No. 2396 中国が超音速エンジンをテスト、北京からニューヨークまで乗客を2時間で運ぶ

China tests supersonic engine to fly passengers from Beijing to New York in 2 hours

この斬新なエンジン設計はデトネーション燃焼による衝撃波を利用し、推力重量比を高め、コストを下げ、構造を簡素化する

by Jijo Malayil

中国の航空宇宙企業が初めて起爆ラムジェット・エンジンをテストした。北京からニューヨークまでわずか2時間で乗客を飛ばす航空機を目指している。

Jindouyun(JinDou400)は、スペース・トランスポーテーション、またはLingkong Tianxing Technologyという会社が開発した。

中国のオンラインメディアによると、同社は高度65,600フィート(12.4マイル)以上で時速3,106マイル(5,000キロ)、つまりマッハ4の速度を達成したと報告している。

先月、中国の研究者たちは、北京の清華大学のチームが設計した、ロータリー・デトネーションエンジン、ローターコンプレッサー、ラムジェット技術を組み合わせたラム・ローター・デトネーションエンジンを発表した。

デトネーション・エンジンのブレークスルー

この斬新な設計は、従来のロケットエンジンやジェットエンジンとは異なり、デトネーション燃焼による衝撃波で推力を発生させるため、コンプレッサーやタービン部品を必要としない。これにより、エンジンの推力重量比が向上し、経費が削減され、エンジン構造が合理化される。

サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、直径30センチ(11.8インチ)未満、長さ3メートル(9.8フィート)未満という小さなエンジン設計は、約880ポンド(400キロ)という驚異的な推力を生み出すという。

電気、燃料供給、制御メカニズムなどの重要なシステムがテスト飛行で検証され、重要な性能情報が得られた。

エンジンの安定性と信頼性を確認できたことは、プロトタイプから実用製品への進化における大きな進歩だった。

一方でラム・ローター・デトネーション・エンジン(RRDE)は、清華大学が開発した極超音速エンジンで、ロータリー・デトネーション・エンジンとラムジェットに着想を得たローター・コンプレッサーを組み合わせたものである。現在のデトネーション・エンジンでは始動速度が低く、推力が不連続であるという問題があるが、RRDEは連続的な推力を提供し、効率を高めることで解決している。

固定ケーシング内のヘリカルブレードを使用することで、エンジンのローターは燃料と空気を圧縮、点火、膨張させ、1つのコンパクトなユニットにまとめ、衝撃波を最小限に抑えて性能を向上させる。RRDEは、ローターの回転数を変化させることで異なる速度で作動するため、高速移動や極超音速航空機の実現性を大幅に向上させる可能性がある。

超音速飛行を可能にする

今回のテストは、スペース・トランスポーテーションが超音速民間機「Yunxing」を開発するために不可欠なものであり、同社にとっても重要なマイルストーンとなる。SCMPによると、10月下旬にYunxingジェット機のプロトタイプのテスト飛行が行われ、制御システム、耐熱性、空気力学などの主要技術のテストに成功したという。

スペース・トランスポーテーションの超音速ジェット試作機

最後の商業用超音速機だったコンコルドは1976年に就航し、2003年に引退した。コンコルドは4基のターボジェットエンジンにより、高度60,000フィート(18,300メートル)で飛行し、水平に離着陸し、音速の2倍で巡航した。

スペース・トランスポーテーションの超音速ジェット機「Yunxing」は、最先端の航空宇宙技術を駆使し、コンコルドを凌ぐ性能を持つ。高度20,000メートル(65,600フィート)を超え、マッハ4で飛行し、垂直離着陸ができる。

ジェット機の最初の上昇にはブースターが使用され、空中で分離して超音速での飛行を可能にする。目的地に近づくにつれてサブソニックに減速し、液体ロケットエンジンをオンにして減速し、垂直に着陸する。

SCMPによると、スペース・トランスポーテーションは、ジェット機のアクティブ減速と垂直着陸能力を改良するために何度もテストを行い、高速民間航空旅行を再定義するという野心的な目標を進めている。

