No. 2846 中国人はこの戦争についてどう言っているか?

What are the Chinese saying about the war?

もがき苦しむ米国の戦争マシンに対するあからさまな嘲笑――「タリバンをタリバンに置き換えるのに20年、ハメネイをハメネイに置き換えるのに8日」

 by Hua Bin

イランでの戦争は2週間足らずで4年続くウクライナ戦争よりもはるかにジェットコースターのような展開になっている。米国が代理戦争ではなく直接戦争に介入する時、それはシアタータイムだ。

 この戦争は、昨年6月の「12日戦争」と同様に交渉を装った卑劣な暗殺で幕を開けた。この二重の欺瞞に中国の世論は強い関心を寄せている。

公式メディアはいつものように控えめで、事実に基づく報道と自制および早期の停戦を求める呼びかけに焦点を当てている。

ソーシャルメディア上の反応ははるかに鮮烈で多様かつ直接的であり、イランへの全面的な支持と「USrael(米国とイスラエル)」への非難で溢れている。

人々は米国政権から日々流される大げさで誇張された声明をあからさまな嘲笑と嫌悪の眼差しで見つめている。

Douyin(中国国外ではTikTokとして知られる)には、トランプやヘグセスの短編動画が溢れており、人気のある動物コメディよりも多くの再生回数を稼いでいる。交通事故の映像にはつい目がいくものだ。アヤトラ・アリ・ハメネイの息子モジュタバ・ハメネイが新たな最高指導者に任命された際、中国のソーシャルメディアでは、この戦争が「アフガニスタン2.0」になりつつあるというジョークが広まった。イランのミサイルやドローンに対するUSraelの防空体制の貧弱な対応は笑いの対象になった。

中東に滞在する中国人観光客や労働者が投稿した何百本ものショート動画には、イランのミサイルやドローンがテルアビブ、ハイファ、ドバイ、ドーハ、バーレーン、クウェートに降り注ぐ様子が映っている。その多くは数百万回の再生回数を記録した。

ネット上のブログや動画では、湾岸の従属国にある破壊されたTHAAD部隊や米国の長距離早期警戒レーダーの衛星画像が取り上げられている。

ソーシャルメディア上の分析では、パトリオット、THAAD、イージスといった「神格化された」米国の防空システムの不十分な迎撃率と弾薬備蓄量の少なさに焦点が当てられている

多くの論評家は、昨年6月の核施設爆撃の時と同様、トランプが「完全かつ徹底的な」米国の勝利を時期尚早に宣言することで、まもなく「TACO(トランプはいつも逃げ出す)」すると予測している。

結局「勝利」とはトランプが主張する通り、つまり彼の国の現状そのものとして定義されるものだからだ。

もしトランプが今後数週間のうちにそうすれば、米国はモディやインドと同じような「高い評価」を受けることになるだろう。

ニューデリーは昨年5月のパキスタンによる屈辱的な敗北を魔法のように10日間にわたる国民的祝賀に値する完全な勝利に変えた。

おそらくトランプもモディに倣い、ニューヨークの5番街やクリストファー・ストリートで有名なニューヨークのゲイ・パレードのようなパレードをすることだろう。

より真面目な分析家たちは、過去12日間の出来事はイランを爆撃して迅速な服従と政権交代を強いるという「USrael」の計画が開始早々に頓挫したことを示していると指摘している。

消耗戦になるという結末がますます現実味を帯びてきた。

短期的には、USraelの空爆作戦が激化し、製油所、海水淡水化プラント、病院、学校といった民間インフラへの無差別爆撃が行われるだろう。これはイスラエルが2年以上にわたりガザで行ったのと同様だ。

イランはこれを甘受せざるを得ない。痛手は受けるだろうが、倒れることはない。空爆作戦だけでは政権交代につながらないからだ。

イランは生き残り、さらに反USrael的な姿勢を強めて浮上するだろう。国内の親西側勢力、いわゆる「改革派」は疎外され、あるいは根絶される。

米国にとって選択肢の一つは、クルド人のような愚かな代理勢力を誘い込み、イラン国内で反乱を起こさせることだ。

USraelによる裏切りが誰の目にも明らかになった今、そのような代理勢力がまだ存在している保証はない。クルド人自身、何度も米国による裏切りの犠牲者となってきたからだ。

