No. 2630 いまだ敗北を抱きしめて:日本1945年~2025年

Still embracing defeat: Japan 1945~2025

日本は同盟国アメリカによってほとんど修復不可能なほど歪められてしまった

by Declan Hayes

またあの時期が近づいてきた。8月15日、カトリックの聖母被昇天の祝日だ。この日東京のロシア大使館では、くじで外れを引いた者が、大使館の外で右翼のヤクザから抗議の書簡を受け取らなければならない。彼らは80年前の日本の無条件降伏に未だに不満を持ち、戦争終結時にロシアが併合した札幌の北にある島々の返還を求めている。

この芝居は、実際に見て、そして聞いてみないと信じがたい。何万人もの右翼の日本人が、世界で最も大きなスピーカーを積み、世界で間違いなく最もタフな警察組織である日本の機動隊と対峙する。あの警官たちが警棒を振り回し始めれば、頭蓋骨が割れ、血が流れることは間違いないだろう。

しかしそうはならない。他のデモと同じく、ほとんどが芝居で実質的になにも生まれない。なぜなら日本はとっくに敗北を受け入れ、NATOの遊び場における単なる金持ちのお飾りに過ぎないことを認めているからだ。

大日本帝国は、今日の中国の巨人と同様に「富国強兵」を標榜し、天皇は神の化身であるような作り話に基づいて築かれた。裕仁天皇が歩き、話す生き神様であると信じる日本人はほとんどいなかったが、大半はこの神話に付き合った。それ以外の理由はなくとも日本には不信心者の首をはねる長い伝統があったからだ。

裕仁が神であるというデタラメは朝鮮半島では特に不評だった。なぜなら朝鮮人は長らく中国の属国だったので、東京の天皇ではなく北京の僭称者を神の選び給うし者と見なしていたからだ。そのすべてが日本の朝鮮統治を特に問題のあるものにし、在日コリアンや北朝鮮政府が今日まで掻き続ける傷になっている。

しかし、北朝鮮、中国、ロシアとの悪い関係は、この聖母被昇天の祝日に日本が直面している唯一の問題ではない。

日本人の魂と構造にさらに大きなダメージを与えているのは、アメリカの占領によって生じ、今日まで日本の中心部を蝕み続けている変化である。

関心のある読者はジョン・W・ダワーの名著『敗北を抱きしめて:第二次世界大戦後の日本(原題:Embracing Defeat: Japan in the Wake of World War II)』を読むといい。この本はアメリカ人が日本の都市を核兵器で破壊し焼夷弾で焼き払った後(これは文明世界が目撃した中でも最悪の戦争犯罪だ)、どのようにして日本人の精神を植民地化したかを描いている。歴史的な後知恵を持って言えるのは、彼らは勇敢に戦ったとはいえ、大日本帝国は手に負えないほど多くのことに手を出してしまい、その暴力はヨーロッパの植民地主義基準から見ても極端なものであったが、広大な帝国を征服し支配するためにはそれが必要だった、ということだ。

しかし、まあ、それはすべて過去の話だ。レミングのように「バンザイ突撃」を行った日本兵や、アメリカ海兵隊に集団強姦される前にグアム、サイパン、沖縄その他の場所で死に身を投げた何千人もの日本の女性や子供たちは、大日本帝国の本質的な必要性にとって、それは現在ヤクザの元拠点である新宿で売春している何千人もの若い「トー横キッズ」と同じくらい不要な存在だった。

以前に太平洋戦争中にアメリカ海兵隊がハワイから沖縄、そしてその先まで強姦しながら進軍したことについて書いたことがあるが、これらのトー横キッズたちや他に何千人もいる彼らのような者たちにも、ライトが当てられ、そしてより重要なことに救いの手が必要だ。

トー横キッズとは、独特の「地雷系」ファッションを身にまとい、売春(「立ちんぼ」と呼ばれる)をしていない時に新宿東宝ビル周辺に群がる少年少女たちだ。相手は通勤客や観光客である。これらの子供たちや、路上で生き延びるために彼らが従事する卑劣な「援助交際」の映像は、以下をはじめたくさんの他の動画で視聴できる。https://www.youtube.com/watch?v=GShrQIgl6qA

