No. 2516 ドナルド・トランプ大統領と毛沢東主席

President Donald Trump and Chairman Mao

by Ron Unz

私はドナルド・トランプに会ったこともなければ、取引をしたこともない。テレビも見ないので、2015年に彼のホワイトハウスへの予想外の強力な出馬がメディアで大きく取り上げられるようになるまで彼の行動にはほとんど関心がなかった。

しかししばらく前、トランプ氏の有力な後援者の一人と別件で個人的に会っていた時にたまたまトランプ氏の名前が出てきた。私はたいていのことについて率直に話す傾向があるので、さりげなくトランプを「無知な愚か者」と表現した。その挑発的な表現に相手が返事をしなかったことに驚きはしなかったが、彼の表情が少し恥ずかしそうだったことに気づき、沈黙は彼が静かに私自身の評価を共有していることを認めているのだと解釈した。

トランプが最近宣言した世界的な関税政策は、かつてのトランプ支持者を含め、多くのアメリカ人に同じ苦悩に満ちた結論に至らせることになるだろうと私は強く思っている。

関税政策は経済学の一部であり、私はそれについて専門知識を持っているとは言えない。実際、その逆である。

今から十数年前、私の著作が物議を醸すようになり、私は移民政策の経済学に関するニューヨークのテレビ討論会に招待された。相手はジョージ・メイソン大学の著名なリバタリアン経済学者、ブライアン・キャプランだった。番組は全米にシンジケートされ、NPRでも同時放送された。 私は経済学の授業を受けたことがないだけでなく、経済学の教科書を一冊も開いたことがないと断言し、経済学についてまったく無知であることを大胆にも告白した。

しかし、私は経済学の多くが基本的な常識であることも示唆した。おそらくそのアプローチの結果もあって、討論会ではこのシリーズ史上最も大差をつけて私たち側が勝利し、相手チームのメンバーの一人さえも私たちの立場にシフトしたのである。

https://youtu.be/EwRVNVT6xLY

この経緯を踏まえると、トランプの新たな関税政策に対する私の否定的な評価は、割り引いて受け止めるべきなのは明らかだが、完全に無視する必要はない。

トランプは2024年の大統領選挙で、「米国との貿易で一方的に不当に利益を得ている国々には重い関税を課す」と頻繁に約束しており、米国の再工業化は「MAGA」計画の重要な要素となるはずだった。したがって彼が関税を好むのは全く予想外ではなかった。

実際、就任してすぐ、トランプは経済非常事態権限と称するものを行使し、悪者とされる中国に新たな重関税を課した。これは予期されていたことだが、しかし彼はまた、最も近い隣国であり友好的な同盟国であるカナダとメキシコの製品にも巨額の関税を課すと宣言した。これは大きな驚きで、少なくとも前任期にはこの2カ国と北米自由貿易協定(USMCA)を自ら交渉していたからである。

47代大統領としてのトランプが、45代大統領トランプの政策を非難し、完全に否定することは、少なくとも驚くべきことだった。

しかし、その後数週間にわたり、トランプは北米の新関税の一時停止、撤回、修正を繰り返したため、これらの関税は単に威勢がいいだけで、近隣諸国をいじめることを目的とした国際的な駆け引きの策略に過ぎず、一時的にしか維持されないのではないかという疑念を多くの人が抱くようになった。このことは、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領時代の1993年のNAFTA(北米自由貿易協定)発効以来、徐々に形成されてきた地域経済統合への影響をかなり軽減した。

その結果、先週の水曜日に発表された、世界のほぼすべての国に対する新たな関税の大幅引き上げは、雷が落ちるような衝撃を与えた。4月2日、トランプは新たな関税率を示す表を掲げたが、その数字はあまりにも驚くべきもので、おそらく多くのオブザーバーはこの計画を1日早いエイプリルフールに発表すべきだったと感じたことだろう。

ひとつには、トランプの行動は米国の法律では明白に違法だった。多くの人が指摘しているように、関税は明らかに税金であり、米国憲法によればすべての税金法案は行政府が一方的に課すのではなく、下院で発議され、その後両院で可決されなければならない。

これは、1930年の悪名高いスムート・ホーリー関税法や、2018年に署名された45代トランプ自身のUSMCA協定などの事例を含め、250年にわたる国の歴史のほぼ全体にわたって行われてきたシステムだった。