トランプは地上部隊を投入し、地上侵攻を開始する可能性もある。

そのような動きは、中東における「終わりのない戦争」(すなわち、低強度の反乱)の単なる再現ではなく、ベトナム戦争並みの大失敗となるだろう。

「骨棘の戦士」であり、5回も徴兵を逃れたトランプに、その度胸はないと断言しても差し支えないだろう。

先週、私は「偽りの交渉を口実に86歳の癌患者を殺害することが、どうしてイランの能力を弱体化させ、USraelの戦争目的を前進させることになるのか」という疑問を提起した。

その答えは、先週の戦場での行動から明らかになった。

明らかに、ハメネイと彼の家族の大部分を暗殺することは犯罪的かつ野蛮であることは言うまでもなく、USraelがやり得る最も愚かな行為の一つなのだ。

それは、トランプ政権や西側のプロパガンダが称賛する「見事な成功」とは程遠い:

– 奇襲攻撃はイランの軍事力を微塵も弱めなかった

– イランはUSraelとその地域の従属国に対して断固として報復した

– USraelは道義的正当性を完全に失い、世界的な反感を招いた

– 復讐を誓うイラン人がトランプとそのユダヤ人のボスを暗殺することは、今や完全に正当な行為となった

– USraelはイランの核兵器開発を阻止する最大の責任者を取り除いた。今やその誘因は、ほとんど抗いがたいものとなっている

– 新たなハメネイが指揮を執っている。彼は若く、厳格で、父親よりもはるかに強硬だ。一族が皆殺しにされた上、イスラム教の名誉の掟が報復を求めているからだ

– 抵抗するという国民の決意は弱まるどころか、さらに強固になった

中国のソーシャルメディアや地政学アナリスト、軍事オブザーバーの間で最も頻繁に議論されているトピックを見てみよう:

– 戦場の現実は米国の軍事力について何を物語っているのか?中国にとってどのような意味を持つのか?

– この戦争は中国のエネルギー安全保障にどのような影響を与えているか?

– 中国は今、イランに直接的な軍事支援を行うべきか?もし行わなければ、中国は国際的な影響力を失うことになるか?

– 4月のトランプ大統領の習近平国家主席への訪問で注目すべき点は何か?

戦場の現実、米国の軍事力、そして中国への影響

最初の1~2日間、西側メディアではUSraelを称える祝賀ムードが漂っていた。

彼らは、ハメネイ師の排除に成功したことをUSraelの軍事的優位性の証拠として挙げた。

さらに、彼らはこの空爆の「成功」を、イランが保有していたと証拠もなく主張する中国製防空システム「HQ-9B」の無効性を示す証拠として利用した。

こうした見解は『Fox』や『BBC』といった「フェイクニュース」メディアのコメンテーター陣を埋め尽くしている。

興味深いことに西側のソーシャルメディア上で同様の偽情報が拡散されており、その多くはインドを拠点とするアカウントに由来している。

この議論自体まったくの空想である。

2000年代初頭以降、中国がイランに軍事システムを移転したことを中国もイランも一度も認めていない。

衛星画像や電磁波シグネチャといった証拠は一切提示されていない。米国やイスラエルの軍事報告書でそのような主張がなされたこともない。

CM302超音速対艦巡航ミサイル(YJ-12の輸出型)を含む、こうした移転の噂は「12日戦争」後に流布したが、それらは明らかに虚偽である。

中国外務省の毛寧報道官は、戦争開始前の記者会見で質問を受けた際、HQ-9BやCM-302を含む中国製軍事装備のイランへの移転を明確に否定している。

HQ-9Bがイランで破壊されたという情報の真偽については、Geminiで事実確認をすればよい。答えは以下の通りだ:

もし誰かが衛星写真がHQ-9Bが破壊された証拠だと主張するなら、それは証拠を誤って解釈している。イランの防空拠点が攻撃を受けたという明確な証拠はある。イランの防空網が米・イスラエルの攻撃を阻止できなかったという明確な証拠もある。しかし、あなたが問うている特定のシステムであるHQ-9Bが破壊された装備であったこと、あるいは攻撃を受けた拠点に配備されていたことさえ、公的に検証された証拠は一切ない。