そして、そのような行動を育んだ大学の強姦クラブの詳細はここ

https://www.youtube.com/watch?v=qxpADsuaTWM

で見ることができるし、学校、仕事、その他すべての形態の社会的交流から引きこもる日本の引きこもりについて読むこともできるが

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A

日本で250億ドル規模のホストクラブ産業が、トー横キッズの日常である堕落の多くに責任があるというのが大方の見方である。我々には奇妙に思えるが、ホストクラブとは、女性たち(往々にして若い売春婦自身)が、ハンサムで愛想の良い男性たちから接待を受けるために金を払う店であり、日本では非常に大きなビジネスなのだ。未成年者で合法的に飲酒できない年齢のティーンエイジャー向けの店すらある。これらのクラブやその男娼たちの活動の動画はYouTubeにあふれているが、それらは巨大なロマンス詐欺と考えるのが最適だ。そこではナイジェリアの詐欺師たちも赤面するほど女性たちは金を搾り取られる。法外な請求書に直面し、若い女性たちは借金を返済する手段を持たない。あるのは肉体での支払いだけだ。この詐欺は何十年も続いているが、それとそれによって生み出される猥雑の海が過熱したのは、特にコロナのロックダウン以降である。

これらが「ヤンキー占領」とどう関係があるのか知りたいなら、それはフィリピンのヤンキー占領や、より近年ではイラクでのヤンキー占領のように、「古きを捨てて、アメリカの利益に奉仕する新しきもの」を導入することなのだ。戦後日本の場合、それは日本をアメリカの軍事的・経済的必要に奉仕させることによって行われ、その巻き添え被害が今日のトー横キッズに象徴されている。ポル・ポト政権後のカンボジアの児童売春を想像し、そこにハローキティと数軒のトヨタやパナソニックの店舗を投げ込めば、去勢された日本のパワーハウスの一面的な姿が見え始めるのだ。

日本の主な経済的強みは、特にエレクトロニクスと自動車における高度に発達した革新的なハイテク産業、強力な輸出志向型経済とグローバル貿易への統合、膨大な金融資産、主要な債権国としての地位、そして高度に熟練し規律ある労働力にある。しかし、我々が話しているのは「ジャパン・インク」の中核にいる者たちだけで、大多数はただ爪に火を灯すように(かろうじて)生き延びているに過ぎない。日本は依然として主要な技術革新国だが、消費者向け分野は韓国、中国、その他の新興勢力に大きく明け渡してしまった。ファーウェイ、シャオミ、ヴィボ、ワンプラスが、パナソニック、三菱、ソニー、オリンパス、ニコン、キヤノンが容易に作れるはずのスタイリッシュで革新的な高度な消費者向けガジェットを作っているため、これらの大企業は競争に残るために「舞台裏」の技術へとバリューチェーンを上がっていった。韓国や中国企業が現在支配する多くの家電産業は競争が非常に激しく、参入企業が非常に多く、模倣が容易で、変化が非常に速く、利益率が低いのに対し、日本企業は現在、より少数の高度に先進的で専門的な企業しかおらず、利益率が非常に高い分野で主に見られる。それは経済的には理にかなっているが、トランプが日本に対してあらゆる方面から関税を課している状況では、日本の経済の中核的な需要を超えた大多数の人々が、この状況から抜け出す手段を見出せない。

ジャパン・インクにとっての経済的な問題は、トランプ関税が巨大な破壊球となって、彼の冷たい目が向けられる先々で混乱を引き起こす中でそうした重要な分野やその他の分野で何とか持ちこたえるかどうかだ。さらに現在日本が耐えているマスツーリズムは、それ自体が恐怖をもたらしている。それは、礼儀作法をすべて破壊しようと執念を燃やすオーストラリア人、中国人、アメリカ人の無知な観光客だけでなく、産業として、アメリカ製の粗末でその場しのぎのライフスタイルをもたらしているのだ。

日本が戦後復興した時、それは労働規律を保持し、1946年の渋谷事件以来、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

警察とヤクザが手を携えて共産主義を抑え込みながら、社会的結束も維持していた。あの日々は、去年の春の桜のように色あせてしまった。新宿でフリーランスのトー横売春婦がいることは、ヤクザが路上の稼業さえも明け渡したことを示しており、匿名で流動的な犯罪のギグエコノミーである「特流」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BF%E5%90%8D%E3%83%BB%E6%B5%81%E5%8B%95%E5%9E%8B%E7%8A%AF%E7%BD%AA%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97

が、ギャングランドでの襲撃などの分野でもヤクザを不要なものにしている。

これはヤクザの衰退を嘆くためのものではなく、東京の立ちんぼ、特流の契約殺し屋たち、そしてビル・カリー神父の大学の強姦クラブが、ホストクラブが象徴する押しのパラソーシャルな関係性から自らを解き放つために日本が根本的な社会改革を必要とする多くの理由のうちの3つであると言いたい。

