuckerCarlson
{2} https://news.antiwar.com/2025/03/25/us-intelligence-says-iran-is-not-building-a-nuclear-weapon/
{3} https://twitter.com/TuckerCarlson/status/1930430114602402183
{4} https://www.cato.org/commentary/despite-washingtons-confidence-us-war-iran-would-be-disastrous#
https://www.unz.com/mwhitney/will-tuckers-article-on-x-stop-a-war-with-iran/