親米派の『ジャパン・タイムズ』は、イランがHQ-9Bを保有していないと報じた:

https://www.japantimes.co.jp/news/2026/03/03/asia-pacific/politics/china-arms-iran/

中国軍事の専門家であるジョシュ・ホアン=ウィルクスも同意見だ:https://dominotheory.com/hq-nein-analysts-say-no-evidence-iran-is-using-modern-chinese-air-defense-systems/

中国の軍事関与の実際の規模を理解するもう一つの材料として、3月5日のタッカー・カールソンによる国家安全保障アナリスト、ブランドン・J・ワイチャートへのインタビューがある。

ポッドキャストの1分10秒以降で関連部分を聴くことができる:https://youtu.be/gHrFcBeB7Lw

中国がイランに提供しているのは、12日間の戦争後に導入された北斗(BeiDou)衛星測位・誘導システムである。

イランは昨年9月、米軍がイラン軍が使用するGPS信号を遮断したり妨害したりできないよう、GPSから北斗への切り替えを公表した。

2026年のイランのミサイルおよびドローン攻撃の命中率と精度が昨年6月と比べて飛躍的に向上したのは、北斗システムのおかげだ。

この件に関するアルジャジーラの報道はこちら:

https://www.aljazeera.com/features/2026/3/11/could-iran-be-using-chinas-highly-accurate-beidou-navigation-system

イラン航空宇宙軍は、ロシアからのリアルタイム情報と中国の北斗衛星による誘導・航法を活用し、極めて効果的な反撃を行っている。

中国の宇宙能力と北斗システムについては、2023年に元沿岸警備隊のサド・アレン提督が作成したメモを参照。

「GPSの能力は現在、中国の北斗システムに比べて大幅に劣っている」と明言されている。

https://www.bgr.com/2093464/china-advanced-alternative-gps/

その結果、USraelは最初の「成功」の後、深刻な打撃を受けた。一部の軍事装備の損失は壊滅的としか言いようがない。

イランには近代的な空軍も最新の防空システムもないため、USraelが制空権を握っているのは驚くに値しない。これは昨年6月の紛争ですでに判明していることだ。

しかしUSraelの制空権はイランの反撃を効果的に抑え込むことにはつながっていない。

イランのミサイルやドローンが、湾岸諸国にあるUSraelの標的に降り注いだ。

防空迎撃ミサイルが多くの攻撃を阻止したものの、その代償は甚大(多くの場合、50対1、あるいは100対1という比率)であり、かなりの数のミサイルやドローンが防空網を突破し、以下のような極めて重要な資産を破壊している:

– カタールのアル・ウデイド基地にある11億ドル相当のAN/FPS115 PAVE PAWSレーダー。これは米軍の保有する中で最も先進的な長距離戦略早期警戒レーダーシステムである。

固体AESA技術を採用し、探知距離は5,000キロメートルに及ぶ。「デザート・アイ」の愛称で知られるこのシステムは、中東における米国の長距離ミサイル探知網の最重要拠点であり、代替には数年を要するだろう。

PAVE PAWSの破壊により防空状況の把握能力および飛来するミサイルの探知・撃墜能力が大幅に低下する

– 少なくとも3つのTHAADバッテリーが損傷したことが確認されている(イランは中東のすべてのTHAADシステムが破壊されたと主張)。

3基のTHAADシステムに搭載されたAN/TPY-2レーダー(各4億~5億ドル)がUAEのアル・ルワイス基地、ヨルダンのムワッファク・サルティ基地、クウェートのアリ・アル・サレム基地において、衛星画像により破壊されたことが確認された。

レーダーが破壊されたことで、THAADシステムは実質的に無価値となった。なぜならレーダーによる目標捕捉誘導なしでは迎撃ミサイルを発射できないからだ。

THAAD迎撃ミサイル1発の価格は1,270万~1,550万ドルである(同等の中国製高高度地対空ミサイルは200万ドル未満だ)。米国におけるTHAAD迎撃ミサイルの年間総生産数は96発である。