「推し活」とは、強い献身を抱く誰かや何かを積極的かつ熱心に応援する行為だ。この言葉は「推し」(応援する対象、お気に入り)と「活」(活動の略)の造語である。当初は女性アイドルのファンの間で人気だったが、「推し」の概念は今や、芸能人、俳優、歌手、アイドル、声優、YouTuber、マンガ・アニメ・ゲームの架空のキャラクター、歴史上の人物、スポーツ選手、動物、電車、建築物、さらには仏像にまで拡大している。推し活信者は、コンサートやライブパフォーマンス、ファンイベントに参加したり、関連商品や限定版グッズ、コラボ商品を購入したり、ソーシャルメディアで自分の「推し」に関する投稿、ファンアート、議論をして宣伝したり、「推し」を中心としたファン集まりやオンラインコミュニティに参加したり、自分の「推し」に関するコンテンツを収集・鑑賞したりするために莫大な金額を費やす。それはまるで、「推し」がすべてを持っていく巨大な全国規模のねずみ講のようなものだ。

この社会病理がいかに狂っているかを知るには、思春期前の女子小学生のピンナップに大金を使う中年日本人男性についてのこのドキュメンタリーを見てほしい。https://www.youtube.com/watch?v=0df7k__KEHw

次に、ホストクラブに不正に得た全財産をつぎ込み、偽の彼女体験を売って偽の彼氏体験を買ったという巧妙な女性詐欺師。https://www.youtube.com/watch?v=mSDGv2DvJXg

さらに彼氏がいることで憧れのフォロワーたちに謝罪しなければならなかったテレビの気象予報士、檜山沙耶だ。https://www.youtube.com/watch?v=z7QG9owYEUY
彼女に彼氏がいるという衝撃が明らかになるや否や、テレビ局の株価は10%急落し、檜山は彼氏がいることを理由に頭を丸めてテレビで公開謝罪しなければならなかったのだ!

メイドカフェや思春期前の少女をじろじろ見る中年男性の話は置いておこう。老人をレンタルして仮面デートすることができることや、日本中至るところにある自動販売機から女性をレンタルできることも忘れてほしい。女性たちを風俗店で働かせて自分との遊興代を払わせる、日本で最も人気のあるホストもとばして、この日本の狂気の裏にあるものは一体何なのかと自問してみてほしい。

『上を向いて歩こう』、桜、酒、新宿、相撲、靖国神社、そしてその他すべてを剥ぎ取ってみれば、日本についてだけでなく我々自身の世界についても非常に厄介な現実に行き着く。日本から文化が死に絶えている。太古の昔、仏教と漢字が日の本の国に伝わり、日本人はそれをリバースエンジニアリングした。同じことが黒船やペリーの痘瘡に覆われたいじめっ子たち、そしてマッカーサーと共に横田基地か横須賀に船でマッカーサーとともに入ってきたすべてのアメリカ人たちにも起きた。彼らは無知な者たちが盆栽を曲げるように、日本を意のままに曲げてしまったのだ。

詳細は議論の余地があるが、大まかに言えば、日本は同盟国アメリカによってほぼ修復不可能なほど歪められてしまった。確かに、この被昇天の日、日本人は北のロシア、南の韓国と中国を監視し続けなければならないが、まったく、日本自体はパドルも持たずに川で立ち往生している状態だ。

ノーベル賞受賞者のサイモン・クズネッツはかつてこう言った。「世界には4種類の国がある。先進国、後進国、それに日本とアルゼンチンだ」と。おそらくそうなのだろうが、日本はそれを自らの利点として利用し、軍事問題だけでなく、経済的・社会的問題に関しても、アンクル・サムの玄関マットになるのをやめなければならない。

まずは米(コメ)だ。日本人はトランプが押し付けようとしているフランケンシュタインのような米だけでなく、タイやベトナムの米も欲しくない。もし日本が米を守れないなら、何を守れるというのか? マスツーリズムでは確かに無理だ。それはアメリカがすべての文化を均質化する手段に過ぎない。

マッカーサー将軍は、国家神道と神聖な天皇神話(ほとんど誰も信じていなかった)を破壊した功績を偽って主張したが、彼はまた、日本を結束させていた家父長制家族制度を破壊し、その代わりに、ネオンで照らされた売春宿のようなもの——ヤンキー支配後のカンボジアのようなものだが、日本の「本音」と「建前」の特性、つまり公共の意見に囚われ、自分の利益に反してもそれに従うという特性を残した——に置き換えた責任も負わなければならない。

この聖母被昇天の日に、ロシア大使館でくじ引きで負けた者は、その手紙を受け取り、お辞儀をして大使館の奥の部屋に戻り、鼓膜をチェックされるだろう。しかしその外では、そこから地下鉄で少し行ったところにある新宿のホストクラブで日本の最も弱い立場にある者たちの生活を破壊する別の夜の準備をしているだろう。それに対してヤクザが何か行動を起こすとは期待していないが、普通の日本人はその点について早急に一致団結しなければ、パックス・アメリカーナによってさらに無に成り果てる中、日本と日本人には、すき焼き、日本酒、桜の不毛な記憶しか残らないだろう。

https://strategic-culture.su/news/2025/08/15/still-embracing-defeat-japan-1945-2025/