No. 1434 ファイザー社の完璧なタイミングでの流行病

ファイザー社の完璧なタイミングでの流行病

by Larry Romanoff

このエッセイは、「A Litany of Pharma Crimes」(製薬会社の犯罪の数々)と題したビッグ・ファーマに関するシリーズの一部である{1}。

これは現在起きている新型コロナの惨事と関連しているため特に重要であり、今日世界で起きていることを完全に認識し、理解するために、別々の部分が形成するすべての点を結び付ける必要がある。

新型コロナに関する私の記事に加えて、それ以外の部分は製薬業界全体に蔓延する犯罪性を明らかにするものだが、これには欧米諸国の政府、世界保健機関(WHO)やユニセフなどの国連機関、ロックフェラー研究所などの財団、ビル・ゲイツなど最高レベルにおける共謀が含まれている。それは殺人的な犯罪行為としか言いようがなく、一読しただけではほとんど信じがたいだろう。このような話を読むと私たちは本能的に、「そんなはずはない。そんなことをするはずがない」と自分に言い聞かせる傾向がある。最終的に「そうだ、彼らなら確実にそうした   はずだ」という結論に達するのは、苦痛であり、動揺を伴うだろう。この後にも、新型コロナの注射(ワクチン)とファイザーの犯罪歴など、非常にショッキングなエッセイをいくつか予定している。

いまでは、新薬の多くが回復不能な肝障害などの深刻な副作用を伴い、子どもたちの命にかかわることが多いことはよく知られている。1996年、ファイザー社は髄膜炎をはじめ様々な感染症に効くとしてトロバンという新しい抗生物質を開発した。このような新しい抗生物質の多くは非常に強力で、通常子供に使うには危険すぎる副作用があり、しばしば永久的な肝障害、関節疾患、その他衰弱を伴う合併症を引き起こす。どういうわけかファイザー社は乳幼児に対して治験を行うことを決定した。しかし     米国FDA(連邦医薬品局)の認証には人間を対象とした臨床試験が必要という問題があり、それは先進国ではほとんど不可能だった。なぜなら、このような危険な臨床試験に子供を参加させる親はいないし、ましてや臨床試験がうまくいかなかった場合には訴訟沙汰になるからである。そのためこれらの製薬会社は法律が未整備で未試験・未承認薬のリスクを理解しない国民が多いアフリカ、アジア、南米の貧しい国々で治験を行う傾向がある。米国(とヨーロッパ)の製薬会社は、こうして発展途上国を金銭的な責任を負わない巨大な実験場に変えてしまったのだ。

幸運にもファイザー社がこの新薬の臨床試験を開始しようとしたまさにその時、ナイジェリアは突然、史上最悪の髄膜炎の流行に見舞われることになった。そしてもちろんファイザー社はナイジェリア政府を助けて、その流行に対処した。しかし厳密にいうとファイザーはアウトブレイクに対処したのではなかった。ファイザーが行ったのは、文句を言いそうにない患者を対象に新薬の臨床試験をしたのである。ファイザー社は、「助ける」のではなく、試験グループと対照グループを作り、一方にはファイザー社の新薬を、もう一方には競合他社の製品を与えた。彼ら米国人がそれを行ったのは     人道的な任務ではなく実地試験の費用を節約するためだということはすぐに明らかになった。200人ほどの患者に実験した後、治験の情報を集めると、髄膜炎が流行っている最中に命を救うこともなく帰ったのである。ナイジェリア政府の発表では死者数は     約11,000人だったという。

それで終わるはずだったが、その直後にファイザー社の治験の必要性と髄膜炎の発生との関係について論争が起こった。たまたまその直前までWHOはナイジェリアに滞在しており、別の「命を守る」予防接種プログラムとしてポリオの予防接種を行っており、髄膜炎の発生時期や発生場所がWHOのポリオ予防接種の時期と完全に一致していた。そしてもちろん、大量の被験者を必要とするファイザー社のニーズにも完璧に合致していた。訴訟と支払い、非難と否認が起こり、ナイジェリアは今日に至るまでWHOの入国を拒否しており、今後は国連やWHOからのいかなる「人道的」援助にも参加することはないだろう。WHOがファイザー社の検査のために髄膜炎の流行を意図的に作り出したと断定することはできない。しかし、既知の事実のすべてに合致する唯一の説であり、そしてこのようなことをWHOは定期的に行っているように見える。このアフリカの子供たちに対する試験の後、ファイザーが米国とヨーロッパでトロバンを販売しようとしたが、FDAは深刻な危険性を理由に米国の子供たちへのトロバンの認可を拒否したことに注目しなければならない。