しかし今、47代目トランプは1977年の法律に基づく緊急事態の権限を引き合いに出し、一方的な大統領令によってこの新しい世界的な関税率を課すと宣言したのだ。

しかし問題とされる「緊急事態」とは、米国自身が過去90年以上にわたって続けてきた脱工業化のことだ。著名な国際経済学者であるジェフリー・サックス教授が指摘したように、1世紀近くも続いている「緊急事態」は、あの法案で想定されていた「緊急事態」などではない。

https://youtu.be/x0alGvV0Sjc

しかし、その取るに足らない法律上の些細な点はトランプが世界の150ほどの国々に課すことにした、極めて奇妙な関税率の表面をなぞったに過ぎなかった。

例えば、事実に疎い大統領は、新たな関税率は「報復的」なものだと宣言し、実際に彼が表示したグラフの最初の列には、報復を誘発したとされる外国の関税が示されていた。スイスは米国製品に61%の関税をかけていないし、ベトナムは90%の関税をかけていない。

この数字は、米国の貿易赤字に基づいて計算された、まったく別のものだった。そのため、他国が自分たちの購入額よりも多くの商品を私たちに売った場合、実際にはそのような関税が存在しなくても関税のせいだと説明されたのである。この不条理の典型的な例としてトランプは、ノーフォーク島ハード島と南極大陸近くのマクドナルド諸島のペンギンが米国製品に対して巨大な障壁を維持しているという誤りの主張をし、それらの水鳥の不公正な貿易慣行を罰することを目的として29%の相殺関税を課したのだ。

新しい関税率を正当化するトランプの主張がまったく馬鹿げているのは明らかだが、実際にいくつもの点で馬鹿げていた。

例えば、米国が何十年もの間、世界に対して恐ろしいほど貿易赤字を拡大させてきたのは紛れもない事実であり、直近では2024年に総額1.2兆ドルに達している。

しかし、仮にそうではなく、トランプ大統領が望んだように、世界の他の国々との商品貿易が完全に均衡していたとしよう。そのような状況下では、ある国との貿易は当然黒字になり、ある国との貿易は当然赤字になる。

しかしトランプの枠組みによれば貿易黒字国には10%の新たな関税が課され、貿易赤字の国々は、より大きな関税に苦しむことになる。そしてこれらの国が報復措置を取れば、関税はさらに引き上げられることになる。つまり、トランプの政策の明白な目標であり終着点は、世界各国との貿易を大幅に縮小、あるいは撤廃することなのだ。こうしてトランプは、イラン、ロシア、北朝鮮、そして彼や以前の政権がかなりの敵意をもって見なしてきた他のすべての国々に対して行おうとしていたのと同じように、米国を自己制裁することになったのである。

奇妙なことにトランプは、気に入らない国の世界貿易を遮断することはその国に大きな打撃を与えるが、自国の貿易を遮断することは自国を強化し、米国民に利益をもたらすと考えているようだ。

彼が宣言した関税の方法はさらに奇妙だった。彼の国際貿易統計はすべて商品のみに焦点を当て、サービスは無視しているのだ。

つまり、ある特定の外国との貿易が完全に均衡しており、財の赤字とサービスの黒字がぴったり一致していたとしても、トランプは後者ではなく前者だけを考慮し、その問題を軽減するために多額の関税を課した。

1990年代、パレオコンサバティブの先駆者パット・ブキャナンは、知的エスタブリッシュメントを大いに激怒させた一連の物議を醸す経済・政治政策を提唱し、その中には関税率の引き上げも含まれていた。こうした立場から、当時のドナルド・トランプはブキャナンを「ヒトラー支持者」だと厳しく非難した。トランプ現大統領は、ブキャナンがイスラエルとその強力なアメリカのロビーに対して鋭く批判したことを除けば、ほぼすべてのブキャナンの考えを熱心に取り入れたようだが、どうやら30〜40ポイントほどIQが低いと思われる知能でそれを実行しようとしたようである。

私はトランプの奇妙な関税案をさりげなく探ってみただけで、経済学への無知を自認しているため、もしかしたらその要素のいくつかを誤解したかもしれない。しかし、メディアの報道によれば、彼の提案は米国の平均的な関税を2%程度から24%へと10倍以上に引き上げるものだという。これは経済システムにとって巨大なショックとなることは間違いない。

米国企業やそれを所有する投資家は、このショックを非常にネガティブに捉えているようで、株式市場はトランプ前任期のコロナパンデミックによる未曾有の暴落以来の急落に見舞われた。