イランは弾道ミサイルによる「デコイ群」を用いて、THAADに限られた迎撃ミサイルを偽の標的に浪費させ、その後、飽和攻撃を仕掛けてレーダーを破壊した。

THAADは、イランの「ファッタフ1」や「ファッタフ2」のような極超音速ミサイルも迎撃できない。

Googleによると、現在稼働中のTHAAD部隊は世界中で8~9個しかない。

米国は韓国に配備されていたTHAADシステムをイスラエルへ移動させたばかりだ:

https://www.armyrecognition.com/news/army-news/2026/u-s-redeploys-thaad-defense-system-from-south-korea-to-middle-east-as-iran-missile-threats-persist

– 少なくとも3機のF-15E戦闘機が撃墜された。米国は「味方による誤射」について矛盾した主張を展開した。当初はパトリオットミサイルによるものと報じられたが、後にクウェートのF/A-18ホーネットによるものと変更され、クウェートのパイロットは中東における米軍の作戦での撃墜数最多を誇る英雄的なトップガンとなった。

経緯はどうあれ1機あたり1億ドル以上もする3機の重戦闘機(「制空権確保」用)は完全に破壊された。写真には、脱出後、地元の救助隊員に降伏するためにひざまずくパイロットたちの姿が写っている。

– 1機あたり3,000万ドルのMQ-9リーパー11機が、イランの防空網によって撃墜されたことを米国は認めている。多数のイスラエル製ヘルメスおよびヘロン無人機も撃墜された。これらは自爆型ドローンではない。往復飛行を前提に設計されている。

– イランがミサイルやドローンでこれらの施設を繰り返し精密攻撃したため、湾岸地域の米軍基地は事実上すべてから撤退した。

– イランは、降下中に開くように設計された弾頭を持つクラスター爆弾を搭載したハイパーソニックミサイル「ケイバル・シェカン」を使用しており、10平方キロメートルの範囲に最大80個の小型子弾(ボムレット)を散布する。

これらのクラスター弾はテルアビブを襲った。ユダヤ人にとっては馴染み深いはずだ。彼らもガザの民間人に対して同じ兵器を何度も使用してきたのだから。パレスチナ人にとって良いことはユダヤ人にとっても良いことだ。

皮肉な運命の巡り合わせだが、証拠もなく中国や他国が「企業秘密」を盗んでいると絶えず非難する米国の軍産複合体は、盗んだイランの技術を公然と利用してシャヘド136の完全な模倣品である「ルーカス(LUCAS)」と呼ばれる低コストドローンを製造している。

中国の軍事アナリストらは、米国の主要な資産であるレーダーシステム(防空の「目」と「脳」)が広範囲に破壊されたことから、イランの極超音速ミサイル攻撃に対する米国の防空体制の脆弱性に気づいている。

中国はイランよりもはるかに高度な極超音速ミサイルを保有している。

中国は、核搭載型および通常弾頭型の両方の極超音速ミサイルにおいて世界をリードしており、多数のモデル、異なる推進技術や飛行特性、そして多様な弾頭や射程を備えている。

数量の面では、中国はイランよりも1桁から2桁は容易に上回る生産能力を持つ。

もし米国がイランの極超音速ミサイル攻撃を撃退するのが困難だとすれば、中国に対しては全く勝ち目がない。

アジア・ソサエティの国家安全保障担当シニアフェロー、ライル・モリスは次のように述べた:

「むしろ中国はイランがこれまで中東で与えてきた損害よりもはるかに甚大な被害を、より精密に、アジアの米軍基地に与えることができるだろう」。

要は、もし米国が中東における米国の国益に対するイランのミサイル攻撃の脅威を脆弱性として認識しているならば、アジアにおける中国のミサイル脅威に直面した際、米国にとってははるかに深刻な問題となるということだ。

中国にはこの地域の米軍基地に深刻な損害を与えるための必要な能力がある。北京がそう選択すれば、軍事衝突の最初の数時間であってもそれは可能である。

流出した国防総省の内部報告書『オーバーマッチ・ブリーフ2026』によると、中国の膨大なミサイル数は米国の防衛網を容易に圧倒し、わずか20分で米国の空母艦隊(11隻)全体を無力化できるという:

https://interestingengineering.com/military/how-china-would-use-its-hypersonic-arsenal

ピート・ヘグセス戦争長官も2024年11月の『ショーン・ライアン・ショー』で次のようにコメントした。「中国の極超音速ミサイル15発で、米国の空母艦隊10隻すべてを20分で沈めることができる」。