この「実地試験」終了後のファイザーの行動は、どちらかといえばさらに非難されるべきものであった。この訴訟は、ファイザー社が実験薬を子供に使用する際、両親から適切な同意を得ていなかったという主張に基づいている。その結果、多くの子供が死亡しただけでなく、脳に損傷を受けたり、麻痺したり、言葉が不明瞭になったりした。ファイザー社は最終的にナイジェリア州政府と和解し、7500万ドルの損害賠償を支払い、3500万ドルの基金を設立して被害者に補償することになった。これは、『ガーディアン』紙が「ファイザー社との間で、激しい論争を巻き起こした薬事裁判をめぐる15年にわたる法廷闘争」と報じた後のことである。ファイザーは最後まで抵抗し、貧しい家族に15年間の地獄を味あわせた後、ようやく譲歩しただけではなく、違法な薬物実験の小さな犠牲者の家族への支払いを避けるためにナイジェリア政府の役人を強要し脅迫したのである。英ガーディアン紙は、リークされた米国政府の外交文書から、「ファイザー社は、ナイジェリアの司法長官に対して訴訟を取り下げるよう説得するために、汚職の証拠を探す調査員を雇った」ことがわかっており、明らかに米国務省はこれを知っており、おそらく援助もしていたと報じている。

ガーディアン紙は、外交文書には2009年4月9日にアブジャ大使館で行われたファイザーのカントリーマネージャー、エンリコ・リゲリ氏と米国当局者との会議が記録されていると述べている。「リゲリ氏によれば、ファイザーは連邦検事総長マイケル・アオンドアカアの汚職との関係を暴き、連邦訴訟を取り下げるよう圧力をかけるために調査員を雇っていたという。ファイザーの調査員はこの情報を地元メディアに流していた」とガーディアン紙は報じたが、ナイジェリアの司法長官がこの圧力に動かされたという示唆も証拠もなかったとしている。ファイザーはもちろん、この意見は「荒唐無稽」だと主張したが、「機密」と分類された外交文書は嘘をついていないだろう。

ファイザー社はその発言において政府の承認があり親は知っていたという主張だけでなく、ナイジェリア人の医師が実験を担当して指揮していたと主張するなど、すべてにおいてごまかしていたようだ。政府の調査によると、現地の医師は「名ばかり」の責任者でほとんどの場合、研究の手順さえ知らされず、通常「秘密裏に」行われていたことがわかっている。またファイザー社はこれらの臨床試験のFDA承認を得るために、存在しない部署からの偽の手紙を使用した。ファイザーは最終的に偽造された手紙が「不正確」であったことを認めたが、それが最も適切な形容詞であるかどうかは分からない。ファイザーはまた、同社の抗生物質「トロバンが病院のどの治療よりも高い生存率を示した。トロバンは間違いなく命を救った 」と腹立たしいほど不誠実な主張をした。そうかもしれないが、ファイザーがこの主張の根拠としたデータは、ある場所でファイザーの薬を使った後に5人の患者が死亡し、別の薬を使った後に6人の患者が死亡したという事実であり、感染の重症度などに関するデータはない。よくてもこれは空虚で根本的に不誠実な主張である。

ファイザー社のトロバンが子供に致死的であるという問題から目をそらすために、国境なき医師団(MSF)がファイザー社の薬を大規模な治療プログラムで投与していると主張したが、MSFは「我々はこの系統の抗生物質を扱ったことはない」と激しく否定し、「髄膜炎に使ったことはない。だから病院でこの治験を見たときはショックだった」 と述べている。ファイザーに対する訴訟が「完全に政治的なものだ」と主張したのは、ファイザーのリゲリであった。MSFがファイザー社のトロバンを子供たちに投与したという告発をでっち上げたのもリゲリだった。

2006年、『ワシントン・ポスト』紙は、ファイザー社が未承認薬を脳感染症の子どもに投与する実験を行い、国際法に違反したと結論付けたナイジェリア政府の長大な調査について報じた。ポスト紙は、5年間隠されていた機密報告書のコピーを入手したようである。ファイザー社が臨床試験の許可を政府から受けたことがないことが記載されている。この認可書は、実在しない部署の便箋で偽造され、研究以前の日付に遡及して作成されたものであるという。同紙の記事によると、政府はファイザー社の「人道的努力」を「未登録薬の違法な試験であり、無知な人々を搾取する明らかなケース」であると主張したという{2}。

米国人の反応はこの詐欺に加担したことを恥じるものではなかったし、国務省はファイザー社が治験を行ったこと、あるいは強要や脅迫を試みたことを非難しなかった。それどころか米国大使はまるで犯罪を公にすることが、犯罪そのものよりも悪い行為であるかのように、米国大使館公電の漏洩を非難した。国務省はファイザー社の裁判が、犯罪の発覚よりもはるかに多くの「罪のない人々を危険にさらし」「関係を妨害する」ことになったという事実を無視して、道徳的に優位な立場をよそおい「罪のない人々を危険にさらした」「国家間の平和的関係を破壊する」と非難した。しかし米国政府の目には米国人は犯罪を犯していないし、いずれにしても被害者は白人ではなかったのだ。さらに同電報はファイザーが和解したのは、法律と「調査」費用で年間1500万ドル以上のコストがかかっていたからだと主張した。自分たちが破壊した人命の補償のために、その半分の金額を払うのを避けるために、年間1500万ドルを15年間使い続ける人たちの心境はどうなっているのだろうと思わざるを得ない。{3}{4}{5}{6]。

