ナンシー・ペロシは中国の龍に勇敢に挑み、勝利する?
by Andrei Raevsky
ペロシは台湾に上陸したようだ。これは無敵の米国にとって大勝利であり、むなしい脅迫をした中国はメンツをうしなった。それがあの邪悪な共産主義者たちだ。彼らが理解できるのは力という言葉だけであり、民主主義の統一された力に直面したとき、彼らは降参する。
そうだろ?
そうだろ?
えっと・・・
もし国際関係、軍事、中国(あるいはロシア)に関するあなたの専門知識がトム・クランシーの本を読むことから得られているのなら、そうだろう。
しかし、これには別の見方がある:
第一に、客観的に見れば今回の訪問は何の効果もない純粋な挑発行為である。ペロシはブランドン大統領(「くたばれジョー・バイデン」の隠語)https://www.fnn.jp/articles/-/262738と同様に、テレプロンプターを読むだけの老婆だ。米国と台湾が実際に話し合うべきことが何であれ、それはリモートか、思考能力のある人々の会合を手配することで行われたはずである。
第二に、過去何度もロシアがそうであったように、中国はレッドラインを引いて、それを米国に越させた。自己愛に満ちた文明である欧米は、これを「弱さ」、「優柔不断」、あるいは「甘さ」の表れとしか見ていない。この人たちが考えもしないことは、訪問と中国の(これまでの)反応の欠如の両方に対して、ほとんどの中国人がどう反応すると思うかということだ。彼らは怒り、不満をあらわにするだろう。では中国政府の立場から見てみよう。反米プロパガンダに何十億も費やすよりも、米国に中国を貶めさせることで、本当の対決が行われる日に向けて中国国民を結束させているのである。
[補足:長年にわたるクレムリンの弱々しい、ほとんど口先だけの抗議行動と、ロシアが「突然」西側へ最後通告を出し、ウクライナ特別軍事作戦(SMO)を開始したこととは直接的な関係がある。クレムリンは、世論を文字通り「調理」し、強力な行動を要求するところまで持っていったのだ。「私たちはついに、足元を固め、真の行動を起こす」。それは2018年以前には不可能だっただろう。プーチンを「優柔不断」と見た西側諸国の人々は、中国の考え方と同様に、ロシアの考え方を理解していないのである。簡単に言えば、自国民を戦争に備えさせることなく、戦争に備えることはできない。トム・クランシーがその読者の脳みそにするのはこれだ] 。
第三に、素朴な質問をしよう。ペロシ氏の台湾訪問のタイミングは誰が決めたのだろうか。答えは明白で、米国の指導者たちである。そして、その訪問が可能な限り最高の状況で実現するように、すべてを注意深く準備していたことは間違いないだろう。さて、戦争の基本原則は、戦いの時間と場所を敵に選ばせないことである。そう、そう、そう、西洋の文化では、どんな「侮辱」(現実であれ、認識であれ)でも即座に反応することが要求される。しかし中国は200年どころか、何千年もそれに対応してきた。彼らはもっと良く知っていて、報復の時間、場所、手段を選ぶのは米国はなく中国であることは確かである。
要するに、米国を動かしている、社会的不公正への意識が高いナルシストたちは、いかに「中国の共産主義者たち」に優位な立場を選ばせることになったかを祝うことができる。ちょうど、1991年から2021年の間にロシアに対して行ったように。そして、ロシアが行動を起こすと決めたとき、米国は完全に不意をつかれ、この突然の直接的な脅威にどう対処したらよいのかわからなくなったのである。
最後になるが、そのような帝国の傲慢さは、(すでにかなり怒っている中国の人々に)影響を与えるだけでなく、Bゾーンすべてを激怒させ、それによって、アジア、アフリカ、インド亜大陸、中央アジア、ラテンアメリカで米国がさらに敗北する条件を作り出すことになる。
ほとんどの米国人は、彼らの見下したような傲慢さ、常に旗を振り、人類のための救世主的使命を語ること、そして一般的なナルシズムが、地球の他の地域にとってどれほど不快であるかを全く理解していない。しかし、地球上のあらゆる場所で米国が犯した失敗の果てしないリストを客観的に見れば、ここに何か奥深いものがあることがわかるだろう。なぜか、「ヤンキー・ゴーホーム」というのはとても伝染しやすいようである。
ナンシー・ペロシは、私たちの深い感謝の念に値すると思う。彼女は少なくとも2つの勲章を受けるべきだ。
1つは中国共産党からで、中国政府を中心に中国国民を結集するための、彼女の果てしない努力に感謝して。
もう1つはロシアからで、ロシアと中国の同盟関係を強固にするための、彼女の果てしない努力に対して。
実をいうとブリンケンとペロシの間では中国とロシアの国家安全保障の利益は十分に確保されているのだ🙂
https://thesaker.is/nancy-braves-the-chinese-dragon-and-wins/