この発言はヘグセスが米議会で承認される前になされたもので、ヘグセスは自国に空母が11隻あることさえ知らなかったようだ。

また議会での承認聴聞会で彼はASEAN加盟国を一つも挙げることができなかった。これが米軍「指導部」の質なのだ。

中国の兵器を嘲笑している親米・親イスラエル派の『Fox News』のコメンテーターたちにとって、米戦争長官省は中国のプロパガンダ屋に映るのかもしれない。

極超音速兵器の戦略的価値とは別に、中国の観測筋は低性能ドローンによる飽和攻撃に対して米国には防御手段がない点にも注目している。この分野において、中国はイランよりも数桁も優れた能力を有している。

中国がドローン生産において世界をリードしているという主張に異議を唱えられる者はいないだろう。

興味のある方は中国の兵器庫にある世界トップクラスの各種軍事用ドローンについて私が書いたサブスタックの記事数本を読んでほしい。そこには自らのドローン群を放出できるドローン母艦についても触れている。

さらに、米国が誇る防空システム――パトリオット、イージス、THAADの早期警戒レーダー――は、弾薬の備蓄量が少ないこと、莫大なコストがかかること、生産サイクルが長いことなどから、極めて脆弱であることが明らかになった。

高強度かつハイエンドなミサイル・ドローン紛争において、中国は米国を容易に圧倒するだろう。これはペンタゴン自身の『オーバーマッチ・ブリーフ』でも指摘されている通りだ:

https://asiatimes.com/2025/12/broken-eagle-china-overmatch-warning-tests-us-credibility/

 中国のエネルギー安全保障への影響

米国によるイランやベネズエラへの戦争が、世界の石油供給を締め上げ、中国のエネルギー安全保障を脅かすことを意図しているのは誰にでもわかることだ。

親米・親イスラエル派のグループは、米国がイランの石油を掌握したことで中国に対して優位に立ったと大喜びしている。

こうした時期尚早な祝賀をよく表しているのが「卵が孵る前に数える」という言葉だだろう。

米国が中国や敵対する国々(例えばキューバ)を締め上げたいと願っているのは間違いない。しかし、イランの石油を支配するにはまだ程遠い。

米国の計画とは裏腹に、イランはホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾の石油が世界へ流出するのを阻止している。その対象には、米国の従属国である欧州、日本、韓国、台湾、インドも含まれる。

これらの国々はロシアからの供給を受けられないため、中国と同等かそれ以上に湾岸の石油・ガスに依存している。

例えば、日本と韓国は石油供給の70%以上を湾岸地域に依存しているが、自国の制裁措置によりロシアからは購入できない。

インドは米国との「貿易協定」の一環としてロシア産原油の購入停止を発表してからわずか数週間後、今や膝をついてプーチンに原油を懇願している。これまたインドがいかに愚かな国であるかを世界に示している。同国の原油備蓄は9日分しかない。

一方、中国はロシアからブラジル、アンゴラに至るまで供給源を多様化させている。イランとベネズエラの石油を合わせても、中国の原油輸入の20%未満だ。

中国はまた、世界最大の戦略的石油備蓄を保有しており、270日分相当の量を確保している。

イランは、ホルムズ海峡の通過を許可されるのは中国船のみであると発表した。同国は、米国やイスラエルとの外交関係を断絶すれば、他の国々も中国に加わって安全に通過できると発表した。

エネルギー専門家の間では、戦争が長期化すれば、中国は世界のどの国よりもその影響を乗り切る態勢が整っているという見方が一致している。

結局、中国はグリーンエネルギーの世界的リーダーであり、経済の脱炭素化においても最も進んでいるからだ。

中国は太陽光、風力、水力、原子力エネルギーの最大の生産国かつ消費国である。中国では37基の原子力発電所が建設中であり、これは世界の他の地域を合わせた数よりも多い。

実際、湾岸危機は世界に対し再生可能エネルギーへの移行を加速させており、非化石燃料代替エネルギーの世界的リーダーである中国にとって利益となるだろう。

ロシアは原油価格の高騰から直接的な恩恵を受けている。これもまた、USraelによる戦争がもたらした予期せぬ結果の一つなのだ。

米国自身は現在ガソリン価格が10%上昇している。戦争が続けばその影響はさらに深刻になるだろう。ガソリン車は米国市場では90%を占めるが、中国では50%未満だ。

米国は世界最大の石油購入国である中国への石油供給を締め付けることはできない。中国の市場がなければ、湾岸アラブ諸国の輸出業者は破綻するだろう。

実際、米国自身も中国に石油を売りたいと考えている。

3月5日付の『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙には皮肉な見出しが載っていた:

米国は中国に大きな要求を突きつけている:ロシアからの石油購入を減らし、米国からの購入を増やすこと――スコット・ベッセント財務長官は、トランプ・習近平首脳会談に先立ち、この難しいトレードオフを他の経済目標と併せて推進することを検討している。

米国のエネルギーによる中国への締め付けを称賛する低IQの「評論家」たちは何も分かっていない。

中国はイランに直接的な軍事支援を行うべきか? もし行わなければ、中国は影響力を失うことになるのか?

元駐中国米国大使のニコラス・バーンズは、イランが米国を撃退するのを助けなかったとして、中国を文字通り「頼りにならない友人」だと嘲笑した。

「外交官」が、両国から数千キロも離れた第三国のために、二つの核保有国間の直接戦争を提唱するなど、到底許されることではない。

米国支配階級の堕落はもはや荒唐無稽なレベルに達している。

もちろん、これは中国に対する罠だ。

北京にとっての単純な問いは、「なぜ私が君たちの望むことをしなければならないのか? 君たちは私の最善の利益を考えてくれているのか?」ということだ。

明白な事実は、中国には中東で米国との戦争に勝つための軍事力投射能力がないということだ。

自国の沿岸部では米国に対する中国の軍事的優位性は絶対的だが、西アジアでは皆無である。テヘランは北京から5,600キロメートル離れている。

中東には米国の基地や従属国がある。中国にはない。

もし中国がイランでの戦争に加われば、それは罠に足を踏み入れることになる。

地政学において最大の過ちはゲームのルールを相手に決めさせることだ。北京は、あのような露骨な罠に引っかかるほど愚かではない。

一方で、もし米国がイランとの長期戦に泥沼化すれば、中国は傍観者として、米国が金と血を消耗していくのを見て利益を得ることになる。

敵が過ちを犯している最中は決して邪魔をしてはならない。そしてワシントンは史上最大の過ちを犯している。

中国には古くから「坐山観虎闘(山の上に座り、虎の争いを眺める)」という諺がある。

米国はこれを実践し、「虎」が疲弊した時点で参戦することで、二つの世界大戦に勝利したのだ。

中国は、自国の核心的利益に関わらない紛争には巻き込まれない。その代わりに、「山の上」に腰を下ろし、虎同士の争いを見守るという「戦略的忍耐」を実践している。

この姿勢は受動的な無為ではなく、能動的な自制である。北京は、地政学において最も価値のある「時間」という資産を確実に手中に収めている。

米国の最も有能な中国専門家たちは、この事実を認識している。元国防総省の中国専門家で、現在はスタンフォード大学の教授を務めるオリアナ・スカイラー・マストロは、昨年の外交問題評議会(CFR)のパネルディスカッションで、中国の軍事戦略と「戦略的忍耐」について次のように語った(下記動画参照):https://youtu.be/BYxU3kRWaws

マストロは、米国防総省が中国を米国との勝ち目のない戦いに引きずり込むため、イラン戦争と全く同じシナリオをウォーゲームで想定していたが、北京は決してその罠にはかからなかったと具体的に指摘した。

その代わりに、北京は非軍事的な方法でイランを支援している――経済的な生命線、北斗(ベイドウ)衛星測位・誘導システム、情報共有、そしてロケット燃料、ドローン部品、コンピュータチップといった重要な軍需物資の提供などだ。

中国軍はまた、米国の戦術、兵器、戦力と弱点、電磁シグネチャ、通信プロトコル、ミサイル・ドローン防衛の隙間など、貴重な戦場データをリアルタイムで積極的に収集している。

この膨大な情報は、台湾海峡や南シナ海における米国との最終決戦に向けて、中国を万全に備えさせるだろう。

北京はそのような決戦が今後10年以内に訪れる可能性が高いことを十分に認識している。その時期と場所を選ぶことは、中国にとって戦略上の必須事項だ。

米国とのこの最終決戦は、今後100年の世界の行方を左右する決定的な出来事となるだろう。新たな世界秩序はその結果にかかっている。したがって中国は勝利しなければならない。