私は以前から、米国の株価はかなり過大評価されているのではないかと疑っていたが、トランプの関税発表は、ついにその巨大なバブルに穴を開けたのかもしれない。おそらく、彼の予想や意図した以上の金融的結果をもたらすだろう。

例えば、何年もかけて毎年何十億ドルもの損失を出してきた有名なテクノロジー企業が、その市場評価を維持し、さらには成長し続けていることに、私はむしろ驚いているが、おそらくこれらは巨大な衝撃を受けながらも、ようやく現実的な状況になるだろう。私はまた、中国の安価でオープンソースのAIシステム「DeepSeek」のリリースが、毎年何十億ドルもの資金を浪費しているアメリカのAI企業にもっと大きな影響を与えるだろうと考えていたが、もしかしたらそれが現実となるかもしれない。

米国株が急落する数日前、ウォールストリート・ジャーナルは過去十数年にわたり米国株の圧倒的なリターンが前代未聞の巨額の外国投資を引き寄せてきたと指摘する大きな記事を掲載した。株価が大きく下落すれば、この資金流入は逆転するかもしれない。そしてその影響は明らかに拡大する。

木曜日と金曜日に急落した米国株は、今週は落ち着きを取り戻すか、あるいは下げ幅を取り戻すかもしれない。しかし、おそらく下落はまだ続くか、加速するだろう。

トランプがこの乱暴な関税計画の目標とするものは米国社会の再工業化であり、大企業に国内投資を増加させ、工場を国内に移転させることで達成される。しかし、多くの批評家が指摘しているように、彼の政策がその結果を達成する可能性はかなり低いと思われる。

大規模な工場の建設は、それに関連する下請け業者やサプライチェーンとともに、何年も何十億ドルも費やす可能性のある、非常に長くて費用のかかる事業である。そのため、このような大規模な投資決定を計画するには、シフトの原因となる要因が今後何年にもわたって維持され、それによってこのような長期的な資本支出が正当化されるという、大きな確信が必要となる。事業環境の不確実性は、事業投資の先送りにつながるだろう。

しかし、不確実性はトランプの気まぐれな経済政策の合言葉であることは間違いない。最近発表されたカナダとメキシコに対する破壊的な関税は、日ごとに、週ごとに、何度も制限されたり、取り消されたり、延期されたりしている。先週発表された世界的な大々的な関税措置は誰も予想していなかったし、現在進行中の世界的な株式市場の暴落を考えると、これらの関税措置が、あるいはそれを発動した大統領でさえも、数カ月後にまだ存在しているかどうかは誰にもわからない。状況がもっとはっきりするまでに長期的な投資計画に着手するのは愚かな企業だけだろう。

つまり、トランプ大統領は米国への新たな産業投資の大波を促進するつもりだったが、実際の結果は正反対になる可能性の方が高そうである。

私自身の経済的専門知識の欠如はさておき、左派、右派、中道派を問わず、悲惨な科学の実践者のほぼ全員が、トランプの政策を愚かだと非難しているのは注目に値する。これはサックス教授のような穏健な主流派経済学者の意見だが、悪名高いウォールストリート・ジャーナルの社説面も同様であった。そして、マイケル・ハドソンやリチャード・D・ウルフのようなマルクス主義に深いルーツを持つ左派経済学者の反応も、同じように辛辣だった。

https://youtu.be/x0alGvV0Sjc

数日前のその長い議論の中で、ハドソン教授は、政治指導者は自国の利益のために、あるいは少なくとも米国を所有する裕福な企業エリートの利益のために行動することが期待されているが、トランプの関税はほぼ間違いなく逆の影響を与えると主張した。一方、ウルフ教授は、「白人至上主義」に対する無差別で全く無関係な非難をいくつか盛り込むことで左派の信憑性を高めたが、それ以外は同じように困惑した結論だった。

興味深いことに、サックス教授はトランプの非合理的な行動には明るい兆しがあると見ており、米国に対して全世界を団結させることで、国際協力の促進に成功しているのではないかと示唆した。

例えば、中国、日本、韓国はしばしば互いに非友好的な関係にあったが、トランプがこれら3つの隣国すべてに異様な関税を課したことで、迫り来る経済的課題への共通の対応を図ることを目的とした相互協議が迅速に行われるようになった。同様に、欧州の主要国すべてが協力し始め、中国とのぎくしゃくした関係を修復し、インドも同じようにするかもしれない。トランプは自らを「分断者」ではなく「結束者」であると宣言することがあるが、個人的な意図とは異なるものの、世界レベルでその主張が証明されたことになる。

