No. 1358「アンソニー・ファウチの正体」の紹介(2/2)

「アンソニー・ファウチの正体」の紹介(1/2)より続く

上向きの失敗

コロナ危機において、健康に有益な結果をもたらすことができなかったファウチ博士の壊滅的な失敗は、彼が半世紀にわたってNIAIDを運営してきた間の公衆衛生の悲惨な低下と一致している。連邦政府や公衆衛生局の官僚は、公衆衛生の向上を達成することで生き残り、栄えるものだと思っていた人にとっては、NIAIDでのファウチ博士の耐久性は、がっかりするような警鐘である。どのような尺度で見ても、彼は一貫して公衆衛生を向上させることに失敗している。

ファウチは公衆衛生の「J・エドガー・フーバー」と呼ばれ、公衆衛生の劣化を指揮してきた。1984年に彼がNIAIDのボスになってから生まれた子供たちは、慢性疾患が爆発的に蔓延し、この「ファウチ世代」は米国史上最も病気の多い世代となり、米国人は地球上で最も健康でない市民の一人となった。ビッグアグリ、ビッグフードそして製薬会社への彼の卑屈な従属は、私たちの子供たちを、残留農薬、コーンシロップ、加工食品の有毒なスープの中で溺れさせ、同時に18歳までに69種類のワクチンの接種を義務づけられているがそのどれもが安全性がきちんと確認されていない。{55}

ファウチ博士がNIAID所長に就任したとき、米国はまだ世界で最も健康な人口の中にランクされていた。コモンウェルス・ファンドによる2021年8月の調査では、米国の医療制度は先進国の中で最下位であり、乳児死亡率が最も高く、平均寿命も最も低かった。「もしヘルスケアがオリンピック競技だったら、米国は他の高所得国との競争で予選落ちするかもしれない」{56}と、この研究の主執筆者でコモンウェルス・ファンドの政策・調査担当上級副社長を務めるエリック・シュナイダーは嘆く。

第二次世界大戦後、米国の平均寿命は50年間にわたって伸び続け、先進国の中で最も長寿な国民となった。またIQも1900年以降、10年ごとに3ポイントずつ着実に向上していた。しかし、トニー・ファウチが1990年代に公衆衛生ではなく製薬や化学のパラダイムを拡大することに専念したため、寿命と知能の両方のペースが遅くなった。平均寿命が短くなり、米国と他国との差は5年近くにまで広がり{57}、米国の子供たちは2000年以降、IQも7ポイント下がっている。{58}

ファウチ博士のリーダーシップのもと、議会がNIAIDに調査と予防を明確に課したアレルギー性疾患、自己免疫性疾患、慢性疾患が急増し、1984年にファウチ博士がNIAIDを引き継いだときの12.8%から、いまでは54%の子供たちがそれに苦しんでいる。{59} ファウチ博士は、喘息、湿疹、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーなどのアレルギー疾患が、彼がNIAID所長になってから5年後の1989年から突然爆発的に増加した理由について何の説明もしていない。NIAIDのホームページには、自己免疫疾患が最優先課題の一つであることが記されている。1984年以前にはほとんど知られていなかった若年性糖尿病や関節リウマチ、バセドウ病、クローン病など約80の自己免疫疾患が、彼の監督下で突然流行した。{60}{61}{62}さらに現在、多くの科学者が自己免疫疾患と考えている自閉症は、トニー・ファウチがNIAIDに参加したときには米国人1万人に2人から4人だったのが、{63}{64}{65}今日では34人に1人と爆発的に増加した。ADD/ADHD、言語障害、睡眠障害、ナルコレプシー、顔面チック、トゥレット症候群などの神経疾患は、米国の子供たちに当たり前のように見られるようになった。{67} 慢性疾患の人的・健康的・経済的コストは、米国におけるすべての感染症のコストを凌駕している。2030年までに肥満、糖尿病、糖尿病予備軍が米国民の85%を衰弱させると言われている。{68}米国は地球上で最も太っている10カ国のうちの1つである。これらの疫病の健康への影響は、主に若年層に及んでいる。

何がこの大変動を引き起こしているのか?遺伝子が原因ではないのだから環境中の有害物質である。これらの病気の多くが流行したのは1980年代後半で、ワクチンメーカーが政府の保護をうけ賠償責任が免除されるようになり、その結果、新しいワクチンの導入が加速された。{69} 69のワクチンの製造者添付文書には、ワクチンの副作用として今では一般的になった各病気(全部で約170種類)が記載されている。{70}つまり、ワクチンは潜在的な犯人ではあるが唯一のものではない。1989年に始まったすべての人口層での突然に流行した病気のその他の加害者・共犯者の可能性、または共犯者として 該当する基準に当てはまるものには、コーンシロップ、PFOA難燃剤、加工食品、携帯電話と電磁波、クロルピリホス、超音波、ネオニコチノイド系殺虫剤などがある。

このリストは有限であり、これらの答えを得るための研究を計画することは簡単なことだ。疫学研究、観察研究、ベンチ研究、動物実験などを通してこれらの病気の病因を追跡することは、まさに議会がファウチ博士に課した仕事だった。しかし、トニー・ファウチは公衆衛生の帳簿を管理し、これらの疑問に答えるための基礎科学への資金提供にはほとんど関心を示していない。