中国が万全の準備を整える前に不必要なリスクを負うことはあり得ない。現在の中東での戦争は、大局から見れば単なる雑音に過ぎない。

最後に、中国、ロシア、イランの関係は、米国と欧州、カナダ、オーストラリア、日本、韓国といったその属国との関係とは全く異なる。

それは、米国とイスラエルの主従関係とは正反対のものだ。

中国・ロシア・イランの関係は、それぞれ独自の主体性と独立性を持つ対等な主権国家間の関係だ。これらは条約に基づく同盟ではない。

例えば、イランは昨年の12日間の戦争の前に、重要なチャバハール港を含め、インドとのより緊密な関係構築を選択した。

イランは、一帯一路(BRI)プログラムの一環として港を開発するという中国の提案を拒否し、そのプロジェクトをインドに委ねた。当然ながら、北京側は快く思っていないが、それはイランが下した決断だった。

インドがイスラエルへ接近(モディ首相の最近のテルアビブ訪問に見られるような、文字通りの意味でも比喩的な意味でも)したことはイランに対する痛烈な一撃であった。

しかしどんなひどい判断でも、イランが独自の判断を下す権利を中国は疑義をとなえるべきではない。

中国が提唱する多極的な世界秩序とは、西側の主従モデルを打破するものだ。

世界的な影響力という点で、違法な戦争を仕掛け、欺瞞によって国家元首を暗殺する米国に対し、中国が戦争に参加せず、第三次世界大戦を引き起こさないことで、影響力や好意を失うとは想像し難い。

そんな馬鹿げた結論を導き出すには、相当な妄想が必要だ。

 4月のトランプ大統領の習近平国家主席訪問で注目すべき点

ホワイトハウスはすでにこの訪問を発表しているが、北京側からはまだ確認されていない。この訪問は今後数年間の米中関係の行方を占うバロメーターとなる。

戦争の初期段階では、トランプはベネズエラやイランでの「成功」を「切り札」として、北京を訪問できると期待していた。

開始から2週間も経たないうちに、彼は目元を腫らし、鼻血を流した状態で訪中することになりそうだ。

トランプは、数日前に自ら電話をかけてプーチンに懇願したのと同じように、習国家主席にイランへの介入を懇願し、この窮地から救い出してくれるよう頼むだろう。

トランプは、レアアースやガリウム、タングステンといった重要鉱物に対する締め付けを緩和するよう習国家主席に懇願するだろう。

中国が独占するこうした資源なしでは、米国の戦争機械は明らかに機能しない。そしてその備蓄は危険なほど底をつきつつあり、残り2ヶ月しか持たない可能性がある:https://www.mining.com/us-has-two-months-of-rare-earth-supplies-left-scmp-reports/

トランプは習国家主席に自分の愚かな関税戦争を忘れて、米国の石油、大豆、牛肉をもっと買ってくれるよう懇願するだろう。彼が北京に対しNvidiaのチップの中国への再輸出を許可するよう懇願する可能性は高い。

トランプの「世界貿易戦争」の1年間で中国は1.2兆ドルの貿易黒字を記録した。これは人類史上、圧倒的な差をつけた最大のものだ。

一方、米国は人類史上最大の貿易赤字、これも1.2兆ドル、を記録した。1930年代以来の最高水準の関税体制下で、どうやってそんなことを成し遂げたのか、私にはさっぱり分からない。

トランプには「逆ミダスの手」がある。金を糞に変えてしまうという信じがたい能力だ。

そしてトランプにとって事態はさらに悪化している。2026年の最初の2ヶ月間で中国の輸出は21%急増した。一方で米国はインフレと雇用喪失に苦しんでいる。

習国家主席は80歳の子供じみた男を公然と辱めるようなことはしないほどの大物だ。しかし心の底では間違いなく、トランプを軽蔑と侮蔑の眼差しで見ているに違いない。

以前のエッセイで書いた通り、10年後に米国は北京にとって脅威ではなくなり、中国と戦争ができるふりさえしなくなるだろう。

https://huabinoliver.substack.com/p/what-are-the-chinese-saying-about