米国は依然として中国に次ぐ世界第2位の経済大国であり、ロシアに次ぐ世界第2位の核兵器保有国でもある。だから我々は、トランプが今世界の他の国々に対して繰り広げている異様な貿易戦争や、イランや中国に対する熱い戦争の度重なる脅し、ロシアに対するウクライナの代理戦争の継続を軽視してはならない。これらは確かに、世界システムの平和、繁栄、安定を脅かしている。

もしトランプの関税政策が成功すればトランプと彼の忠実な支持者たちは正しかったと証明されるだろう。そしてそれを非難する多くの経済学者たちはすべて信用されなくなるだろう。そうなれば米国の産業は再び灰の中から立ち上がり、戦後間もない頃のように世界の生産を支配することになるだろう。しかし私はそうなるとは思えない。

ではトランプの提案が、現在批判している多くの人々が主張するように、米国にとって、そして世界の他の国々にとっても、まったく悲惨なものになるという別の可能性を考えてみよう。妥当な歴史的類推は何だろうか?

私は、このような完全に自滅的な経済計画を推し進めるほど大胆で強力な指導者の手に落ちる主要国は極めて稀だと思う。私が思い浮かべる最もよい例えは、一般に『大躍進政策』として知られる、1958年から1962年にかけて中国の毛主席が実施した農業政策である。

推定はさまざまだが、数年前、私は中国の元高級ジャーナリストであるYan Jinshengが2008年に出版した『墓碑』という分厚い本を読んだ。Yanによれば、中国政府が公式に発表した死者数1800万人は過小評価であり、飢餓、栄養失調、病気による過剰な死者数は3500万人から4000万人程度であったという。

近年、多くの親中派の活動家たちは、あの驚くべき出来事の実態を否定しているが、数十年後に中国国勢調査局が発表した公式の人口ピラミッドには、あの巨大な飢饉によって引き起こされた乳児死亡率の大幅な上昇と出生率の低下を反映し、当時の人口に大きな穴が開いていることが確かに示されている:

毛沢東の誤った政策がもたらした中国の飢饉がこれほど深刻になった理由のひとつは、グレート・ヘルムスマンの熱心な部下のほとんどが、自分たちがうまくいっていないことを認めたがらず、その代わりに自分たちの大げさな成功を偽って報告し、悲惨な失敗を隠したからである。中国の国防相が、自分の目で見たひどい飢餓について懸念を表明すると、彼はすぐに粛清された。

これらすべては、おべっか使いのトランプ政権とそのメディアのエコーチャンバーで起こるかもしれないことと、いくらか似ているように思える。

明らかに、米国は60数年前の中国のように、食糧不足というナイフの淵でバランスを取っているわけではない。しかし、トランプの奇妙な関税制度が我々の経済的幸福にもたらす結果は、似たような軌跡をたどるかもしれない。

私は普段、コストコで大容量のトイレットペーパーを数ヶ月に1度購入しているので、幸運なことに2020年のコロナ初期の流行によるサプライチェーンの混乱で必要な製品が市場の棚からなくなる直前にもそうしていた。しかし数日前、地元のパロアルト新聞の見出しに、トイレットペーパーは私たちが輸入しているカナダの柔らかい木材から製造されており、その供給がトランプ大統領の重い新関税によって大きく途絶える可能性があると書かれていたため、いつもより1か月ほどはやく数日後にコストコを訪れてもう一つパックを購入した。ニューヨーク・タイムズは、このようなパニック買いの可能性について記事を掲載したばかりで、記者は現在のところそのような兆候を発見していないが、今後数週間のうちに状況が変わるかもしれない。

5年前、最初のトランプ政権下で、わが国はそれまで誰も経験したことのないサプライチェーンの中断を経験したが、2期目でまたすぐに同じことがおこるかもしれない。

過去半世紀にわたって厳しく否定されてきた中国の毛沢東主義の中心的な政策の一つは、『赤さ(革命的熱意)対専門家』の優先であり、重要な行政ポストの人選において技術的専門性よりもイデオロギーや個人的な要素を重視するという考え方だった。最近の出来事を見る限り、トランプはこの毛沢東主義の立場を強く支持しているように見える。

