No. 2194 我々が知っている世界が終わる

It’s the End of the World as We Know It

ロシアとの核戦争に突き進む米国―NATO

by Scott Ritter

米国は核兵器中毒であるため、抑止力に基づく安定には適していない。戦争につながるだけだ。

素晴らしい、それは地震から始まる・・・

1980年代のロックの名曲ほど、聴く人の血を騒がせるものはない。REMの1987年の名曲『It’s the End of the World as We Know It (And I Feel Fine)』は、この蒸し暑い夏の日にぴったりである。

唯一の問題は、この歌は予言であるかのようになっていることだ。なぜなら米国とロシアの間で急速にエスカレートしている核軍拡競争に関するニュースを耳にしている私からすれば、まるで私たちが知っている世界の終わりのように思えるからだ。

ニュースは良いものではない。先月5月6日、ロシア国防省はプーチン大統領の命令により、非戦略核兵器の使用を含む演習を実施すると発表した。ロシア政府関係者によると演習は「ロシア連邦に向けられた西側諸国のある高官による挑発的な発言や脅し」に対応するものだという。

ロシア側は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が5月2日付の『エコノミスト』誌の取材に応じ、「(ウクライナへのフランス軍の派遣について)私は何も除外しない。もしロシアがさらに(ウクライナへの進出を)進めようとするならば、いずれにせよ、我々は皆、この問題(軍隊を派遣するかどうか)を自問しなければならないだろう」と述べたことへの返答であった。

マクロンは自分の発言を「相手国への戦略的警鐘」と表現したが、彼の言うことを誰もが納得しているわけではないことは明らかだった。ハンガリーのペーテル・シジャルト外相は、マクロンの発言が公になった後、「もしNATO加盟国が(ウクライナに)地上軍を派遣すればNATOとロシアが直接対決することになり、第三次世界大戦になる」と言った。

ロシアは2段階に分けて演習を行い、最初の演習は5月下旬に行われた。そこでは、南軍管区の戦術ミサイル部隊が「イスカンデル戦術ミサイル・システム用の特別訓練弾薬を入手し、発射車両を装備し、ミサイル発射に備えて指定された陣地地域に密かに移動する作業」を行った。

イスカンデルMはイスカンデル・ミサイル・ファミリーの核搭載可能バージョンで、5~50キロトンの可変収量の核弾頭を1発搭載できる。(ちなみに、広島に投下された米国の原爆は15キロトンだった)。単段の固体ロケットミサイルは極超音速で飛行し、機動弾頭を持つため事実上撃墜は不可能である。射程500キロのイスカンデルMは、クリミアから発射されれば、ルーマニアにあるフランスの基地に到達が可能であり、表向きはウクライナに軍隊を急行させるために使われるだろう。

演習の第2段階は6月10日に行われ、ウラジーミル・プーチンとベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコが今年初めに打ち出したロシアの新しい核共有ドクトリンの一環として、ロシア軍とベラルーシ軍がロシアの核兵器をベラルーシの支配下に移す訓練を行った。核兵器にはイスカンデルMミサイルと重力爆弾が含まれ、ベラルーシのSU-25戦闘機で運搬される。この兵器によって、ポーランド全土とバルト三国は核攻撃の脅威にさらされることになる。

ロシアが戦術核訓練を実施していたのと同じ頃、ドイツを含むいくつかのNATO諸国は、ロシア国内の標的を攻撃するために提供した兵器を使用する許可をウクライナに与えたと発表した。5月29日にプラハで開催されたナトー外相会議の傍らで、ストルテンベルグNATO事務総長は、ウクライナにはロシア国内の合法的な軍事目標を攻撃する権利があると述べた。「ウクライナには自衛の権利がある」とストルテンベルグ首相は明言し、「われわれにはウクライナが自衛権を行使するのを助ける権利があるが、それはNATO同盟国が紛争の当事者になるということではない」と付け加えた。

プーチンはウズベキスタン訪問の合間を縫ってこれに返答し、ウクライナが西側の武器を使ってロシアの奥深くを攻撃することを提案することでヨーロッパのNATO加盟国は火遊びをしていると警告した。プーチンは、ウクライナが長距離兵器でロシアを攻撃するには、西側の衛星、情報、軍事支援が必要であり、この点で西側の支援は紛争に直接参加することになると述べた。「絶え間ないエスカレートは深刻な結果を招きうる」とプーチンは述べた。「もしこのような深刻な事態がヨーロッパで起こった場合、戦略兵器の分野での互角の立場を念頭に置いて米国はどのように振る舞うだろうか?何とも言い難い」とプーチンは言い、自身の質問に答えてこう言った。「米国は世界紛争を望んでいるのだろうか?」

6月5日、プーチンはサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席した際、国際通信社の上級編集者を前に、「なぜか西側諸国はロシアが核兵器を使用することはないと信じている。我々には核ドクトリンがある。核ドクトリンにはこう書いてある。もし誰かが我々の主権と領土保全を脅かすような行動をとれば、我々はあらゆる手段を自由に使うことができると考えている。これを表面的に軽く考えるべきではない」

しかし米国とNATOはまさにそれを実行しようとしていたのだ。ベルギーのブリュッセルにあるNATOの本部ビルで行われた英テレグラフ紙とのインタビューで、ストルテンベルグは、ロシアと中国の脅威が高まる中、NATO加盟国はより多くの核兵器を配備し、保管庫から取り出して待機させることについて協議していると述べた。「どれだけの核弾頭を運用し、どれを保管すべきかについての運用上の詳細には触れないが、我々はこれらの問題について協議する必要がある」とストルテンベルグは述べた。

It’s the End of the World as We Know It