No. 1721 困難からは逃げられない

Between That Rock and The Hard Place

… 大統領は、ウクライナに対するアメリカの支援をヨーロッパにおける同盟関係の活性化を主張する際の目玉としている。そして大統領は、政権が引き続き尽力していることを同盟国に再確認する方法として侵攻から1周年を迎えたいと顧問に話していた …
– The New York Times (February 20 2023)

by James Howard Kunstler

秘密エージェント「ジョー・バイデン」は、エアフォースワンを戦地に着陸させるという危険を避けてポーランドに降り立った後、ウクライナの辺境を夜行列車で移動し月曜日の朝キエフに姿を現した。ビクトリア・ヌーランドが自分の使い走りに託したメッセージを推測してみるのもいいかもしれない。私の推測では「JB」はゼレンスキーにアメリカは100%彼を支援していると伝えるために来たのだと思う。明らかに嘘であり、実際の展開とは正反対で、核のハルマゲドンを起こさない限りアメリカの構想の悪い計画をロシアが終わらせるのを防ぐことはできないのだ。かつて暴君コーン・ポップと戦い、それを打ち負かした巨匠「スクラントン・ジョー」以外にこの驚くべき虚偽を伝えるのにふさわしい人物がいるだろうか!

先週、米統合参謀本部議長のマーク・ミルリー将軍が、ロシアはウクライナで「戦略的、作戦的、戦術的に」負けたと発表したのを覚えているだろうか。これは、NATOのストルテンベルグ長官が、ウクライナ軍は弾薬、特に砲弾が不足しており、その唯一の解決策はヨーロッパが軍需産業を再建することだ、とやや不器用に発表した後のことである -これは遠回しに言えば、その反対で、「もう忘れて」ということだ。

このような認知的不協和音の裏側で、アメリカはロシアと秘密裏に会談し、この混乱から抜け出すための面目を保つための工夫をしているのだろうと考える人もいるかもしれない。しかし、本当にそのための手段があるのだろうか?ウクライナで米軍が地上戦に入ると脅すことができるだろうか?それはジョージ・アームストロング・カスター将軍のようなものだと思わないか?どうやらアメリカに残されたのは、最高司令官のふりをした見せかけのゲームだけなのだ。

また、あえて言えばアメリカの有権者は昨年の夏エドガータウンからバーハーバーまで、すべてのWokeの人の家の玄関先に黄色と青の旗が掲げられたときほどウクライナ戦争に熱狂していないように思われる。ウクライナの米国の代理人はドンバスの最前線でロシア人に確かに何かしていたようだ。それはドナルド・トランプがアマゾネスのようなヒラリー・ロダム・クリントンから2016年の選挙をロシアが盗むのを助けたことの報いなのだ。

ウクライナによる秋の攻勢は残念なことに幻想で、残念なことに、軍隊を組織的に壊滅させるための準備であり、それはほぼ完了した。戦車を送り込んで窮地を脱するという話もそうだ。NATOの存在も、空っぽの店先の粉飾以外の何ものでもない。独立系記者シーモア・ハーシュが最近主張したように、ノルドストリームのパイプラインの爆破が同盟国であるはずのドイツへの攻撃のように思えるなら、ドイツを中心とするNATOへの攻撃でないわけはないだろう。そして最後に、なぜドイツはアメリカに隠れてロシアと密談をしないのだろうか?

今、ヨーロッパ中で悪巧みが渦巻いているに違いない。そしてアメリカ人はディープステートが所有するニュースメディアからこの件について何も聞くことはないだろう。ヨーロッパがウクライナの無力化と共存できない理由はあるのだろうか?もちろんない。ウクライナは米国務省の天才たちが、ロシアを困らせ敵対させる良い方法だと考えたからこそ、今騒動になっているのだ。このプロジェクトは最初から正気の沙汰ではなかった。その結果ヨーロッパは産業社会であり続けるために必要な天然ガスを、合理的な価格で手に入れることができなくなった。

NATOはこの事態の打開策を探っていると考えざるを得ない。しかしNATOの存在理由がなくなったことを、直接的、あるいはその他の方法で言動によって宣言する以外に出口はない。ヨーロッパ人がまともに分析すれば、NATOの敵はロシアではなくアメリカになってしまったという無気味な事実に行き着くだろう。もしそうだとすれば、アメリカがウクライナ・プロジェクトで干されるような劇的な変化が起こりつつあることになる。ドイツはノルドストリームを再建するためにロシアと取引しなければならないだろう。それに対してアメリカは何ができるだろうか?ドイツ、フランス、オランダ、そしてその他の国々に制裁を加える?西洋文明はどうなるのだろう?

西洋文明は衰退するだろう。米国は世界の他の国々から完全に孤立し、自らの腐った経済・金融の汁を吸うことになるのだ。(さらば、覇権主義の夢、こんにちは多極化!)ウクライナは中立化され、もはや問題ではなくなる…ロシアは国境に安心感を持ち、普通の国として自由にやっていける…そしてヨーロッパには、慣れ親しんだ快適さと利便性を備えた近代生活をもうしばらくで再開できるという希望が残る。

ウクライナ紛争の終結はまた、アメリカ人の生活のあらゆるニッチと西洋文明の至る所に工作員を送り込んだグローバリストの腐った網を暴露する。ジョージ・ソロスの干渉するNGO帝国、ビル・ゲイツのWHOの人形劇、ジャスティン・トルドーからブラックロックのラリー・フィンクといった引き立て役からなる馬鹿げた世界経済フォーラムのネットワーク。

ウクライナ紛争の終結はこの国を破滅させようとする極悪非道な利益団体に民主党が服従していることを明らかにする。ウクライナ紛争が最も穏便に終わるとしても、例えば、デフォルトでヨーロッパとロシアが戦闘を止めるために自分たちで解決するとしても、「ジョー・バイデン」と彼の背後にいる仲間たちにとっては、カブールでの最後の日々と同じくらいひどい、別の屈辱となるであろう。売国奴的な賄賂から、新型コロナにまつわる詐欺や大量虐殺まで、彼らの他の犯罪の全てが明らかにされるのを待っている。アメリカでは厳しい政治的再編成が行われなければならないだろう。しかしそれが起こる前に、ひどい混乱の季節が何度もやってくることだろう。

Between That Rock and The Hard Place