War on Iran:Energy War Moves from Disruption to Destruction
イランに対する戦争は現在世界を動かしている最重要課題であり続ける
By b
イスラエルと米国はイラン当局者の暗殺作戦を続けている。今日イラン最高国家安全保障会議議長のアリ・ラリジャニが、娘の自宅へのイスラエル空爆により殺害されたことが確認された。この空爆によりさらに数十人の犠牲者が出た。ラリジャニは強硬派ではなく極めて有能な現実主義者だった。彼の死は、中東の平和を求めるすべての人々にとっての損失である。
イランの自発的民兵組織「バスジ」の指導者2名もイラン情報相のエスマイル・ハティブと同様にイスラエルの空爆で殺された。
これらの死のいずれも、イランの抵抗する意志や能力を弱めることはないだろう。イランはホルムズ海峡を支配することで世界経済を締め上げることができることを知っており、したがって長期的な紛争においては優位に立っている。いずれ米国はイランの終戦条件に同意せざるを得なくなるだろう:
今のイランの戦略的目標は米国と湾岸諸国に極めて高い代償を強いることで、トランプが将来のイスラエルの行動を制限する内容を含む停戦を選択するよう仕向けることだ。つまりイランは彼にイスラエルの安全保障上の利益と世界市場の安定のどちらかを選ばせようとしている。要するにトランプが始めたこの戦争に良い結末はない。
しかし、今日イスラエルはいかなる制約にも縛られていないと思っている。米国の支援を得てイランの主要なサウス・パルスガス田やその他のエネルギー施設を標的に攻撃した。
イスラエルは、ブシェール州にあるイラン最大の天然ガス処理施設を爆撃した。イスラエルはこの攻撃を米国と完全に連携して実施したと表明した。
この攻撃は、イランの軍事力や軍需産業だけでなく、その産業基盤や経済をも破壊することを目指すイスラエルの戦略と一致している。イスラエルの目的は政権交代ではなく国家の崩壊である。
今回の場合においては、イスラエルの攻撃の背後にはさらなる動機があると私は考える。イランは繰り返し、自国のエネルギーインフラが攻撃されれば、それは「越えてはならない一線」を踏み越えるものであり、ペルシャ湾全域のエネルギーインフラへの攻撃で報復すると示唆してきた。
もしイランが実際にほんとうに応酬すれば湾岸協力会議(GCC)加盟国がこの戦争に直接参戦する可能性は大幅に高まる。これこそまさにイスラエルが望んでいる事態であり、以前はこの種の攻撃に反対していた米国が今それを支持し、実行に加わっている理由も説明がつく。
この攻撃は米イスラエルの能力を示すだけでなく、米イスラエルの戦略的失敗、そしておそらくは増大する絶望感を示している。
イランのガス生産の大部分は国内で消費されている。同国の電力生産はガスインフラに大きく依存している。この攻撃はガス消費量の15%をイランに依存しているトルコへの打撃でもある。イラクも電力生産がイランのガスに依存しているため深刻な打撃を受けるだろう。カタール外務省の報道官はこの攻撃を非難した。
イランにとって最も合理的な対応は、イスラエルのエネルギーインフラを攻撃することだろう。ハイファやイスラエルのガス施設への攻撃も起こるだろうが、イランの即時の対応は、約束通り、近隣のペルシャ湾岸諸国にある5つのエネルギー施設に対する避難命令であった:
サムレフ製油所 – サウジアラビア
アル・ホスンガス田 – アラブ首長国連邦
ジュバイル石油化学コンビナート – サウジアラビア
メサイエド石油化学コンビナートおよびメサイエド・ホールディング(シェブロン傘下) – カタール
ラス・ラファン製油所(第1・第2フェーズ) – カタール
Bloombergによるとこれらの施設は現在避難中である。先物市場におけるエネルギー価格は、攻撃を受けて上昇したが、操作の影響により依然として実勢価格(アーカイブ)よりはるかに低い水準にある:
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供給への混乱が拡大する中、イラン戦争の初期段階で1バレルあたり120ドル近くまで跳ね上がった世界的な指標であるブレント原油が100ドル強まで下落したにもかかわらず、多くの地域価格指標は史上最高値を更新した。
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ホルムズ海峡外の港から輸出を行っているオマーンの原油価格は、中東から依然として出荷されているわずかな量をめぐる激しい競争に押され、火曜日に1バレルあたり154ドル近くまで急騰した。
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サクソ銀行のコモディティ戦略責任者、オーレ・ハンセン氏は「現時点では、先物市場と現物市場が乖離しているように感じる」と述べた。「これは1970年代以来最大の混乱であり、ブレントは100ドル台を辛うじて維持しているに過ぎない」。
1バレル100ドルは軽質甘味原油の価格だが、市場ではより重質な原油や精製製品も必要とされている:
西海岸におけるガソリン、ディーゼル、ジェット燃料の現在のスポット価格は、それぞれ1バレルあたり147ドル、162~170ドル、186ドルと、一見すると高騰しているように見える。しかし、中国、インド、日本、韓国の精製業者が直面している原油の実質コストが1バレルあたり150~155ドルを超えていることを考慮すれば、話は別だ。
イランのエネルギー施設への攻撃は、この戦争の経済戦線において新たな局面を切り開いた。
ホルムズ海峡での船舶の通行を遮断することは混乱を招く。エネルギー施設への攻撃は破壊的である。
被害の修復には長い時間がかかるだろう。