同社は、2027年までに最高マッハ4の超音速旅客機の打ち上げを目指している。この野心的なスケジュールは、2030年までに初の商用高速、ポイント・ツー・ポイントの輸送飛行を実現するための舞台となる。

https://interestingengineering.com/transportation/china-tests-detonation-engine-mach-4

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中国、音速の16倍を記録した世界初のジェット燃料エンジンをテスト

マッハ16の速度は時速約1万9756キロ(時速約1万2276マイル)に相当

by Abhishek Bhardwaj

極超音速飛行の分野において中国は大きな飛躍を遂げた。中国が開発したエンジンがテストにおいてマッハ16の運用能力に達したことを発表したのである。

航空用灯油を燃料とするななめデトネーションエンジン(ODE:斜め方向に伝播するデトネーション波を利用して燃焼を起こし、超音速吸気式推進システムとして機能する)は、北京のJF-12ショックトンネルで行われた一連のテストでこの性能を達成した。

JF-12ショックトンネルは、真の極超音速飛行条件を再現することができ、世界でも最大かつ最先端の施設で中国科学院力学研究所の管轄下にある。

中国科学院の科学者たちは、RP-3ジェット燃料を使用することで長時間のななめデトネーション波を実現できたと述べた。

サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によると、テストの結果、一般的なスクラムジェットエンジンよりも1000倍速い燃焼速度が得られた。また運用能力はマッハ6からマッハ16の間だと報じている。

中国が開発中の極超音速飛行用エンジン

マッハ16の速度は、時速約12,276マイル(時速約19,756キロ)に相当する。

テスト中、科学者たちはマッハ9の速度で492フィート(150メートル)ほどしか飛行できなかったと報告している。電力要件の制約により、JF-12の風洞では50ミリ秒間しか連続運転できなかった。

しかし、この短い時間でも科学者たちは技術を駆使して、ODEの点火やその他の主要技術が極超音速でどのように機能するかを理解した。

SCMPの記事によると新型エンジンは一般的なスクラムジェットエンジンと比較して、85%も燃焼器が小型化されている。科学者たちはこれにより航空機の重量を大幅に削減でき、航続距離の延長にも貢献できると見ている。

ODEの有効性の背景にある重要な要因のひとつは、燃焼を促進するために衝撃波を味方につける能力である。これは、超高速で失火の危険性がある従来のスクラムジェットエンジンとは対照的である。

SCMPの記事によると、科学者たちはODEの燃焼室の壁に5mmの凹凸を付けた。これにより、衝撃波による自発的な爆発が誘発されたという。

テスト段階のピーク時には、エンジンは高速でもさらに推力を生み出す能力があることを示した。

ODE用予備圧縮燃料

科学者たちは、RP-3灯油に通常伴う長い点火遅延が性能を妨げないような新しい方法を試みた。

CASチームは、テスト前にRP-3ケロシンを華氏6,380度(摂氏3,527度)まで予熱した。また、翼型の支柱を使用して燃料の拡散速度を高めた。

このテストは、2030年までにマッハ16の速度で飛行できる航空機を保有するという中国の夢の実現に大きく貢献するだろう。また中国の軍が極超音速兵器、ミサイル、さらには低コストの無人機などの兵器を増強する上でも役立つだろう。

2023年初頭、中国の科学者たちはマッハ16の速度をだす「世界最強」の極超音速エンジンを開発したと主張していた。当時の発表では、空気吸入エンジンは航空機を高度18.6マイル(30キロ)まで運び、マッハ16で飛行できるというものだった。

ロシア、米国もまたより高度な極超音速兵器および航空機開発競争に参入している。しかし、中国は技術面で急速な進歩を遂げており、近いうちに新たな驚きをもたらす可能性がある。

この報告書は、中国の学術誌『Journal of Experiments in Fluid Mechanics』に掲載された。

http://xn--interestingengineering-wx68a4400f.com/innovation/china-jet-fueled-hypersonic-flight