No. 2206 中国が米国に教えられること  

What China could teach America

by Richard Cullen

数年前、国際的に著名な米国の学者ジョセフ・ワイラー教授は、ガバナンスの正統性には3つのタイプがあると主張した{1}。プロセスまたはインプット(民主的な)の正統性、パフォーマンスまたはアウトプットの正統性、そしてビジョンの正統性である。現在ハーバード大学の著名な学者が関連する分析フレームワークを用いて、特に外交政策に関して、米国と中国の現代の運用パフォーマンスを比較している。

国際関係論の第一人者であるスティーブン・M・ウォルト教授は、米学術誌『フォーリン・ポリシー』に「米国が中国から学べること」と題する刺激的な論文{2}を発表した。

ウォルト教授の主張は、米国が苦労して築き上げた世界的な優位性を維持するために何をすべきかというありふれたことだが、そこで強調しているのは、米国人は常に中国を非難するのではなく、中国が何をしていて、米国が何をしていないのかを自問する必要があるという点だった。記事全体を通して、中国の政治経済的パフォーマンスが過去40年以上にわたってもたらした驚くべき成果を理解することに重点が置かれている。

特にウォルト教授は次のように主張している。「米国の指導者たちは、外交政策に対する中国の幅広いアプローチがどれほどうまくいったかを熟考するのがよいだろう」。そして加えて:

 第一に、そして最も明白なのは、中国は、何度も米国を陥れたようなコストのかかる泥沼を避けてきたということだ。その力が大きくなってもなお、北京は、海外で大きな負担を強いられる可能性のある仕事を引き受けることに慎重である。これとは対照的に米国は外交政策の危ない状況に対する確かな直感を持っているようだ。

ウォルト教授は、米国が独裁者を倒し、民主主義を輸出しようと何兆ドルも費やす傾向にあることについては注意深く選んで言及しているが、一方でイラン、グアテマラ、チリなどでは民主主義国家を倒そうとする米国の根強い傾向については言及を避けた。米国はそのような場所では専制君主や独裁者を受け入れているのだ。

『フォーリン・ポリシー』誌はほぼ同時期に、What-ails-Americaのインタビュー{3}で、「資本主義は壊れている:それを修正する方法がここにある」というタイトルの記事を掲載した。ここでの米国にとって深く憂慮すべきことは「資本主義のゾンビ化」であるという。この記事は基本的に米国中心の話になっており、米国は市場の厳密性を放棄したために富裕層がひどい状況に陥っていると示唆している。

その分析と最終的な焦点において、ウォルト教授の記事のほうが高尚で明晰で、したがってより示唆に富んでいる。だが2つの記事を一緒に読むことは、比較検討のためのいい勉強になるだろう。

Links:

{1} https://johnmenadue.com/china-sees-remarkable-growth-in-global-soft-power/

{2} https://foreignpolicy.com/2024/06/20/united-states-china-rise-foreign-policy-lessons/

{3} https://foreignpolicy.com/2024/06/19/capitalism-is-broken-heres-how-to-fix-it/

What China could teach America