そしてまだある。私たちは、米国の裁判所が管轄権のないところで管轄権を持ち、米国の関与もなく米国外で起きた事件を裁くことに同意した例を文書で数多く見てきた。これらは国際法に著しく違反し、帝国の傲慢さを示すものである。しかし、ナイジェリアが米国でファイザー社に対して訴訟を起こそうとしたとき米国の裁判所は奇妙なことに自分たちには管轄権がないと主張してその裁判を拒否した。米国政府、国務省、そして裁判所は、米国の多国籍企業を守るために裁判を開かなかったのはこれが初めてではない。

2004年と2007年、ナイジェリアのメディアは同国が国連の保健当局によるポリオワクチンの追加投与を拒否し、1996年にファイザー社が同国で行った極めて疑わしい薬の治験の結果、髄膜炎の流行を引き起こしたのはWHOだと非難していると報じた。(米国や欧米のメディアでは大きく取り上げられなかった)。またナイジェリアの指導者たちは、ポリオやその他の外国のワクチンが、同時期にフィリピンなどで起きていたように殺菌剤などの薬剤で意図的に汚染されていることを懸念していた。アフリカの多くの国では、国際機関や欧米の製薬会社に対するかつての信頼はほとんど残っていないようである。今日、彼らは主に、明らかに反人間的なアジェンダ、少なくとも反非白人のアジェンダを持つ帝国の犯罪者と見られている。ナイジェリアや他のアフリカ諸国では、予防接種を許可しているところもあるが、現在ではWHOや他の西洋の機関が関与しない、信頼できる非西洋の国で準備されることを要求している。

今日、多くの国がWHOはイスラム教徒の人口を減らすための道具だと主張しているが、この主張を単なるパラノイアとして片付けることは難しくなってきている。実際、ナイジェリアではWHOのワクチンに明らかに女性の生殖能力を低下させる効果のある殺菌剤が含まれていることが判明している。欧米のメディアは、このような主張と疑惑を裏付ける証拠の数々を断固として無視する。そして、「世界はポリオを撲滅する努力を怠っているのではないか」という道徳的な懸念に焦点を当て、多くの国々の正当な懸念を無知で不見識な疑念に分類している。欧米のメディアはもちろんこの暴挙の加害者としてこの方針に合意している。

また、常に企業擁護者たちが存在し、彼らは誤った情報を織り交ぜ、無関係な事柄を不可逆的に混乱させ、人々の心に疑念を抱かせようとする。長年にわたり彼らがつかうお気に入りの主張のひとつに 「製薬会社に対するこうした攻撃は各国が医薬品の利益を下げるような法律を制定することを促し、ひいては新薬の開発を阻害する可能性がある」というものだ。この愚かな発言をしたのはInternational Policy Networkの「フェロー」であるRoger Bateである。この団体は大手製薬会社のロビー団体で、通常の財団や企業から資金提供を受けている。そしてロンドンのデイリー・テレグラフ紙が、無知な大衆を混乱させるキャンペーンとしてこれを忠実に報道している。この発言は実に巧妙で、私たちが大手製薬会社の残虐行為や違法行為を非難することは、不当で暴力的「攻撃」だと示唆しているのだ。

ファイザーとナイジェリアでのトロバンの治験の場合、テレグラフ紙は、根拠も資料もないのに大手製薬会社に同情するように、「ナイジェリア政府がファイザーを非難する動機もまた調べるべきである」と報じている。つまりこれは子どもの死を招いた非難されるべき治験から、政治的動機が疑わしい信頼できない政府という問題にすり替えているのである。こうして西側メディアはあらゆる形の真実が風景から永遠に消え去るまで、紡ぎ、織りなすのだろう。{7}

Notes:

{1} https://www.bbc.com/news/world-africa-14493277

{2} http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/05/06/AR2006050601338.html

{3} https://www.theguardian.com/world/2011/aug/11/pfizer-nigeria-meningitis-drug-compensation

{4} https://www.reuters.com/article/us-pfizer-nigeria-idUSL287662420070930

{5} https://www.spiegel.de/international/world/using-africans-as-guinea-pigs-nigeria-takes-on-pfizer-over-controversial-drug-test-a-517805.html

{6} https://www.washingtonpost.com/world/2021/03/20/nigeria-pfizer-kano-coronavirus-trovan/

{7} https://www.telegraph.co.uk/finance/2851541/Personal-view-Anti-test-case-thats-hard-to-swallow.html

More Reading: https://www.telegraph.co.uk/news/health/3112841/Drugs-companies-fund-patient-groups-which-attack-NHS-decisions.html

https://www.unz.com/lromanoff/pfizers-perfectly-timed-epidemic/