No. 1365 CIAアドバイザーは、米国は「誰もが信じたいと思う以上に内戦に近づいている」と思っている

米国で内戦(civil war:同国内の複数の対立グループが政権をとるために戦うこと)が起こるかもしれないと言ったら誰が信じるだろうか。しかし米国のCIAアドバイザー自身が、その可能性を指摘している!日本人が知るべきでありながら、最も知らないのが米国という国なのである。(耕助)

CIAアドバイザーは、米国は「誰もが信じたいと思う以上に内戦に近づいている」と思っている

by Geoff Earle

December 20, 202: Information Clearing House — “Daily Mail”

非民主的な傾向などから、ある国がいつ内戦に突入するかについてをCIAに助言する委員会のメンバーである政治学教授が、米国は多くの人が想像しているよりも内戦の可能性が高いと指摘した。

「我々は誰もが信じたくないほど内戦に近づいている」と語るバーバラ・ウォルター博士は、紛争の危機に瀕している可能性のある海外の国々について情報アナリストを指導する「政治的不安定性タスクフォース」に所属している。

カリフォルニア大学{1}サンディエゴ校の学者であるバーバラ・ウォルター博士は、シリア{2}などのホットスポットを研究し、政治的暴力に関するブログを運営しており、米国は反乱への道をたどっている徴候のいくつかを満たしていると語る。

ウォルター博士は近刊『How Civil Wars Start』(いかにして内戦は始まるか)の中で、「自分たちの愛する民主主義が衰退し、戦争に向かっているなんて、誰も信じたくないだろう」と書いている。

「もしあなたが外国のアナリストだったら、ウクライナやコートジボワール、ベネズエラでの出来事を見るのと同じように米国での出来事を見て、チェックリストに沿って内戦が起こりそうな条件をひとつひとつ評価していくだろう。そして、あなたが見つけるものは、2世紀以上前に設立された民主主義国家である米国が、非常に危険な領域に入ってしまったということだ」。ワシントンポスト紙{3}にウォルター博士はこう書いた。

ウォルター博士は、米国は「反乱前」と「初期の紛争」の段階であると結論づけたが、1月6日の国会議事堂での暴動が「反乱の開始」段階に含まれるかどうかは決めかねている。また米国は民主主義と独裁主義の中間的なカテゴリーである「アノクラシー」であり、トランプ政権の4年間で基準が下がったとしてスコアが10点から5点になった。

これにより米国は伝統的な国々から大きく遅れをとることになったのである。

「米国はもはや、世界で最も古くから続く民主主義国家ではない」とウォルター博士は言う。「現在、民主主義国家とされるのは上からスイス、ニュージーランド、そしてカナダの順になっている。米国は、カナダ、コスタリカ、日本のように、政治形態指標で+10と評価されている国ともはや同類ではない」。

米国の3人の退役将官が金曜日に独自の警告を発し、2024年以降にクーデターが発生した場合、軍の分裂が内戦に発展する可能性を懸念している。

彼らは、「我々の軍隊に潜在的な混乱の兆候がある」と言い、「不穏な数」の現役軍人が国会議事堂での暴動に参加し、起訴された10人に1人以上を占めていると指摘した。

ポール・イートン元陸軍少将、スティーブン・アンダーソン元准将、アントニオ・タグバ元陸軍少将は、ワシントン・ポスト紙{4}に寄稿し、懸念を表明している。

上層部から分隊レベルまで、党派を超えて指揮系統が完全に分断される可能性があり、これは再び反乱が起きたときに重要な意味を持つ。ならず者部隊たちが「正当な」最高司令官を支援するために自分たちで組織するという考えも否定できない。

彼らはこうも言う。

米国連邦議会議事堂での致命的な暴動から1周年を迎えようとしている。我々元軍高官は、2024年の大統領選挙の余波と、軍内部での致命的な混乱の可能性にますます懸念を抱いている。それはすべての米国人を深刻な危険にさらすことになるからだ。

次はクーデターが成功するのではないかと考えると、我々は骨の髄まで寒くなる。

ストックホルムに拠点を置く国際民主主義・選挙支援研究所がまとめた「民主主義の後退」リストに、11月に米国が登場した。

レポートによれば「世界の民主主義の砦である米国は、自らが権威主義的傾向の犠牲となり、民主主義の尺度でかなりの段数をたたき落とされた」という。

2020年の選挙結果の正当性に対するトランプ大統領の度重なる攻撃を「歴史的な転換点」とし、「選挙プロセスに対する基本的な信頼を損ね」、それが暴動を引き起こし「ブラジル、メキシコ、ミャンマー、ペルーなどにも波及効果があった」としている。

1月6日議事堂襲撃事件の特別委員会に所属するジェイミー・ラスキン議員(民主党メリーランド州選出) は、ニューヨーカー誌に掲載されたプロフィールの中で、昨年のトランプ大統領の役割は「セルフ・クーデター」を起こすことだったと表現している。

「3つの輪で最も怖いのはクーデターの内側だ。 “クーデター “と言ったが、通常の政治用語でとしてではないことを承知の上で使っている」と彼は言う。「クーデターは通常、選挙で選ばれた大統領に対して行われるものだが、これは大統領が副大統領に対して行ったことなのだ。これが政治学者が言うところの “セルフ・クーデター “なのだ」。これは不正があったとトランプ大統領が主張する州の票をマイク・ペンス副大統領に数えないようにさせるためにトランプ大統領がとった行動のことを指している。

Links:

{1} https://www.dailymail.co.uk/news/california/index.html

{2} https://www.dailymail.co.uk/news/syria/index.html

{3} https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/12/17/how-civil-wars-start-barbara-walter-research/

{4} https://www.washingtonpost.com/opinions/2021/12/17/eaton-taguba-anderson-generals-military/

https://informationclearinghouse.info/56935.htm