それは、慢性疾患の蔓延の原因を真剣に調査すれば、ファウチ博士と彼の20年来のビジネスパートナーであるビル・ゲイツ氏がキャリアをかけて推進してきた強力な製薬会社、化学、農業、加工食品の多国籍企業が確実に関与していると考えられるからだろうか?これから分かるように、錠剤、粉末、薬、毒物、殺虫剤、汚染物質、刺し傷などの商人たちのご機嫌を取る能力こそが、ファウチ博士がHHSで長く活躍する鍵となっているのだ。

多くの原因がある危機をファウチ博士のせいにするのは妥当だろうか?膨大な予算の裁量権、独自の政治的アクセス、HHSとその様々な機関に対する権力、道徳的な権威、道徳的な柔軟性、そして叱咤激励の発言力から、トニー・ファウチは、公的なエネルギーを解決に向かわせる力を他の誰よりも持っている。しかし、彼はその逆を行っている。慢性疾患の流行の病因を特定しようとするのではなく、ファウチ博士は、連邦政府の科学研究、医学部、医学雑誌、個々の科学者のキャリアに対する圧倒的な権力を利用して、意図的かつ組織的に調査を中止させ、答えを出す可能性のある研究を妨害していることがわかる。

Dr.ファウチの薬剤師稼業

共和党員の中には、ファウチ博士の権力の蓄積と一見恣意的な発言に警戒心を抱く者もいたが、民主党員は、政治的部族主義の錬金術とコロナの恐怖を執拗に煽ることで、彼のコロナ政策が壊滅的で危険な失敗であるという決定的な証拠に目をつぶるように説得された。

公衆衛生、確固たる科学、独立した規制機関の擁護者として、汚職や製薬会社との金銭的な絡みから解放されたいと思っている私は、長年、ファウチ博士と戦ってきた。私は彼を個人的に知っているが、私の印象は私の仲間の民主党員たちとは全く異なる。彼らはホワイトハウスでテレビ放映されたコロナ記者会見で、洗練された、謙虚な、真面目な、かわいらしい、そして長い間苦しんでいたスターである彼を初めてみたはずだ。ファウチ博士は「規制の虜」の立役者、つまり製薬企業による米国の公衆衛生機関の掌握という歴史的な役割を果たしたのである。

嘆かわしいことに、コロナパンデミックの際に公衆衛生上の目標を達成できなかったファウチ博士の失敗は異例なものではない。これまで繰り返しおきてきた、製薬会社の利益と私利私欲のために国民の健康と安全を犠牲にしてきたパターンと一致している。彼は一貫して、公衆衛生よりも製薬業界の利益を優先させてきた。この本を読めば、ファウチ博士がその長いキャリアの中で、特許薬を賞賛するために日常的に科学を偽造し、一般市民や医師を欺き、安全性や有効性について嘘をついてきたかがわかるだろう。この本に書かれているファウチ博士の悪行には、何百人もの黒人やヒスパニック系の孤児やフォスターチルドレンに対する罪も含まれている。また、ビル・ゲイツと共同で何十万人ものアフリカ人を実験台にして、危険な実験薬の臨床試験を低コストで行い、薬が認可されるとそれはほとんどのアフリカ人の手の届かない高価なものとなった。そしてファウチ博士とゲイツ氏は、アフリカ大陸を、有効期限切れの危険で効かない、多くは欧米で安全性の理由から中止になった薬の捨て場にした。

この本には、パンデミックのスーパーバグを作り出すための、いわゆる「機能獲得」実験に魅せられ、多額の投資をしていたファウチ博士の奇妙な姿を紹介している。そこから、2人の米国大統領から管理を任された世界的な伝染病の引き金を引く役割を果たしていたかもしれないという皮肉な可能性が生まれる。また、新しいワクチンや薬、製薬会社の利益を促進するためのスキームとして、偽のパンデミックを推進してきた彼の20年にわたる戦略も知ることになる。またこの本には、血液やワクチンに広がる汚染を隠すための行動、製薬会社のパラダイムに異議を唱える科学者に対する破壊的な復讐、HIVからコロナに至るまでの感染症に対する特許切れの治療法を意図的に妨害し、効果は低いが利益の大きい治療法を推進してきたことも記している。彼が公衆衛生よりも産業界の利益を冷徹に重視した結果、どれほど多くの死者がでたのかも知ることになるだろう。彼がコロナでとった戦略は、科学を偽って危険で効果のない薬を市場に投入したり、たとえパンデミックを長引かせて何千人もの命を失うことになっても、利益率の低い競合製品を弾圧したり妨害したりするなど、すべてに共通する目的があった。それは製薬会社への近視眼的な献身である。この本を読めば、トニー・ファウチが公衆衛生の専門家ではなくビジネスマンであることがわかるだろう。彼はその職責を利用してパートナーである製薬会社を富ませ、影響力の範囲を広げ、人類史上最も強力で専制的な医師になったのである。読者の中には、この結論に達するために、いくつかの新しい橋を渡る必要がある人もいるだろう。しかし、多くの読者は、本当のアンソニー・ファウチを直感的に気づいていて、事実が照らし出され、整理されているのを見るだけでよいのである。

私がこの本を書いたのは、民主党員、共和党員を問わず、米国人に、製薬会社が政府を支配し、民主主義を破壊するのを許しているファウチ博士の悪質な役割を理解してもらうためであり、民主主義に対する現在のクーデターでファウチ博士が果たした重要な役割を記録するためでもある。

この章のトピックに関する更新情報、新しい引用・参照情報、および新しい情報は:

https://ChildrensHealthDefense.org/fauci-book

https://childrenshd.org/fauci-book

出所:

https://www.unz.com/article/introduction-to-the-real-anthony-fauci/