例えば、先週末、トランプはNSAの最高責任者である将軍を突然解雇したが、その理由は、ローラ・ルーマーという悪名高い風変わりな31歳の右翼活動家が、この将校を「不誠実」だと非難したかららしい。国家安全保障会議の他の幹部職員も同様の理由で解任された。

ピート・ヘグセス現国防長官を見てみよう。イラク戦争の帰還兵であり、「入れ墨 」と複数回の結婚で知られるFoxNewsのガンコな評論家のヘグセスは、トランプが8000億ドルの国防総省を管理する長官に彼を指名したが、彼は大きな組織を運営した経験はなく、彼が率いた小規模な非営利団体ではいずれも管理不行き届きで解雇されていた。さらに彼は酒に酔って暴れることで知られており、その乱痴気騒ぎの最中にレイプを犯したともっともらしく訴えられていたことがすぐに明るみに出た。

まったく不適格な酔っぱらいの強姦魔を米軍のトップに据えることは、党の忠実な支持者にとっても遠すぎる橋に思え、指名は撤回されるだろうと広く思われていた。しかし、トランプは自分の信念を貫き、煽動されたトランプ主義者たちは、揺れ動く共和党議員たちを十分に威嚇し、ヘグセスは僅差で承認された。

前回の記事で述べたように、3月中はコロンビア大学、ハーバード大学、その他多くの米国最大の高等教育の中心地に対する厳しいイデオロギーに基づく取り締まりで埋め尽くされ、これらの取り締まりをしたのは、トランプ大統領が教育政策の責任者に指名したプロレス団体のCEOだったリンダ・マクマホンだった。

https://www.unz.com/runz/the-zionist-destruction-of-american-higher-education/

毛沢東による中国の高等教育の破壊は修復に一世代を要したが、米国ではどうなるのだろうか。

その直前、イーロン・マスクのDOGEプロジェクトによって組織された若いトランプ支持者のチームが、連邦政府の巨大機関の敷地とコンピュータシステムに侵入した。彼らは、毛沢東の同じく若い紅衛兵がプロレタリア文化大革命で行ったように、彼らが軽蔑する何万、何十万もの経験豊富な公務員を粛清することを約束した。

私が特に注目したのはあるメディアの暴露で、熱狂的なトランプ・ガードの最も著名な一人が、実は私が書いた『アメリカン・プラウダ』の記事からインスピレーションを得ていたことが明らかになったことだ

* https://www.unz.com/runz/guilt-by-association-for-elon-musks-doge/

私は最近、マーク・コレットというイギリスの右翼ポッドキャスターのインタビューを受けた。主な話題はJFK暗殺事件だったが、他の問題も出てきた。

彼は、トランプ政権の人事政策について、カリグラ帝国の人事を思い起こさせると示唆した。カリグラ帝国の皇帝は、奴隷の一人がワインをサーブする能力に喜んですぐにその奴隷を帝国の州の運営や大軍の指揮官にまで昇格させたが、数日後には不満を募らせ、即刻処刑を命じたという。

コレットは、ダン・ボンジーノというトランプ右翼の評論家がRumble(動画投稿サイト)で幅広い支持を獲ていると知ったトランプは突然殻をFBIの2番手の人物に昇格させたことを指摘した。

何世代にもわたる強烈なメディアの刷り込みによって、頭の中が空っぽの共和党のベビーブーマー世代は、黒人を米国社会の神のような模範とみなすようになった。彼らのスポーツ選手やヤクザラッパーとしての英雄的な活躍こそが、西洋文明の双璧をなす文化の頂点だと考えている。ラッパーは、他国では自分たちの暴力犯罪や薬物取引に対してはるかに厳しい処罰があることに驚くと問題になる。そこでトランプは大統領1期目の間に、暴力犯罪で収監されていたラッパーのA$AP Rockyをスウェーデンの刑務所から解放するために、あらゆる手段を尽くしたのだ。

おそらく似たようなことが、トランプがニューヨーク市のエリック・アダムス市長に対する連邦汚職容疑をすべて取り下げろと要求したことの説明に役立っているのだろう。

数年前、中国のソーシャルメディアで、毛主席が現代の世界についてさまざまな疑問を抱いてよみがえるというジョークが流行した。ドナルド・トランプ大統領の最近の奇行を考えると、トランプが突然米国を世界経済から孤立させる決定をしてという話を組み込んでこのジョークが改変され、復活するかもしれない。

https://www.unz.com/runz/president-donald-trump-and-chairman-mao/